コラム:語り手おねえさん
◆ 語り手おねえさん ◆
語り手おねえさん:
〽 見ずの鏡にィー 積もるは塵か 年の波ィ
〽 今日より明日は 萎れる花よォー
ベベン!
さて、御来席の皆さま。
五カ月近くに及ぶ隠密頭の調査報告にお付き合い
頂き、誠にありがとうございました。
●結局、どういうことだってばよ?
はい、本作はカーネギー領の隠密頭であったおねえさんが、
現役時代に部隊として収集した情報の中から、
ポメロくんという「時代」をピックアップしつつ、
物語風にまとめた物です。
お姉さん、領主三代にお仕え致しまして、
もう、流石に限界が参りましたので、
次代の隠密頭に仕事を引き継ぐこととなりまして。
その為の資料などを整理していましたら、ですね。
あの、熱かった時代を思い出してしまいまして。
その時代を作ったマエストロ……
まあ、ポメロ君やその周辺の記録を残したいなと、
後世に伝えたいなと、
そんな風な情熱が湧きあがりまして。
折角だから前世世界の皆さまにも知っていただきたくなりまして。
引継ぎ資料そっちのけでポメロ君回顧録を
書き上げてしまったのですよ。
しまったな。
よく考えたらしっかり引退決めてから、
温泉地に長逗留して、
癒されながら回顧録執筆すればよかったな。
●「第二の生誕祭」以降は記さないの?
はい、【記しません】。
まあ、面白いネタは一杯あるのですよ。
例の第五舞台のエミィ嬢を軸にしたあれこれですとか。
十一番舞台のギター速弾き大会に出て、
オデオンとかギター仙人と競い合うとか。
エルプフィル領主が「婿殿に会いに来た! ダー!」って来襲して、
ビクター家とのポメロ君争奪戦になるとか。
アンドレック様が婚約者を気に入られず、
ポメロと共に、円満に婚約破棄する為の「歌」を作るとか。
エピタフ君の「第三回 六歌仙・編曲の冠争奪総選挙」とか。
表現が変質したエレクトラさんが八番舞台興行主を継ぐとか。
でも、ですね。
時代性、とか。
物語性、とか。
そういうのを考慮するとですね。
「第二の生誕祭」で物語を閉じるのが、
最もしっくり来る区切りだったので。
●バイバイ、おねえさん。
最後まで私の回顧録に付き合ってくださって感謝の念に堪えません。
これにてポメロ君とカーネギーの物語はおしまいとなります。
お名残り惜しゅうはございますが、今宵はここまでといたしましょう。
〽 街の灯影の あたたかさ
〽 ふと思い出す あの調べ
〽 いつでもどうぞ 寄ってくれ
〽 待った甲斐ある 再訪を
それでは皆様、お達者で。
ベベン!




