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 一方その頃、一坂は………


「おいらぁ~はな~~、うまれながらのたんこうふぅ~~っとくらあ」


 炭鉱夫の歌を歌いながらエッチラホッチラ穴を掘っていた。

 頭に捻じり鉢巻きを巻いて労働によるいい汗を流している。


「なんでアタチがこんなことを……」


 一緒につるはしを振っているウェイローはぶつぶつ文句を垂れる。

 出口がなければ穴を掘ればいいじゃない、の精神で開始した脱出劇。

 しかし、一坂の正体が名の知れた宇宙海賊だと知り、その手腕で華麗でスマートな脱出を期待していた身としては、なんとも拍子抜けに地道な作業だった。


 今の彼は手配書で知れ渡っている特徴的な風貌ではなく、いつも通りの〝秋山一坂〟だった。

 依然として髪は赤い前髪と黒髪のツートーン。瞳の色も日本人らしい黒で、目つきも変わらずカラスのようなギラ付き具合である。


「なにを言ってるんだい! 紅の君のおっしゃること! 異を唱えることは私が許さないよ! ほらっ、キビキビ働くんだよ!」


 シャベルで作業するマジェンダが不満げな部下に激を飛ばした。

 最初は気に食わないクソガキ扱いだったのに随分な変わり様である。


「考えてごらんよ。このお方がこうしてコツコツやってるってことは、私たちでも頑張れば宇宙に名を轟かせることも夢じゃないっていう証拠じゃないのさ」

「そうでガッツ。それにオデこういうの嫌いじゃないでガッツ」


 ジアングも同調した。

 そのあり余った筋肉で生き生きとつるはしを振り下ろす。


「ああーもうやってられないノーネ!」


 肉体派ではないウェイローが不満も相まって早々に音を上げた。


「ウェイロー!」

「心配いらないノーネマジェンダ様。アタチはあなたについていくと決めている。だからあなたに従うことに何の異論もないノーネ。ちょっと待ってるノーネ」


 ナマズ男は掘ってきた道をダッシュで戻り、


「お待たせなノーネ!」


 大きなドリルを装備したマシンに乗って帰ってきた。

 今作ったのだろうか?


「こんなちまちま掘ってたら日が暮れるノーネ」

「おお! すごいでガッツ!」

「やるねぇ! お手柄だねぇ! んーっま(投げキッス)」


 歓声を上げる二人。

 さっそくガラクタの寄せ集めで作成した歪な掘削機に乗り込む。


「お前、実はけっこうすごい奴?」

「今頃気付いても遅いノーネ! ユーウチューブチャンネル登録者二〇〇万人オーバーは伊達でじゃないノーネ!」


 またなんか言ってる。


「それじゃあさっそく、グンバチングでれっつらごー!」

「「イエイイエーイ!」」


 マジェンダの威勢の良い号令でエンジンが唸りを上げた。


「……はは、こいつぁいいや!」


 一坂はこの三人のノリに乗っかることにした。


 そして、


「「「「チャンネル登録高評価! グッドボタン、よろしく(なノーネ)ッ!!」」」」

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