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172  作者: Nora_
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「あのさ、かいとかこにはなにかないの?」

「ないねー、そもそもあの子はさくのことを気に入っているしね」

「本当に一貫しているんだね、魅力的な存在が現れれば変わるかと思ったけど」

「見ているだけで十分です、ふたりは魅力的だけどね」


 最後の最後に「○○が好きだ」と言われて取られるかと思っていた、というか、僕は本当に動くつもりはなかったんだ。

 あのまま別れてしまった方がれみからしたら絶対によかった、大学とか就職先ででいい人を見つけたときに後悔しないようにしてほしかったというのに。


「あ、それと最近はこっちにばかり来ているけど大丈夫なの?」

「大丈夫だよ、みんなそれぞれ自分のしたいことをしているからね――あ、かこちゃんが来たよ」


 今日は学校で昼休みに集まろうと約束をしていた。

 れみが卒業してからかことかいがやたらと集まろうと言ってくるようになったから受け入れたことになる。

 もしかしたらふたりは単純にれみだからとかではなくて寂しがり屋なのかもしれない、まあそれならそれで可愛いから悪くはないことだけど。


「ふぅ、友達がなかなか許可してくれなくて大変でした」

「無理してこっちに来なくていいんだよ? 友達といたいならそっちで過ごしてくれれば――不満がありそうだね」

「当たり前ですよ、さく先輩はすぐにそうなんですから」


 彼女は横の椅子に座るとじっとこっちを見てきた、ちなみにかいによって頭を固定されているから逸らすことができない。


「……寧ろさく先輩こそが私みたいな感じでいるべきですけどね」

「そう? でも、僕だって断っているわけではないからね」

「断ってはいないですけど、すぐに他を優先しろって言うじゃないですか」

「それはそうだよ、年上として言わなければいけないことだからね」


 無理をしているようなら止めてあげなければならない、見て気づいておきながらなにも言ってくれないような相手ではなくてよかったと思ってもらいたい。


「まあいいや、さくはこんな感じだからお弁当を食べよう」

「そうですね、この人は言うことを聞いてくれないですからね」

「こういうことに関してはそうだよねー」


 いや、保険をかけているのもあるから完全に言うことを聞かないわけではないんだけどな、そもそも一度言って大丈夫と返されたらその日は言わないからだ。

 ただまあ、相手がこうなら違うと言ったところで意味がないから僕もお弁当を食べることにした。

 自分が作っているのもあって安心感がすごかった。

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