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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第3章 マルガス公国
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てんやわんやな神の箱庭5

北の部屋を見た後は西の部屋になる。

こちらは木造の間取りで今いる世界に一番近い形の部屋だ。

本当は近代的な間取りにしようなと迷ったが庭を見る為の部屋でもあるので落ち着ける形になっている。

皆もあまりこの部屋には興味はなく外の景色の方が気になっているようだ。


「それでは外の景色をご覧ください」


ガラス戸を開け皆に見てもらう。

こちらには果樹園となり、色々な木々が丸々とした実をつけている。

その匂いだけで皆の口の中に味が分かりそうな程の濃密さである。

果物には季節感が無く春に実を付けるものもあれば冬に食べ頃になるものまである。

特に女性陣の目の色が変わったので外履きを用意してその場で食べて貰った。


「この果物とても果汁が濃厚です!」


「へぇ、思ったよりあっさりしてるな。でも後を引く旨さだな」


「すいません。これなんという果物なんですか?」


アリス達が質問に答えてくれるお陰で何とかなった。

自分もこの屋敷についてはそこまで詳しくないしな。

誰かさんが長居するせいで…


最後の南の玄関口にはこのまま歩いて行こう。

門から玄関口までは道の左右で非対称になっている。

道から右手側には中央に噴水の広場があり周りは碧い芝生が均等に刈られている。

まるで碧い海のようだ。そして噴水から噴き出す水が太陽によって虹となり辺りの景色の彩りを華やかなものにしてくれている。

皆も噴水の景色を見て息を呑んでいる。

道から左手側はある程度整地された地面が剥き出しになっており実は訓練の場として使っていた。

自分の血と汗が染み込んでいるので切なくなるな…




「以上が周りの景色となりますね。部屋は他に1Fにはさっきまで居た食堂。温泉などを含めた風呂場、皆で話せる会議部屋、そして自分が生産に使う生産部屋がありますね。地下はちよぞうことなってますので一部屋というのかな?トイレはそれぞれの部屋の間に2個ずつありますしね。2Fは自分のプライベートの場所なので勘弁してください」


自分の話に皆ある程度は納得してくれたようだ。

細かい説明はアリス達にして貰おう。


「そう言えばこのアリスちゃん達はどうして皆同じ顔で同じ姿なのですか?」


クリステラが不思議そうにアリス達を見ながら聞いてくる。

そういえば言ってなかったな。


「アリス達はアリスという個体であり全員でアリスという一個人でもあります。ようはアリスは全員同じ人という事ですね」


自分の言葉に困惑気味な皆さん。

仕方ないよね。

自分も朧げにしか分かってないし。


「まぁそんなもんだと思えばいいか」


流石バフマンさん。

話が早い。

それじゃ一回家で靴を履き替えて西の森に行くか。

《彼ら》も待ってるようだし。


そんな事を考えながら玄関に行くとマドックが疲れた様子で待っていた。

話しかけるには勇気がいるが西の森に行くとマドックも誘う。


「取り敢えずここから離れられるのならどこでもいい…」


マドックにも了承を得られたので皆で行くことにする。

西の森に近づくにつれフォルディルは震えだし、オモチも身を硬くする。

この屋敷から西にある森は幻獣が多く住んでいる森で修行をしていた時ここでよく野営をしていたものだ。


「そうだ!皆さんここでは幻獣が飛びかかってきても手を出さないでくださいね。向こうは戯れついているだけなので」


自分の言葉に皆に衝撃が走る。

公爵などは青褪めてブルブル震え出した。

自分も最初はそうだったなと遠い目をしてしまう。


「ベル!幻獣ってどんな奴が来るんだよ⁈フォルディルくらいならいいが、上位種なら俺らに来たら死にかねんぞ!」


バフマンさんが緊張して周りを見ている。

そういえばバフマンはこの森に脅威を感じていたな。

やはり上位冒険者になるとその辺の危機管理能力も凄いな。


「敵性反応ではありませんが強大な何かが来ます!早い?………早すぎる⁈」


フィナさんの緊張した声が皆に伝わる。

自分は良く知っている気配なので逃げる気もしない。

ただ他人から見たらこれからの行動は変に映るんだろうなぁ。




「ギャルルルルルル!」


空中を闊歩しながら自分目掛けて飛んでくる飛翔体が皆の目に映る。

猛禽類特有の鋭い表情に鋭い爪を持ち爬虫類のような前脚。

短い黄金色の体毛を輝かせながら空から空へと舞う姿はまさに空の王者に相応しい。


「幻獣の中でも上位種のグリフォンじゃねぇか!」


マドックの声に皆が固まる。

その一瞬を見逃さず、グリフォンは自分目掛けて突進してくる。

何も出来ない自分はグリフォン毎この場から10mは転げ回るのだった。


「「「ベル大丈夫か‼︎ 」」」


皆の心配の声に片手を上げて振ることで何とか無事を知らせる。

久し振りの再会に興奮しているのか俺の顔を舐めまくる。

落ち着いた頃には顔がよだれまみれだった。


「どうゆう事なんだ?食べられている訳じゃなさそうだが」


皆さん心配をかけてごめんなさい。

ただのスキンシップです。

フォルディルとオモチを撫でながらグリフォンに顔を擦り付けられている自分でした。

…舐められているとやっぱり怖いなぁ…






読んで頂きありがとうございます。

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