てんやわんやな晩餐会3
現在、ドルティア家の応接間にて赤いドレスの淑女の隣に座りお茶を飲んでいる私です。向かいの席にはギルツとクリステラが座っており私の隣には公爵閣下がいらっしゃいます。これなんて罰ゲーム?
「いいわねぇ。この髪。枝毛が見つからないなんて。どうやってブラッシングとかしてるの?」
隣で自分の体をあちこち触る女性。公爵夫人のシルティ・ラ・ドルティアさんが今度は髪を触りながら耳元で囁く。セクハラです。やめてください。
「特に変わった物は使っていませんわ。街中で気に入った物を使っているだけですし。」
何とか毒牙から逃げようとするが話してくれない。隣の公爵様は叩かれた頭がまだ痛いのか喋る様子がない。
「クリステラちゃんと仲良くしてくれたと聞いたけどクリステラちゃんのどこか気に入ったの?」
シルティさんがグイグイ押してくる。自分は苦笑いするしかない。
「そうですね。………考え込む時に眉がちょこっと上がるとことか可愛いですね。」
当たり障りの無い事を言ったつもりだが公爵がいきなり立ち上がり自分の手を取って熱弁し始める。
「そうか!君もいい所に目をつけるな!あの子は考え込む時に左手をくるりと回してから考えるんだ。確かに考えている時は眉が少し上がるな。しかし、怒る時も可愛いのだぞ。片手を腰に当て指をたてるんだ。小さい頃からの癖でな、あれを見てしまうとずっと怒られてもいいかなと思うぐらいだ。」
どうやら変なスイッチが入ってしまった様だ。娘を思う気持ちが暴走している。おたくの娘さん顔が赤いを越えて黒くなりそうですよ?
「すぱぱぱぱーん」
軽快な叩く音が聞こえる。どうやらシルティさんの扇がまた公爵の頭にヒットしたようだ。先程も叩かれていたがもう鈍器だよな、あれ。公爵は声が出ないのか頭を押さえたまま蹲っている。南無〜
「さて、そろそろ食事の用意が出来たようね。食堂に向かいましょう。」
私の手を取って案内してくれるシルティさん。旦那さんはいいんですか?はい、そうですか。メイドさんや執事さんも全然動揺しないしこの程度は日常なのだろう…多分。
「食堂にに入ると料理を用意される。最初はスープかな?お皿の中にはクリーミーなスープが準備されている。カボとジャガ、ミルクは匂いで分かるのだがその他が分からない。食事の祈りをしてみんなで食べ始める。うん、文句なく美味しい。モーの乳とジャガでクリーミーさを出しているのはわかっていたが所々にチーズ入りのクルトンが塩味で味をしめている。カボの甘みも堪らない。コーンは入ってないけどポタージュだな。
次はサラダかな?見たことのない野菜がいっぱいだ。サラダの上に薄切りの肉が何枚か置かれている。食べてみると野菜の味が濃い気がする。塩味だけだが野菜の味を感じるのでこれもいいかも。お肉はローストビーフみたいだった。お肉とお野菜のハーモニーが絶妙だ。
次は魚だな。どうやら蒸し焼きのようにしている。魚自体は白身であっさりだがワインで蒸してある為、ほろ苦い中に魚の脂の甘さが際立つ。しかもワインを煮込んだワインソースがかけてあり素晴らしい。魚に白ワインで飲むのが普通なのかな?でも自分はよく合う気がする。
メインは………大きい肉の塊だ。これどうやって食べるの?料理人が出てきて切り分けてくれる。成る程、岩塩で固めて焼いたのか。しかも香草入りの岩塩、ハーブソルトというやつかな?多少濃度の高いお酒も入れて焼いたみたいだ。いい香りがする。
デザートは桃かな?美味しそうだ。シャーベットになってる!しかも中はくり抜いて桃の身とパインの身をある程度細かく切って混ぜているのか。桃の甘さとパインの酸っぱさがよく合うなぁ。
「さて、うちの食事はどうだったかね?忌憚無き意見が欲しいのだが。」
公爵様がまた私を見て話しかけてくる。奥さんに怒られますよ?…あれ?奥さんもギルツもクリステラまで私を見ている。これ自分が言わなきゃいけないのかー。
「そうですね。…最初のスープですがモーのミルクとジャガとカボの柔らかな味がチーズ入りクルトンと合わせる事により味に深みが出てますね。カボとジャガは裏ごしされていてクリーミーさと甘みを増していますね。冷やしても美味しいかも知れません。あと白アスパラなど入れれば彩りも良くなるかも?
次のサラダは野菜とローストビーフのハーモニーが素晴らしかったです。後ドレッシングなど掛ければもっといいかも。オニオンドレッシングとか合いそうですよね。
魚の白ワイン蒸しは絶品でした!ソースもワインから作ったのがいいですよね。
メインのお肉はハーブソルトで焼き固めたお肉の中にお酒を少し入れているのがいいアクセントになっていますね。塩釜は火の塩梅が難しいと聞きますから料理人は良い腕をしてますね。
最後の桃とパインのシャーベットは言うことがありません。」
こんな所かな。いやー美味しかった。流石公爵家だなー。あれ?肉を分けてくれた料理人ががたがた震えながらこっちに来てる?素人のくせに生意気だったかな?
「桃とパインのシャーベットは言うことが無いとの話ですが…駄目でしたか?」
あぁ。悪い方に取られちゃったか。微笑んで訂正の言葉を入れときましょうか。
「とんでもない!私などが評価出来ないほど良い出来だったということですよ?」
そう言ったのに料理人は膝から崩れ落ちた。何故だ?周りを見るとみんな口を開けてこちらを見てる。そんなに酷いことをいったつもりはないんだが…
今日で約1ヶ月が立ちました。毎日投稿出来たのは読んでくれる皆様がいたからだと思っています。これからも出来る限り続けていきたいと思いますのでこのマイペースな作品をよろしくお願いします。




