ダンジョン攻略④
「リーナ、殲滅の業火を後ろに使え。撤退する。」
「・・・・分かったわ。・・・我が内なる力よ。紅蓮の奔流となりて荒れ狂え。天を焦がし・・・」
「ガルド!!リーナの魔法を後ろのモンスターにぶち込む!撃ったと同時にお前らも走れ!そのまま突破するぞ!」
「分かりました!アレス!グレン!リーナの魔法と同時に撤退します!それまで前線を維持します!」
「おう!」
「分かりました!」
クラウスがガルドに作戦を告げ、少し離れた所にいるアレスとグレンにガルドが伝える。
撤退か。
流石にそうだよな。
・・・・リーナの詠唱が終わるまでの辛抱だ。
絶対に耐えてやる。
「燃え盛るは破壊の剣、舞い踊るは炎の暴風!」
「来るぞ!!走れ!走れー!!」
「今ここに顕現せよ!」
リーナの周りに無数の火球が出現する。
「殲滅の業火!!!」
詠唱完了。
火球が一斉にモンスターの群れへと降り注ぐ!
着弾した瞬間、爆発が連載し、瞬く間に広範囲が灼熱と化す。
「ぉぉ.....」
あまりの高火力、広範囲の魔法の凄さに圧巻され、言葉も出ない。
「アレス君、あの火の中にそのまま突っ込んで、そのまま最上階層まで戻る!」
「!っはい!」
あの火の中に突っ込むのか・・・・
仕方ないか。
多少火傷しても、死ぬよりかマシだ。
よし、突破出来そうだ。
リーナの魔法で粗方片付いた。
退路の方にはもうモンスターは数える程しかいない。
行ける!!
ガルド達もリーナの魔法に合わせこちらに来れている様だし、全員生きて帰れる。
リーナは魔力枯渇で動けない。
が、カナがリーナを運んでくれている。
俺たちはそれを守りながら逃げ切る!・・・・
「アレス君、後ろは僕とグレンが対処する!君はカナとリーナを近くで守って!」
「了解です!」
よし、この調子なら全員生きて帰れる!
アレス君を、クラウスさんを、パーティーの誰1人も死なせる訳には行かない!
道はクラウスさんが切り開いてくれている。
僕は階層の奥から迫り来るモンスターどもを・・・・・
グウオオオオオオオオオオ!!!!!
「「「「!!!???」」」」
何だ?何の叫び声だ?
「クラう・・・っ!」
クラウスが驚愕している。
焦った顔を、表に出している。
今までもそんな事はしていなかったのに、ここになって、今の何かの叫び声を聞いて。
ドオオオオオン!!!
「クラウスさん!このまま逃げきれますか!?」
ガルドが怯えたように叫ぶ。
何か良くない物が迫り来る恐怖に、1番の実力者であるクラウスに、助けを求めるかのように。
「走れ!」
クラウスはただ走れと言う事しか出来なかった。
クラウスは逃げ切れるとは言わなかった。
何故ならあれの声が聞こえたから。
ドドドドドド!!!
モンスターどもの奥から猛スピードで何かが迫ってくる!
・・・・っ!
あれは、、、ドラゴン!!??
周りのモンスターを一匹残らず殺しながらこちらに向かってきている!
ぁぁ。
さっきの声は、クラウスやガルドが焦っていたのは、こいつの存在か!
・・・・でかい。20mはあろうかと思われる全長。
高さは5mはあるかもしれない。
こんな化け物相手にどうすれ良いってんだ!
「ガルド!やばいぞ!どうする。ドラゴンだ!しかも結構でかいぞ!」
「分かってる!見えてる!けど、どうしようも・・・・!」
ヒュッ!ドオオン!!
なっ!
俺達の上を超え、前方に立ち塞がる。
周りに、他のモンスターは居ない。
あれが全部殺したからだ。
「あぁ・・・・・もう、むr」
「諦めんなガルド!まだ行ける!あれは亜龍かもしれない!それなら!」
ザっ!
クラウスがドラゴンと相対するように立つ。
「ガルド、俺が隙を作る。お前らで殺せ。」
「っ!分かりました!」
「お前ら弱気になるなよ。俺が道を切り開く。着いてこい!焔龍を狩る!」