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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第1章 異世界転生と神様
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てんやわんやで異世界転生

 武家屋敷の広間にて、見つけ合う神様と自分。


 いつの間にか金髪の天使ちゃんが6人に増えている。


 若葉色、橙色、薄紅色、胡桃色、茜色、よくコケていた子は薄紅色だったんだなぁと、場違いな考えをしてしまっている。


「本来ならもっと時間をかけて説明したいんじゃがのう。人の魂がこの場におり続けるのは良くないんじゃ。ましてや肉体を得たからには尚更じゃ。あちらの世界に行けば、もう儂と合うことは無くなるじゃろう。儂は御主を束縛したい訳では無いからのぅ。御主は御主の好きな様に生きておくれ。次に御主がここに来るのはその生を全うしてからじゃな。」


 そう言って寂しげに微笑む神様を見て、心が締め付けられるように感じてしまう。


 出会いがこうなった要因ではある神様ではあるが、死のうと考えた時、止めてくれた神様。


 自分の不器用な人生を認めてくれた神様。


 結構不敬な事を色々してしまったのに許してくれた神様…


「神様。最後にお願いがあるのですが。宜しければお名前を教えて頂いてもよろしいですか?向こうに行っても忘れたく無いので」


 そう言うと神様は驚いた顔をして自分に名前を教えてくれた。


「こりゃ済まんかった。余りに色々あった所為で大事なことが抜けておったのう。…儂の名は創世神グリムベルド。この世界を創り出したものじゃ…とは言ってもかなり前にこの世界の神から引退しておるでな。あちらの世界アガルスティアの地上には知る者もおらんじゃろて」


  神様、いやグリムベルト様の名前も聞けた事だしそろそろあちらの世界に行かないとなぁ。


 でも何も持ち物持ってないし、お金も無いや。


 どうしよう?ちょっと未来に不安を感じだした所で


「そうじゃった。神の箱庭に、ある程度の生活用具と装備品、それに地球で持っていた資産に若干色を付けた金額を用意しておいたから忘れぬようにな」

 

 と、ありがたい言葉をもらう。


 これでいきなりサバイバル生活をしなくて済みそうだ。


 神の箱庭があるから最悪引きこもれば何とかなるしと、後ろ向きな考えでいたのは内緒だよ?


  「一応神の箱庭の最初の出口はこちらで決めておいたからの。ヴォートレス大陸の南西部にあるコルカ王国そこにある地方都市の近くにでも出るようにするつもりじゃ。この国は人種差別も無いし、平和である。地方都市は交易都市としても有名な所じゃ。どうじゃな?」


 と問いかけてくれる。


 自分の中ではまだ多数の人の中でいきなり生活出来るかちょっと自信がない。


 都市の手前の村ぐらいで人間相手のリハビリをした方が良い気がする。


「グリムベルド様。すいませんがその付近に村があればそちらの周辺にでも変えて頂けませんか?」


「なるほど。あい分かった。ではそのようにしておくの」


 色々あったがこれからの生活の方がもっと大変なはず。


 分不相応な体やスキルを頂いたが、それを巧く扱える自信もない。


 ただこれからの自分の生き方は神様も認めてくれたのだから、胸を張って生きて行こう。


「それじゃ名残は惜しいが、そろそろ時間じゃ。神の箱庭を使ってみるが良い」


 そう言われて、自分の中にあるスキル神の箱庭に呼び掛ける。


 そうすると自分の目の前に白金色に光る大きな扉が現れる。


 凄いな、こんな風に現れるんだと感心しながら最後に振り返り、さよならの挨拶をする。


「では今までありがとうございました。これから新しい人生に向かいますが、頑張って生きていこうと思います!」


「うむ。達者でな。新しい人生に祝福を! 」


 そう神様が片手を上げながら宣言すると自分の周りに小さな光の雪が自分に降り注ぐ。


 6人の天使ちゃん達も手を振ってくれた。


 ドジっ子天使ちゃんなんて、両手をぶんぶん振り回して?くれる。


 何か足りない気がしているが扉に向かい、両手で扉を開ける!


 自分の冒険はこれからだ!







  扉が閉まり、消えてしまった後もその空間を見つめ続ける主人に82番と呼ばれていた天使が小さな声で問い掛ける。


「主人様。あの方はこれから大丈夫なのでしょうか? 」


  あご髭を撫でながら考えながら主人であるグリムベルドは答える。


「大丈夫じゃよ。神の箱庭に『彼の先生』を呼んでおいたからのぅ。1年分くらい修行すれば何とかなるじゃろう。なんならお前さんも逝ってくるかの?」




「フミィーーーー!!!」




 広い武家屋敷に天使の悲鳴が木霊する。




 拝啓、今日も神界は平和です。
















これにて導入編を終わります。

次からは地上編にいけるかな?

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