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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第2章 コルカ王国
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てんやわんやな親子です

 地方都市ギードを出港しマルガス公国に向かう船の中、自分は船長室に来ている。


 部屋の中はマドックと自分だけだ。


 マドックは溜め息をつきながら海図を見ている。自分は部屋の中にあるものを【鑑定】中だ。


「なんで父親なんて言い出したんだ? 」


 かなりお怒りの様子で自分に問い詰める。


「なんでこんな所に元識天使の勇者がいるんですかね? しかも偽名で」


 問いに問いで返す自分。


 でも仕方ないと思います。


 知り合いの天使の元使徒がこんな所にいるなんて。


 しかも偽名まで使っていますよ。


「鑑定系のスキル持ちでしかもあの天使の知り合いとか…最悪だな」


 仕方ないじゃない。


 知り合いの霊気を持つ人が自分の乗る船の船長だなんて。思わず【看破】しても仕方がないと思うんですよ。



 それで見れたのが名前が偽名である事と、称号に元識天使の勇者があったという事です。


 行く先行く先に天使の部下がいるなんて聞いてないですよ? グリムベルト様。


「まぁあの天使の知り合いなら仕方がないか。で、なんで父親呼ばわりされないといけないんだ? そっちは聞かせてもらうぞ? 」


 色々ラシャンさんとはあった模様。


 しかし、元がつくと言う事はすでに役目を果たしたか、何かが原因で剥奪されたかのどちらかなんだが……


 どちらだろう?


「だから言ったじゃないですか。お母さんと貴方の間に生まれた子ですよ。一度も会いに来てくれないなんてひどい父親だ」


 そう言って俯き嗚咽する。


 もちろん【演技】だが、マドックは狼狽し始める。


「ち、ちょっと待て! あいつと俺はそんな関係になった事はないぞ! それにあいつからお前が出来たなんて聞いたことがないし…どうなってるんだ? 」


 かなり動揺しているようだ。


 それにしてもいまだに連絡のやりとりがあるのか。


 なら、勇者として何かをやり遂げた後なのにあの『称号』なのか…




 もう少し遊ん…違った、揺さぶって情報を聞き出そう。


「お母さんは心配させちゃ駄目だからって、いつも悲しそうな顔で話してくれたよ? お母さんはずっと待ってたよ? 」


  涙を流して【演技】を続ける。


 気分は三文役者だ。


 しかしながらマドックは人がいいのか思い当たる節があるのか動揺しまくりである。


「そんな事は…ないはず、俺はもう勇者じゃねぇんだ。…寝てる時に何かされたか? それならありうる。だが…」


 思考の無限ループに入ったようだ。


 これ以上の情報は無いかな。




 目の前で頭を抱え込むマドックを見て考えていると艦長室に魔法陣が現れ、発動する。


 すると菫色の目をした銀髪の女性が魔法陣から現れる。


「ラシャン! 今頃になって出てくるなんて! 分かっている、この子を俺の子供と認めよう! だから…」


 途中まで喋っていたマドックがラシャンさんの右フックで顎を撃ち抜かれ、宙に舞う。


 そのまま起きる事が出来ずに倒れ落ちる。


「何勝手に母親にされた挙句、父親まで偽装されているんでしょう私」


 右フックを終えた後、こちらに拳を向けるラシャンさん。


 素晴らしく武闘派ですね。


「私に対してかなり誤解しているようなので少し話し合いが必要ですね」


 摺り足でこちらに近付くのはやめてもらえませんかね ⁈


 後、拳が下向きなのは沖縄の御殿手(うどんて)ですかね?


「いんたーねっとで調べました。初実験となりますが貴方なら丁度いいでしょう」


 箱庭での地球の情報収集ですか。


 そろそろ創世神に苦情を入れてもいいですよね、俺


「さて、私に話があるのでしょう? 聞きましょう。いくらアストラル体とはいえ10分も現世にいれませんからね」


 話が早くて何よりです。


 ここの所、貴方の眷属に会い過ぎのような気がするのですがどうしてなのです?


「単純にたまたまですね。神鯨は回遊中でしたし、これは私のクエストをクリアした後、自分で勇者を辞めたいと言い出しましたので」


 なるほど。


 それではこの首飾りから貴方の念話が聞こえるのと、コルカ王国に神託を出した件については?


「それは私の属性を持っていますからね。何かあれば私にも分かるんです。便利でしょ? 神託の方はあの国の一部の貴族が貴方を囲おうとしていましたので創世神様に報告して私の名前で神託を出しました」


 そうですか、なら仕方ないですね。


 少し短い期間に色々ありすぎて流石に嵌められたのかと思っていました。


「色々ありましたものね。私としては何故これと夫婦にされたのか聞きたいのと、どうして会話しないのか疑問なのですか」


 夫婦にしたのは単純にイケメン死ねとアリバイ作りですね。


 いつまでも両親がいないと思われると周りに色々されそうになりそうでしたし……養子とか。


 喋らないのは貴方相手だと本心ならこちらの方が伝わりやすいでしょうし、そこの寝たふりしている人に聞かれたく無いからですね。


「分かりました。アーデル。寝たふりは分かっていますからさっさと起きなさい。あとこの子を貴方の実子としてフリだけでいいから扱うようにしなさい。時間ですのでここまでですね。」


 そう言ってラシャンさんは消えていった。むくりと起き上がるアーデルことマドックさん。


「マジかー。子供にしろって酷すぎね。お前一体何者だよ? 」


 無理矢理親子にされた元勇者に自分はにっこりと微笑みながら挨拶する。




「これからよろしくお願いします。お父さん」



 



 







少し体調を崩したので更新が遅れます。

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