領主の館ーーー商団②
「はい注目!!!今回の護衛クエストについて!!説明やら何やら進めいく!!!しっかり聞いとけよ!!!!」
「今回は俺がリーダーを務めることになった!!サブリーダーとしてガルドが選ばれた!!異論は受け付けない!!」
リーダーはブライドさんか。
んでサブリーダーがガルドさんと。
両方ともパーティーやらクランやらで戦闘を指揮してる人達だな。
適任だな。
「今回は商団がアルツ村へいくとのこだ!俺達のクエストは道中の護衛だ!!」
おー何時もより気合いの入った声だな。
こんなブライドさんを見るのはダンジョン攻略依頼だな。
「で、俺達の護衛の際を隊列を発表する!!!グレン率いる前衛部隊約9名を先頭に配置する!左右にも近接戦闘を出来る奴を各12名ずつ配置し、殿にクラウスさんと、その弟子であるアレス、他6名を置く!!」
「先頭と中央の馬車を俺達に貸してくれるとの事だから、そこに魔法使いや弓使いなどの後衛職を分けて載せる!前衛は俺が!!中衛はガルドが!!後衛はクラウスさんが指揮を執る!!」
「詳しい振り分けに関しては、話が終わり次第、報告する!大まかな振り分けに関しては以上だ!!なにか質問はあるか?」
「あの〜いいですか?」
「どうした!アレス!!」
「商団の護衛初めてでよく分からないんですが・・・護衛である俺達は周りを歩きながら付いていくんですか?」
「「「あはははは!!!」」」
めっちゃ笑われるな。
けどまあ、笑ってる人から悪意みたいなのを感じないし別にいいか。
・・・流石にないと思うけど、一応聞いておこう。
っていう俺は歩きの方がいいんだが・・・・
馬とか言われたら・・・・・
「質問ありがとう!!俺達は馬に乗って移動するぞ!!!」
「あの、ブライドさん。俺馬乗れないんですけど・・・・」
日本で馬乗る機会なんてそうそう無いから、乗馬の経験なんないぞ俺。
どうすればいいんだ。
「アレス君にも出来ない事はあるんだね。」
「そりゃありますよ。ってか馬乗ったことが無いんですよね・・・・」
「乗ったことない・・・・今までもっ・・・・あ、ごめんよ。」
そうか、ガルドさんには記憶喪失したって話してるから、気を使わせちゃったか。
「大丈夫です。ガルドさん。気にしないで下さい。」
くっ!心が苦しい!
しかも結構すごい嘘ついてるからなあ・・・・
「ならアレス!お前は後衛の馬車に乗って・・・」
「ああ、良いよ。ブライド。アレスは走るから。」
「・・・・・・・は?」
な、なに言ってんだ?クラウス?
急にどうした?
走り?走りって走るって事?
それとも違う意味でもあるのか?
「アレス。商団の護衛中は商団から離れる事出来ん。それはわかるな?」
「あ、ああ分かるけど。」
「つまり、日課のトレーニングが出来ない訳だ。だからランニングだけでもやろうか。」
「「「「うわあ。。。。」」」」
クラウス鬼すぎない?
周りもドン引きしてるよ。
「いや、でも走りで馬に追いつけるのかよ。」
何とかして阻止しなければならない!
流石にそれはキツすぎる!
途中で魔物とかに襲われたりしたらもう動けんぞ!!
「追いつける。馬車を引いてる馬に合わせるから、速いとはいえお前なら付いて行けるスピードだ。大切な品もあるから、馬は全力で走らせないだろう。道もある程度整備されてるし。頑張れ。」
「ま、まじかよ。」
「強くなりたいんだろ?それに普段と違って重りもないんだ。馬車に置いてるからな。」
「!・・・・分かったよ。やってみる。」
「よし、決まりだな。ブライド!アレスは走っていく!」
「流石アレスだああああ!!!馬について行くとは!!俺でも出来ん事をやるとはな!!!」
まだ出来るか分からないけどね・・・・
「では!今日の会議はこれまでとする!商団は明日の夜明け前に出発する!それまでに遅れずにここに集合!!!以上!!解散!!!」