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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第2章 コルカ王国
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てんやわんやな大船出

 ブラウマウ大陸に行くための準備として森で狩りや山菜薬草の採取、市場で香辛料や穀物、果物の購入、矢の補充などをしながら日々を過ごす。



 偶に領主館で戦闘訓練や子供達に付きまとわれて楽器演奏などハプニングなどもあったが無事に3日をすごした。


「戻ってきたらここにおいで。歓迎するからね」


 抱き締めてわかれを惜しんでくれるのはラドナさん。


 ロイさんやアンさんまでお別れに来てくれている。


 3人に別れの挨拶を告げると、辺境伯が用意してくれた馬車に乗る。


「なかなか好かれてるのだな」


 馬車には何故か辺境伯が乗っており、そのまま港へと進んでで行く。


「今回の件でお主に話しておかなければならないことがあってな」


 そう言って辺境伯が話し出した事は自分がこの国の一部の人に敵国の間者だと思われていた事、識天使の神殿より神託があり王家に対して取り込むことなどないようにと通達があったそうだ。


 何目立つ事してくれたんですかねラシャンさん ⁈


「お主には色々驚かされていたが、そんな事があっての。丁重に扱うのは良いが取り込むような真似は絶対にするなと王より通達があってな。

 王より今回行われる通商の護衛として出して見てはどうかと言われたのだ。この国におらねば他の者の妨害も受けぬしその間に粛清出来るしな」


 そう言って辺境伯は黒い笑みを浮かべる。


 子供が見たら泣いちゃいますよ?


「とは言え側から見たら追放に見えるし、お主に不義理をしたことに間違いは無いしの」


 そう言うと辺境伯は深々とお辞儀をした。


「領民を守ってもらい、難事を解決してくれたお主に対し、誠申し訳ない事となった。しかしこの件に関しては儂に全て責任がある」


 そう言って頭を下げたまま動かない。やはり良き領主なのだろう。


 民のために行動し、罪は自分だけが背負う。


「ギードの民は幸せですね。この様な領主の元で生活出来るのですから。私はこの件に関して思う事はありません。そう王にもお伝えください」


 そう言うと辺境伯の手を取り頭を上げるよう呼びかける。


「あい分かった。必ず伝えるとしよう」


 笑顔の辺境伯は何故か懐かしさを感じさせた。




 港に着き目的の船へと向かう。


 今回の船は外洋船となりかなりの大きさがあり、サラムーン海運でも1番の大きさである。


 船長もベテランで船員たちも熟練者ばかりだ。


 護衛の人も魔獣退治のベテランらしく自分の出番もなさそうだ。


 あと、マルガス公国との通商の為4〜5人の官僚が同伴している。


 辺境伯の話ではこちらには別の護衛をつけているらしい。




「ベル。準備は出来ているのか?長旅になるからちゃんとしとけよ」


 どうやら官僚の護衛はリデル率いる13隊らしい。


 嬉しそうに準備の確認をしているリデルを見ているともうなんかどうでも良くなって来た。


「貴方の行動について行きやすい様にリナイデル様が取り計らってくれたそうです。後は万が一にも官僚が貴方にアプローチを かけないようにするためかと」


 そう小声で自分に教えてくれたのは13隊副長のギルベルトである。


 何度か話した事はあるが理知的でしかも剣の腕もかなりのものだと分かる。


 リデルの為辺境伯からつけられたのだろう。


 しかもイケメンだ!


「それなら自分は官僚方には近づかないよう注意しておきましょう」


 そう言って艦橋へと向かう。


 艦橋には船長とガロルさんとフェルマルさんが3人で話し合っていた。


 その中に入るのは流石に躊躇われたのでどうしようかと思っていた所、向こうの方が気がついたようで3人から声が掛かる。


「よく来たな。この若き戦士が俺を助けてくれたベルだ。ベルにも紹介しておこう。こいつが我が海運が誇る船長マドックだ。俺が知る限り1番の操船技術を持っている」


 そう言って紹介を受けた男を見てみるが年は40代で1番脂が乗り切っている頃の年代である。


 身長は180cm程度だと思うが無駄な贅肉が見られない。


 無精髭を生やしているが品があり肌が浅黒く何よりまたイケメンだ!


 そして、この気配は……







「お父さん! 会いたかった! 」


 そう言って飛びついたのは単に嫌がらせである。


 他意はない。


 イケメン死ね。




「マ、マドックお前こどもがいたのか ⁈ 」


「マジかよ ⁈ そういえば似ているぞ! 」


「そんな〜船長の事狙っていたのに! 」


「こんな所で感動の出会いが? 」


 阿鼻叫喚である。


 自分が原因の大惨事である。


 しかし仕方がないのだ。


「悪いな坊主。身に覚えがないんだが母親の名前を教えてくれるか? 何処の港で会った女か知りたいんだ」


 そう言って俺に話し掛けるマドック。




 そんなに港ごとに女がいるのか…




 そうか…それなら遠慮は要らないな。




「お母さんの名前はラシャンって言うの! 」


 そう言うとマドックの顔が瞬く間に、青褪める。


 尋常じゃない脂汗を流しながら俺の目を見ている。


「そ、そうか! 思い出したよ。後で俺の部屋に来てくれ。母さんの話をしようじゃないか! 」


 周りの混乱を無理矢理納めた船長がガロルやフェルマルを船から追い出し出発したのはそれからすぐの事であった。


 





 







マイペースな更新ですがよろしくお願いします。

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