表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パンドラの記憶  作者: どくたけ
幼少期
3/5

竹垣に囲まれた隣家のクロ

竹垣に囲まれた古風な隣の家にクロという犬がいた。


幼稚園で友達の出来なかった佐弓には貴重な『友達』だった。


その名の通り真っ黒のミックスで、通りかかる人に吠えるうるさい番犬だったが佐弓には一度も吠えたことがなかった。


幼稚園から帰ると絶対にクロのところにいって頭を撫でた。隣のおばさんに頼まれて散歩に連れていくことも多かった。


(お母さんに内緒で残した弁当、よく食べてもらったよねー。)


佐弓は思い出すだけで顔が笑顔になった。


嫌いなおかずや、食べきれなかったおにぎりを残して帰ると、いつもは優しい母が烈火のごとく怒るのだ。


だから佐弓はそれを幼稚園から帰ると急いでクロのところにもっていき、食べてもらう。


(可愛かったなぁ。クロ。)


散歩中に幼稚園で佐弓をいじめていた男の子に遭っても、クロがいれば平気だった。


クロが彼らに吠えて威嚇してくれた。なんなら一度佐弓をからかって小突いた男の子に噛みついたことすらある。


(噛みついてくれてのはいつだっけー?あれはやり過ぎだったけど…でも嬉しかった…)


佐弓にとってクロはヒロインのピンチを救うヒーローのように映っていたに違いない。


「クロ、大好き!」


その時佐弓はクロを抱き締めてそう言った記憶があった。


(あれ?でもクロは…いついなくなったんだろう。)


その先の記憶がない。


そういえば、その日からあとのいじめっ子の記憶もない。


(んー。)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ