色んな意味で普通じゃなかった
今まで良い女に会う機会もなく
会った女と言えば日に焼けてシミだらけのババアか
どう見繕ってもふくよかという言葉で収まり切れないオバハンくらいだ
その分もあってこんな巨乳の美女から微笑みかけられるのは
ものすごく嬉しかった。
「いやぁ。面白いなんてそんな~。照れるじゃないっすか~」
キリッと格好つけた仮面は早くも剥がれ落ち、つい鼻の下を伸ばすユーシャ。
そんな彼に気付かず背を向けたソフィアは校門へ歩いていく。
「では、教室まで案内します。ついて来てください」
「は~い。どこまでもついて行きま~す」
「ほ~、良くできてんなぁ」
ユーシャはソフィアの案内で校舎の中を歩いているのだが、
廊下の幅が五メートル以上はあって建物の中という感覚が持てなかった。
廊下の壁には大きな額で飾られた絵があり、柱の上部には石像が彫られている。
良くは知らないがここが普通の学校ではないことは分かった。
「神野くん? 神野君、聞いてますか」
「え? あ、ああ、何だ。ソフィア」
あまりのクオリティーの高さに気を取られソフィアに生返事をしたユーシャは
軽く額に手刀を入れられた。
「こーらっ。ソフィアじゃなくてソフィア先生でしょ?」
「かーわーいーいー! いやいやいや、じゃなくて。
何ですか? ソフィア先生」
「はい。よろしい。それでですね。もう一度言いますが
あなたをこの学校へ入学させた理由というのはですね。
実はうちの生徒たち、男の方と接点が全くないんですよ。
いつか素敵な殿方と結婚して素敵な人生を歩んでほしいのですが、
文献だけではやはり限界がありますし、
かくいう私たちも男の方のことをよく分かっていないんです」
「なるほど。つまり、僕が学校のみんなに男を教えてほしいと。
(まっ、そういう設定を作らせたのは俺なんだけどな)」
「ごめんなさいね。神野君みたいに条件の合う男の方が他にいなくて」
「はい? 条件?」
転入させる設定はユーシャが指定したがそんな細かいことまでは言っていなかったはずだ
「着きました。今日からあなたが通う教室は
この二年H組です」
「H!? 組の番号間違えてない?」
「1学年に1000人いますので1クラス40人として25組あります」
「多すぎだろっ!? 1000人って小さな町ができるぞ!」
ユーシャはこの無駄に大きく作った廊下の理由はそこからかと、一瞬で理解した。
驚きこそしたものの、よく考えてみるとその全員が女子で
この後、もれなく自分に惚れる予定があると考えれば
かなりおいしい世界観だと感じた。
「まず、教室のみんなに挨拶をしましょう。私と一緒に入ってください」
扉を開くソフィアのすぐ後ろについてユーシャは教室の中へ入っていった。
初めての学校。初めての教室。胸を高鳴らせて中を見たが、
「なん…………だと……」
あまりにも自分の予想とかけ離れていた教室に
ユーシャはそう口にするしかできなかった。




