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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第2章 コルカ王国
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てんやわんやな領主と対面

 子供達の救出した次の日の朝、前日使用した道具の手入れをしているとリデルが銀狐亭にやって来た。


「実は今回の件で領主さまがお前に礼を言いたいと言いだしてね…その良ければ会って貰えないかと…」


 かなり言いにくそうに言ってきた…まぁ、自分が権力者と会うのを嫌がっているのを知っているからな。


「了解した。今日の午後からでいいかな?後、聞かれても答えない事がある事は言っておいてくれ。それと服はこれしか無いからその辺も諦めてくれ。」


 と身もふたもない事をいうと笑いながら了承を得て来ると言ってきた。


  今日の朝食は玉子とベーコンを載せたパン。それにモーのミルクと野菜サラダである。


 昨日かなり動いたせいか腹ペコ状態なので2回もお代わりしてしまった。


「ラドナさん。お代わりの代金は幾らになります?」


 と聞くと、ロイさんが「今回はタダでいい」とか言いだした。


 他のお客さんもいるのにそれはまずいのではと考えていると、


「うちのは口下手だから分からないかも知れないけどあんたに感謝してるのさ。私も同じ気持ちだよ、遠慮なんかしないでいいよ」


 とラドナさんからも言われた。


 二人に礼を言い、武器屋に長弓を持って行く。


 今回は激しい使い方をしたのでブロに診てもらおう。


「うーん。激しく使われていたのは分かるけど弓自体には問題ないね。

 艶出しのニスと弦の予備を用意しよう。試し撃ちしていく?」


 など話ながら60本ほど買ったりして午前中を過ごした。




 午後からは領主との対面である。


 あまり気乗りはしないが一応向こうからの御礼を断る事は不敬になりかねない。


 この国の辺境伯なのだからどんな人がこの国を動かしているのかを知るきっかけになるので受けようと考えたのだか…


「どうした?ベル。何をそんなに驚いてる?」

 

 そりゃいきなり10名くらいの騎士に取り囲まれて豪華な馬車に乗せられたら驚きもしますがな。


 あ、13隊の人達がいる。


「いや、えらく豪勢な馬車だなぁって思ってさ。騎士の人達も多くない?出迎えにしては」


  と、当たり障りの無いように話しをする。


 地球にいた頃はきっとこんな待遇を受けた事なかったからなぁと前世の頃を思い出す。


「街の人に言う事は出来ないがお前は魔獣ミノタウロスを倒した英雄だからな。しかも、翡翠狼の友人でもある。この程度の待遇当たり前だ」


  … 拝啓母さん。


 自分はどうやら本当に違う世界に来ているようです。


 黒色の馬車に乗りながら変わりゆく生活に不安を覚えるのであった。




 馬車で領主館に向かう途中で貴族街に入る。


 ちなみにこの世界の貴族は全て一代貴族であり、世襲貴族が居ない。


 血統などで現れるレアスキルなどがあるから世襲制が強いのかと思っていたがレベルを上げる為には魔獣を倒さなくてはならない為現場に立てる人の方が重要になるからだそうだ。


 爵位は公爵・侯爵・辺境伯・伯爵・子爵・男爵・準男爵しかないらしい。


 ちなみに正騎士は準男爵扱いとなるらしい。


 要するに貴族はあるが仕事が出来なければすぐ没落という事だ。


 そんな切ない話を思い出しながら貴族街を見ていく。


 大理石のような石で作られた家が多く歴史がありそうな家が多い。


  街の歴史を感じられる貴族街を通り抜けると領主館が現れる。


 街の最期の砦と言われるだけあって無骨で頑丈さのみを追求したような館だが機能美というのだろうかある種の美となっている。


 そんな館の前ではまた多くの人がいるのが確認できますます暗い気持ちになるのであった。


 領主館で大勢の人から出迎えを受けた後、そのまま領主の執務室に行くことになった。


 心の準備をする時間もなかったよ…


「あぁ…礼儀など不要。貴公は我らが財産である子供達と中位魔獣まで討伐してもらった恩があるからな。

 しかも幻影の森の翡翠狼とも友誼を結んでいるとか。儂の方が礼を尽くさねばならないほどよ。此度の件誠済まなかったな。」


 部屋に入り挨拶をしようとした所、手で止められ逆に挨拶されてしまう…


 ぐふぅ…精神的にきつすぎる。


「子は国の宝と申します。怪我無く親の元に戻せた事、誠に嬉しくおもわれます」


 そう返答すると何故か驚かれた。リデルまで驚いている…おのれ。


「ふむ。その言葉遣いも大したものよ。おぉ、挨拶が遅れたな。儂は地方都市ギードの領主リナイデル・ギードという。ベルよこれからも宜しく頼むぞ」


 そういうと握手をもとめられる。


 五十を越えているはずなのにその存在感は翡翠狼にも劣らない。


 握手をするがその手は剣ダコでガチガチである。


「では座って多少話をしようではないか」


 そう言うとソファーの方に案内された。


 革製のソファーだが魔獣の皮を使っていて肌触りが全然違う。


「さて、不躾ながら報酬の話をしよう。受け取らないとかは残念ながら却下だ。儂にも面子というものがあるからな。

  子供達の救出の手伝いと魔獣討伐、それに魔獣の素材などで金貨50枚用意させてもらった。

 少ないかも知れないが納めてくれ。」


 いきなり大金を手渡されました。


 正直な所多すぎて気が動転してしまう。




 だから次に言われた言葉に反応するのが遅れたとしても仕方がないと思うんです。


「ちなみに君は使徒という言葉を聞いた事があるかね?」


 聞くなって言っておいても聞いてくるんですね。
















読んでくれる方へ。PVが1000を越えました。誠にありがとうございましす。

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