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女王の償いと芽生えた想い、美味しい展開の始まり!?

「!?何だ此処は、船か!?」



 先程まで城に居たはずのアマンダが、不気味な雰囲気漂う船に立っている事に戸惑いながら気付く。



「えー、色々すんごい説明が必要だけどとりあえず待ってて。オッソー!ザリー!お待たせー!」



 一言伝えてからコリンは馴染みある2人の名前を呼ぶ。



「来たかコリン!」



「あんたおっそいわよ!こっち待ちくたびれたんだからね!?」



「!?」



 急に羽を生やした少女と数多くの骸骨を見れば、何も知らない者は誰でも驚くもの。


 それはアマンダも例外ではない。



 固まる女王を前にザリーは相当待っていたらしく、コリンに怒った顔で詰め寄っている。



「怒るのは後だ、それよりも今はこの戦に終止符を打つ事…そうだな?」



 ザリーに迫られながらも、コリンはオッソの言葉に頷く。



 今は何よりも優先するべき事は今回の戦を終わらせる、それが最重要と彼らの目はアマンダへ向けられた。




「アマンダ女王、あっちにエノルム王国の大型戦艦が向かって来るみたいだから。それを止めてほしいんだ」



「あ、ああ…この者達は…魔物で急に妾を襲ったりしないだろうな?」



「絶対あり得ないから大丈夫♪」



 安心させるようにコリンは笑顔でアマンダを見上げ、言葉を告げれば不思議と先程より安心感が生まれていた。



 戦艦が向かって来る方向を教えられると、アマンダはそちらを見据え、念の為コリンが彼女の前に立って万が一飛んでくる流れ弾から守る役目を担う。



 やがてコリン達が乗る船の前に巨大な戦艦が姿を見せる。




「何をしとるか貴様ら!!侵攻を即刻中止せよ!!」



 エノルム王国の戦艦に向かって、女王の怒号のような声が響き渡った。




「…!?な、ぜ…前方の船にアマンダ女王陛下の姿を確認!」



「何ぃぃ!?何故女王陛下が此処に!」



 燃料を補給し、再び西の大陸を目指して進軍していたエノルム軍。


 城に居るはずのアマンダが、目の前の見知らぬ船に乗っている姿を確認すると、ガンド達の間で大きな戸惑いが起きてしまう。




「聞こえんのか!侵攻は中止だ!即刻戻れ!!これは女王命令だぞ!!」



 再び船の上からアマンダは叫び、エノルムの兵士達へと命令する。



「侵攻中止…!?な、何故急に…」



「女王陛下の命令に背く訳にはいかん!全員撤退!同胞に告ぐ!速やかに撤退せよ!!」



 戸惑う副官をよそに、ガンドは司令官として全体へ撤退の命令を下し、船は方向転換して東の大陸へと引き返して行った。



 それに4隻の船も続き、彼らの侵略を止める事に成功。




「はぁっ…まだ、もう一仕事しなくてはならんな」



 軽く息を吐いてアマンダは気を抜いている場合ではないと、今一度気を引き締める。


 侵略は止まり、残る問題は民を苦しめている税金の問題だ。



「じゃあ城までエスコートしますねー」



 コリンはザリーとオッソに軽く手を振って礼を伝えながら、移動魔法でその場からアマンダと共に姿を消した。



「俺達の仕事は終わりのようだ、引き上げるぞ」



「あ〜疲れたぁ〜。これだけ働いたからセオン様に褒めてもらいたい〜」



 オッソが部下のスケルトン達に命令を出せば、幽霊船はプエルトの港町へと舵を取り進行。



 今回密かによく働いたザリーは床にぐだーっとした感じで倒れ、想い人から褒められたいと願っていた。





 コリンがアマンダを連れて城へ戻って来ると、アマンダは城下町にある広場へと出て、エノルムの民達の前に姿を見せていた。



「皆の者、すまん!もう重い税金は取らん!今まで苦しめてしまい本当に申し訳無い事をしてしまった!」



 珍しく女王が姿を見せた事に多くの人々が注目する中、アマンダが皆へと頭を垂れる。



 予想外の女王の姿に皆がざわつく。



「取ってしまった物は返す!守るべき民を苦しめた女王として償っていくつもりだ!」




「もうあんな税金払わなくていいんだ…!」



「地獄が…終わる…!」




「うおお!やったー!」



 長い苦しみから解放され、エノルムの民達から喜びの声が叫ばれていた。



 そこに人々へ城の者から食料や衣類といった物が配られ、言葉だけでなく行動でアマンダはきちんと示してみせる。




「ふう…」



 一通りのやるべき事を終え、未だ荒れている状態の女王の間にて、アマンダが玉座へ腰を下ろし一息ついていた。



「アマンダ女王陛下お疲れ様でした♪」



「ちゃんと謝罪出来て償える上に立つ人は好感度高いですよー、今は謝るどころか隠蔽して知らぬ存ぜぬの嫌な大人が結構いますからねー」



 女王の目の前に居るコリンが笑顔で労いの言葉をかけて、アリナは腕を組んで満足そうに頷く。



「しかしお前達が魔王軍とは、情け容赦無く非道の限りを尽くし滅ぼすと聞いていたが…妾の聞いた印象とは全然違う」



「噂もアテにならねぇもんだなぁ」



「というかあたし魔王軍じゃないけどね、一応勇者やってますー」



「僕も違います…」



 コリンの肩に乗るマルシャが呆れたように呟くと、アリナやカリーノは揃って自分達は魔王軍ではないと否定。




「そしてお前が魔王…」



 アマンダの目がコリンの姿を捉え、改めて彼をじっくりと見つめていた。



「幻滅させちゃったかな?国を救ったのが魔王ってなったから」



「馬鹿を言うな。お前が何者だろうと我がエノルム王国を救ってくれた英雄である事に変わりは無い」



 魔王だろうと自分や国を救った英雄、アマンダのコリンに対する評価は微塵も揺らがない。




「魔王よ、お前がいなければ我が国はどうなっていた事か…改めてエノルム王国女王として礼を言う」



「僕は侵略を止めたかっただけだよ、それで多くの人々が苦しんだり悲しんだりする世界なんて嫌じゃん?」



 迷いなく言い切って笑うコリン、それにアマンダの頬は赤く染まる。




「時に魔王…いや、コリンよ。お前は結婚を決めた相手はおらんか?」



「特にいないけど…」



 突然何故そんな事を聞かれるのか、とはいえ相手が居ないとコリンは女王へ正直に伝えた。




「なら妾の伴侶とならないか?」



「え…」



 アマンダから、まさかの申し出にコリンは言葉が見つからない。



 国を救っただけでなく、魔王は無意識に女王陛下を虜にしてしまったようだ。

此処まで見ていただきありがとうございます。


カリーノ「伴侶…ってつまり結婚!?」


マルシャ「これはアリナが騒がしくなりそうなヤツだな。次に騒ぐのが目に見えるわ」


カリーノ「僕も何となく浮かぶ…だから今日は此処僕達だけなのかな」

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