ダンジョン攻略ーーー焔龍①
焔龍。
炎のような輝きを放つ、赤い鱗。
大きな翼や鋭い爪、大きな双角は他の生物に恐怖を思い出させる。
名前の通り、炎を操り、飛行能力と高い身体能力で数多の冒険者・・・・・いや、数多の生物を屠ってきた。
この世界では焔龍はダンジョン内でしか産まれない上に高ランクのダンジョンでさえ、焔龍が産まれるのは稀である。
そのため、一般の人どころか多くの冒険者ですらその存在を、自分の目で見たものは少ない。
しかし、焔龍の存在自体は冒険者ですらない人・・・・それこそ、子供ですら知っている。
過去、ダンジョンから這い出てきた焔龍により、一夜にして一国が滅んだ。
その後、ヴァルグレイ王国の騎士団によって討伐されたが、この話は人間の国全てに共有された。
小国、その上奇襲とはいえ、一国が滅ぶ程の力を単体の生物、それもモンスターと言う人類の敵が持っている。
それを聞いた者や噂を耳にしたある者は驚愕し、ある者は疑い、全ての人が恐怖した。
一部の者がこれを機にモンスターに対しての恐怖を、危険性を詩にして、その事を広めた。
そうして現在まで、焔龍は人間にとっての破壊や力の象徴として恐れられてきた。
それは、人亜歴が出来る前。
魔族や亜人との衝突が多かった時に起きた出来事だった。
ーーーーーーー
「グレン、ガルド。お前らはあいつの両足を狙え。ヘイトは俺が受け持つ。アレスは俺の後ろに着いてこい。カナあいつの翼か目を狙って射て・・・・まずは奴の機動力を削ぐ!!」
「「「了解です!」」」
「分かった!」
全員が一斉に動き出す。
ガルドとグレン左右に分かれ、焔龍の足を狙いながら弧を描くように素早く接近する。
クラウスとアレスは焔龍に真正面から突っ込んでいく。
「アレス、お前は隙を見つけて奴の目を狙え!それまで俺の後ろから離れるなよ!」
「分かった!!」
くっっそ速い。
クラウスは普段加減して走ってくれてたんだな。
着いて行くので精一杯だッ。
グオオオオオオ!!
再び焔龍が鳴く。
目の前に居る虫けら共を煩わしく思い、襲いかかる。
まずは目の前の虫けらから!
凶悪な爪を持った腕が巨体に似つかわしくないスピードでクラウス目掛け振るわれる。
が、クラウスはそれを軽くいなす。
二撃目、三撃目も受け流していく。
すっげえな。
何でこれを簡単に受け流せるんだよ。
普通なら力で押し負けそうなもんだが、クラウスは俺とは違い、力の流れをしっかりと見れているから出来るんだろう。
この速さでよくそんな事が出来るな。
何なんだこいつは!?
虫けら如きに自身の自慢の爪も役に立てていない。
それどころか、全て受け流され、気がついたら自分自身が追い詰められている!
他の虫けらとは違う!
こいつは全力で潰さねばならない!
「うおおおお!!」
右足を狙う!
が硬い鱗に弾かれて跳ね返される。
ちっ!上手く攻撃出来ないな。
あの硬い鱗が邪魔だ。
鱗と鱗の間を攻撃しようにもあまりに狭せすぎて、動き回っている焔龍のその部分を狙うのは今の俺では無理だ。
・・・・・同じ鱗を狙って割るか。
もし割る事さえ出来ればしっかりとしたダメージを与えられる!
「クッ!硬いな。」
同時に、ガルドもグレンと同じ状況に陥っていた。
・・・・・龍の鱗ってのはこんなにも硬いのか!
クラウスさんがヘイトを取ってくれてるんだ!
その間に有効な打撃を与えなければ!
・・・・まずは足の指から狙うか。
ザンッ!
ギャアアオオオオ!
斬れた!
よし!まさか斬れるとは思わなかった。
もう一度や・・・・
ドゴオオオオン!!
「かっ・・・・・はッ!!」
全身に激痛が走る。
何が起きた?
壁に・・・・打ち付けられたのか。
尻尾で叩きつけられたんだ!
いっっつ!・・・・肋骨が骨が折れてるな。
グオオオオオ!!
っ!来る!
猛スピードでこっちに来る!
「クッソがッ!」
避けきれない!
ガキイィぃん!!
「生きてるか!ガルド!」
クラウスの剣が焔龍の爪を受け止める!
「おらああああ!」
グサッ!
ギャアアオオオオ!!
またも焔龍が鳴く。
「よくやった!アレス!ガルドをリーナの所まで連れて行け!」
「分かった!!ガルドさん、引っ張ります!」
よし、俺が奴の爪を受け止めた際に出来た一瞬の隙でアレスが奴の片目を潰してくれたここからは少し楽になる・・・・
ギュオオオオオオオ!!!
「なっ!?」
突然、焔龍が1番の障害であるクラウスを無視しガルドを連れてリーナとカナの所へ向かっているアレスを狙い出した!
「ちっ!そっちに行くんじゃねえ!」
クラウスがどれだけ鱗を削ぎ落とし、肉を断ち切っても、焔龍は振り向かない!
「アレス!避けろ!!!!」




