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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第3章 マルガス公国
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てんやわんやな同行者?

ドルティア公爵家の晩餐会が終わり現在はサラムーン商会で用意された宿屋にギルツと向かっている所なのだがギルツの様子がおかしい。こちらを見ているのだが自分と目が合うと目をそらすのだ。どうやら女性体となったこの体に興味があるのか?…やめて欲しいな。これでも50近いおっさんの精神なので、そういう感情で見られるのは少しキツイ。


そんな事を考えていると身体に変化がおきる。………なんか身体が熱くなってきた?女性体になった時にもおきた感覚なので、走っている馬車から飛び降りて裏路地に駆け込む。


「ベル⁈どうした?何があった!」


ギルツが声を上げるがそれどころではない。今の服はドレスでは無いが女性のものだ。変化すると…破れる!裏路地の人気のない所で[気配遮断][潜伏]で身を隠し服を脱ぎ捨てる。あわやという所で変化が始まり元の体に戻る。…少しは自分で制御できないのか?これ。


男に戻ったので前の服を魔法の袋から取り出して着る。こんな路地裏で何やってるんだろう自分…着替え終わり元の道に戻ろうとした時、「ミィ」と聞いたことがない鳴き声を耳にする。[索敵][危険察知]には反応せず…[感知]に僅かに反応がある…上か!


「ポムッ」という音と共に自分の見上げた顔に何かが着地してきた⁈何だこれ?息が苦しいので剥がそうとするが顔を掴んで離さない。顔中を柔らかい獣のお腹の毛が包み込む………モフモフ気持ちいいしいい匂いだ。少しの間そのモフモフ感を堪能していたが[索敵]に反応があった為正気に戻る。


「そこの人間。そいつを返してもらおうか。」


数名のチンピラよような男達が自分を囲もうとしている。原因はこれか?顔から離れ自分の肩で震えているそれに一応確認してみる。


「あいつらは君の主人なの?」


首をブンブン横に振り全力否定する獣。長く垂れた耳がペチペチと頰に当たり少し笑ってしまう。


「この子は違うと言ってますが貴方達はこの子をどうするつもりなんですか?幻獣を傷つけるような行為は自分が許しませんよ?」


[鑑定]してみて分かったことだがこの子はフォルディルというかい幻獣だった。本来なら清らかな森林にしか生息しない為、生息数が恐ろしく少ない幻獣だ。気配を隠すのが上手く他者の気配を感じる事に長けている為こんな所にいるはずのない生き物なのだが…


「グダグダうるせぃ!みんな、囲んでやっちまうぞ!」


やる事を事前に叫びながら行動するとは優しい奴らだ。前方から来る相手に走って近づき驚いた所に右のハイキック。驚いて止まった左側の男に回転する力が乗った左手の裏拳が炸裂する。2人共直撃を受けたから当分は起きれないだろう。驚く男達とは別にフォルディルは自分の肩に乗ったままだ。こいつ意外と順応力があるな…


「ま、まだ2人がやられただけだ。まだやれる!」


先程から叫んでいる男だが既に及び腰だ。周りの男達も自分から襲いかかろうとはしない。さて、どうしよう。収める方法を考えているとどうやらギルツが追いついたらしい。


「貴様ら何処の者だ?我々がフォーベイン家縁の者と知っての事か!」


ギルツの言葉にチンピラ達は倒れた仲間を引きずりながら逃げていく。さよならチンピラ真っ当な世界にちゃんと帰るんだよ。


「急に飛び出したかと思えば争い事に巻き込まれるか。お前は何かに取り憑かれているのではないか?」


そんな怖いものを見るような目でこちらを見ないで欲しい。この子はが怯えてしまう。肩のフォルディルを指であやしているとギルツが驚いた声を出す。


「こんな所にフォルディルだと⁈ベル何があった怒らないから話すんだ。」


…既に怒っているじゃないですか。やだーもう。どうしてこうなった?


「変な気配を感じてね。それを追ってみたらこの子が空から落ちてきたんだ。その後にあいつらがこの子を寄越せと言ってきたから戦闘になった。」


途中身体の変化があった事は伏せて事情を話す。フォルディルの事も知っているなら話しは早い。基本幻獣は売買不可だ。人間と同程度の知性がある幻獣を無理に隷属させようとする事は神様が黙ってはいない。フォルディルの頰を指で擽りながら馬車へと戻る。放すにしても元の清らかな森林を見つけないとこの子が死んでしまう。


幻獣フォルディルは子狐のような姿で手足が短く余り動きは良い方ではない。その代わり耳がとても大きく空を飛べる。普段は垂れた耳なのだが空を飛ぶ時は方向を変える時に使うようだ。尻尾は長くとてもモフモフしている。これは大事な事だ。この子は全体的に青み掛かった色でお腹の辺りが真っ白なツートン状態だ。黒く大きい目がチワワのようで愛らしい。何故かえらく懐いているが本来は人には慣れない筈なんだが…因みに飛ぶのは魔法で飛んでいるのであって耳で飛んでいるので訳ではない。


女性体であったことなど有耶無耶になって目的地である宿屋へと到着する。ギルツにはフォーベイン家に来ないかと誘われていたが嫁にされるのは勘弁だ。父親に報告する事があると話して無理矢理宿屋へと逃げ帰る。


さて、今回もマドックには報告する事がいっぱいだ。胃をやられなければいいのだが。フォルディル君も大ごとの一因なんだよ?肩でリラックスしている幻獣を見てそう思う自分であった。








読んでくださりありがとうございます。


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