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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第3章 マルガス公国
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てんやわんやな騒動後

転移魔法で戻った宿屋の部屋は既に朝日が入って来ている。トリヴェスの背中で寝ていた時間だけの睡眠しか取ってないのか。疲れているはずだ。オモチを枕元に置いて寝ようとしたら部屋の扉が激しく叩かれている。


「漸く帰って来たか!この不良息子め!とっとと報告しやがれ!」


扉を開けた瞬間、フォルディルが自分の顔に飛びついて来て、オモチを見た瞬間喧嘩になったのはご愛嬌だ。今は仲良く自分のベッドで寝ている。自分も寝たい…マドックが何か言いたそうだけど。


「かなり疲れている所悪いんだが、お前の情報が無きゃ仲間に指示が出さねえ。簡単で良いから教えてくれ。」


「ストームドラゴンを説得してマルガス公国の王宮で大公と会談。途中無礼な奴がいたから雷魔法で調教した。大公の説明が役に立た無いし、嵐竜の情報では竜の島で竜の卵が盗まれた挙句、龍脈が傷つけられたんだって。んで原因調べて大公とクリステラ連れて犯人の所行ったらマスタークラスの魔剣士がいて殺されそうになった。なんとかやり過ごして卵を奪還。竜の島行ったら俺の嵐竜がいじめられたから竜の王や竜達にケンカ売った。途中で神龍様が出てきて仲立ちしてもらってそこのオモチが俺の扶養家族なった…」


…いかん。眠すぎる疲労の所為で頭が回らん。何言ってるのか自分でも把握出来ない。


「…済まんな疲れているのに。確認するがもう脅威は無くなったんだな?」


「魔獣教団?だったかな?それだけ調べといて。卵を盗んだのがそこだから。大公には気付かれないようにね」


「了解。酷い一日だったようだな」


そう言って部屋を出るマドック。やっぱり気の利かせ方が上手いな。お休みなさい…




夕暮れ時に漸く目覚める。めざめた理由はフォルディルとオモチだ。両方とも腹が減ったのか?フォルディルを肩に乗せオモチを抱えて下に行く。下にはサラムーン海運の船員達が酒を飲んでいた。


「悪いけど定食を十人前、酒以外の飲み物を3杯ほどお願い。後で追加していくね」


自分の注文に周りは驚くが気にしない。程なくして魚の酒蒸し料理が来る。飲み物はフルーツジュースのようだ。


「お前達も食べれるのか?」


オモチとフォルディルがは勢い良く頷く。店の人に召喚獣用の皿をいくつか借りて魚や飲み物を入れてやる。入れた途端に貪るように食べるオモチ。100年以上食べてないからなぁ。フォルディルは上品に野菜や果物を食べている。さて、自分も食べますか…


「なんだあのヒヨコ?無茶苦茶でけえぞ?」


「自分の体重より食ってるんじゃね?」


「あの狐みたいな幻獣は可愛いなあ」


「…見ろよ船長の息子。無言で15食めだぞ、あれ」


「ヒヨコに触ろうとした奴が吹っ飛んだぞ⁈一体どうなってるんだ?」


「船長の息子強いからなあ。幽霊船の時は戦う姿見てちびりそうになったよ」


「俺も俺も」


外野がうるさいようだが関係ない。自分達は腹が減って仕方がないのだ。黙々と食べる食べるたべる。


「20食超えたぞ⁈」


「料理人が向こうで泣いてるぞ ⁈ 」


「誰かそろそろ止めろ!」


失礼な。自分もそろそろ満足だ。ラストオーダーと行こう。


「ミードを10杯くれ。それで終わりだ」


「「「ふざけんな!」」」


何か聞こえたがどうでもいい10杯の蜂蜜酒をジョッキ10杯飲み干していく。


「どうなってんだよ⁈色々おかしいだろう!」


「取り敢えず船長呼んどけ!」


お腹がいっぱいになったのでオモチとフォルディルを愛でる。うむ、余は満足じゃ。給仕の女の子が信じられないものを見る目でこちらを見てくるが無視だ、無視。


「相変わらず色々やらかしてるな。お前は」


どうやらマドックが帰ってきたようだ。サルサのじっちゃんと副船長も一緒だ。


「ベル後で俺の部屋に来い。今回の騒動の結末を教えてやる」


そう言ってマドックは自分の部屋に戻っていった。自分はもう少しこの子達を愛でるとしよう。




「結果から言うと大公が竜の怒りを抑え竜の卵を取り返して平和を取り戻した事になっている…これで良かったのか?」


マドックが納得できない表情で俺を見るが俺は黙って頷く。正直マルガス公国には失望したがクリステラやギルツが助かったのだから問題ない。自分らが解決したと言い張るならその後の面倒まで見てくれればこちらとしても助かるしな。


「…それで、お前に会いたいという人がいてな?どうする」


マドックが真剣な顔でこちらに聞いて来るが答えはノーだ。


「断っておいてくれ。正直この国の為にこれ以上働くつもりは無い」


「…了解」


自分が何を言いたいのか分かったのだろう。素直に取り下げてくれる。さて、明日からは本格的に観光を始めよう。その前にオモチとフォルディルを目立たないようにしないとな…オモチが入れそうな背負い袋でも作るか?そんな事を考えながら自分の部屋に行くとその前にはクリステラが立ったまま待っていたのであった。どう考えても嫌な予感しかしない。俺はマルガス公国を本当に観光を出来るのであろうか?正直この国から呪われているんじゃないかと思い始めた…









読んで頂きありがとうございます。

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