第百二話 楽しんだもの勝ち
時代劇
旅人達が兵士達に通行料が高過ぎるとか、何とか言っていた。
総大将
何揉めてんだ!
ヨンコク大陸進行軍の主要幹部は既に撤退し、たまたま、置いて行かれた中で一番役職が上だった。
彼女は貧乏くじを引いただけで、戦争の事など、もう、どうでも良かった。
兵士A
いや、旅人共が交通税が高いと言って、払おうとしないんですよ。
見れば数人の旅人の中に目立つ者が一人いる。
黒いビジャブー姿の異教徒が一人、目に付いた。
総大将
ちっ、異教徒か!
回教は税金が倍だ!
嫌なら、帰んな!
ビジャブー姿
回教は何故、倍なんですか?
総大将
異教徒だからに決まってんだろ!
ビジャブー姿
黒の女王様は関係無く庇護すると仰ってます。
おかしく無いですか?
総大将
あんた、黒の女王様見たのか?
ビジャブー姿だけでは無く、旅人達は皆、見たようだった。
総大将
あっ、そう?
自分達はお会いした事がないから、んな、話しは聞いて無いし、知らないだよ、とっとと、払うもん払えよ!
何なら、体で払うか?ハッ!
ビジャブー姿
黒色教連合って聖戦、聖戦と言って攻め込んどいて、黒の女王様も見た事無いんですか?
イスラム教徒が見た事もあるのに?
誰の、何の意思で戦争してるんですか?
総大将
ちっ、うるせぇ女だな!
裸に剥いちまうぞ!
総大将がビジャブー姿に手を出そうとした所、横の旅人から蹴り飛ばされる。
総大将
くっ、てめぅ!おめぇら、やっちまえ!
兵士達は旅人達に手を出すが、意外に強い。
総大将
武格者か?お前ら武器を使え!
ビジャブー姿が前に出て刀や槍を持った兵士を倒して行く。
攻撃の度に手足が見えると、違和感を感じる。
旅人A
ええい!静まれ、静まれぃ!
旅人B
こちらにおわす方を、どなたと心得る!
旅人C
こちらにおわす方は黒の女王様、アビィン 亜里沙様にあらせられる。
旅人A、B、C
一同、亜里沙様の御前で有る、頭が高い、控えおろう!
同時にビジャブーを脱ぎさるとドドーンと、アビィン 亜里沙が現れる。
周りの兵達は跪き、首を垂れる。
何の事は無い、亜里沙、マサッカネン、ヒデーキン、タカショタの一行だった。
旅の間、亜里沙の案での世直しスタイルの一つだった。
全員、世直しスタイルが気に入っていた。
特に最後は気持ち良く、癖になるそうだ。ちなみに印籠は無い。
余談では有るが、他にもパターンがあり、亜里沙的には、悪の現場でビジャブー姿で暴れ回り、後で、素顔で事情を聞くときに、しらばっくれる奴の前で、おうおう!と、ビジャブーを被るパターンが好きだった。ちなみに桜吹雪は無い。
他にも「余の顔見忘れたか?」等のパターンがある。
亜里沙
総大将さん、名前は?
総大将
はっ、サイサイと申します。
亜里沙
罪は不問といたします。
色々、思う所があるでしょうが、世直しツアーに参加してもらえますか?
総大将
許して頂けるのですか?・・お供させて頂きます、この命、尽きる迄
そこで、拍手しながら連合兵がワラワラと現れた。
今までのツアーで、お供にした兵達である。
隠れて見ていたのだった。
いやー、第三者目線で見ると最高でした。とか、俺の好きなパターンAだった最高!や、ビジャブーとりつつからの控えおろう!が良い!と皆さん大喜びだった。
サイサイ達は何だコレ?状態だった。
そして、流動的にキューシンズ大陸へ行く事になり、千人以上の兵を引き連れてヤハタンハマー港〜オオイッターの地 ウスキン港行きの船に乗り込むのだった。
参照
八幡浜市
http://www.city.yawatahama.ehime.jp
宇和島運輸フェリー
https://www.uwajimaunyu.co.jp/fare/




