旭谷高校ソフトテニス部~合宿の話~
今回は旭谷高校ソフトテニス部同士で合宿の話をする場面です。
初登場の人物が出てきます。
人物紹介しなくてはいけないですね。
さらさらのストレートパーマの神井は欠伸をする。
睡眠魔法でもかけられているのか、昼休みが終わると五限の国語授業がとてつもなく眠い。
机は椅子が連結していて、椅と机の距離が一切変わらない。そのためきれいに机が並べられている。
ノートは広げているものの、書いていることは禁止されているバイトの今月の給料の計算やくだらないいたずら書きがなされている。
うちのクラスは42人で構成されたクラスで6列7人のちょうどいいレイアウトである。右の一番後ろの廊下側に座っている自分はクジ運がすげぇ冴えていたようだ。
前回はひどかった。
前回は真ん中の前から二番目だから寝ることが許されない、常に先生に起こされ、そして問題を解かされるという気分の悪いツーコンボだ。
その呪われた席から解放され、腕を枕代わりにして頭を横にして置いた。頭を左に向けると、隣に生徒がいて、さらにその先には窓枠が若干邪魔ではあるが空が見える、笛がなっているので体育をしているのだろう。
窓枠を観察するとその窓枠が額縁に見え、空が動き続ける絵ではないだろうかと勘違いしてしまう。ここの席は幸せだなぁ、とニヤニヤしていたら隣の生徒、同じソフトテニス部のロン毛で色黒の仲城俊樹が若干引きつりながら言った。
「おい、宏。こっち見んなや、キモイわ。」
きつい口調で言っているが、本気で思ってないとわかるので俺は
「いや、俊樹なんか見とらんわ。もっと向こう側じゃ、窓のもっと向こうの方じゃ。」
と、なんか詩人みたいなことを言ってしまった。アホか、と俊樹に言われて自分の言ったことが恥ずかしくなった。早く黒縁眼鏡やめてお洒落な眼鏡しいや、って言われて俺は即座に
「これはファッションじゃ!黒縁なめんな!」
先生がうるさいよそこ、と注意され、神井は軽く舌打ちをした。
俊樹はずっと笑うのをこらえるのに必死で体がプルプル震えていた。
どっちが面白いんだコラ。
6限が終わる合図のチャイムが鳴り、生徒が起立、礼、と言い、授業が終わる。
これで俺はやっと部活に行ける。眠そうにしていたとは思えないくらいテキパキと帰り支度をして授業とは一転して騒がしい教室になり、黒板を消している日直や教室の右前で昨日放送されていたサッカーの話がちらほら聞こえたり、左後ろでは女子が窓の外の友達に話しかけているみたいだ。
担任の先生が入って来て、帰りの挨拶を初めたが生徒は騒がしいままである。先生は気にしないで話し続ける。
みんな期末テストが終わったから気分がウキウキなんだろう。
国語が何点だったとか、今日どこに行こうだの、嬉しいのが期待となって見えそうなくらい生き生きしている。俺は何点だったかな、正直赤点を取っていないやつは覚えていないのだ、赤点さえ取らなきゃ何点だろうがどうでもいい。
自分のバッグの中のラケットを見ながら早く終わらないかなぁ、と思っていたら先生が
「じゃあ、今日は終わり!!みんな夏休み気をつけや!!羽目はずし過ぎるなよ。」
と言ったので生徒が起立、さようなら、という一学期最後の学校終了の合図が出る。
けれども、俺にとってはこれからが本当の学校なのだ。
そう部活である。
夏休みもガンガン練習するので楽しみで仕方ないのである。教室の扉を勢いよく開けて教室を出ようとした矢先に俺をがっかりさせる一撃が。
「今日二年は部活行かんといて、合宿の話をせなあかんから。」
既に終わった隣の教室から女子ソフトテニス部部長の内藤真菜が入ってきた。
俺はガッカリした、去年と同じやろが、って思ったが正直部長の内藤が恐いので素直に言うことを聞く。
「え!?あぁ、わかったわ。どこにおればえぇの?」
出来るだけ嫌な空気は出さなかったはずだ。みんな教室から出ていってどんどん帰っていく姿が目に入っていったので思いついたように言った。
「んじゃあ、教室でやろうや、男子は全員同じクラスやろ、女子は全員一組に集合させるわ。別に神井のクラスはこの後なんもないやろ、んじゃあ他の部員に声かけてくるわ。」
俺はあぁ、返事をしたのだが、内藤は走っていったので多分聞いていないだろう。内藤は髪はショート、身長は155センチくらいだ、性格さえ直せば可愛いだろうな、って思う。本人に言ったら完璧に殴られる。
どんどん教室から出ていく生徒にまたな、って言いながら俺はその流れに逆らって教室に入って行く。
男子テニス部は全員同じクラスである。というのも男子テニスは俺が1年の時に部活を作ったのだ。2年に上がり、理系文系クラスに分かれるのだが、みんな理系で人気の少ない理系クラスは1つしかなく、必然的にみな同じクラスになった。
テニス部男子はまだ皆教室にいて同じクラスの女子と話していた、中には同じテニス部の女子もいた。俺が伝えようとしたら、田口があっと言って
「さっき真菜からメールあってここでミーティングするらしいで。部活行ったと思おて呼びに行こうかなって思てたとこ。」
内藤はなんでこんなに仕事が早いんだ、たーさんにメール送ってるってことは全員に送っているだろう。そしたら荒川雄大が
「まぁ、なんだかんだ言ったって夏合宿は明日からだからなぁ、楽しみになってきたわ。」
こんな調子で言う。雄大の言ったとおり明日から夏合宿が始まるのだ。練習に行ってる場合じゃなかったな。雄大は長めの前髪を横に流しながら言った。
「まだ準備してへんわぁ、俊樹もどうせしてへんやろ」
からかいながら言った、うるせえなとばつが悪そうに言う。まぁ案の定してないらしい、彼曰く、そういうものは前日の夜に徹夜してやるもんだって言ってた。
おれは楽しみで一週間前から用意を始めていた。後は歯ブラシなどの生活用品を入れるだけである。
俺は暑がりだからタンクトップやノースリーブを好んでいるためバックはあまりかさばらない。俊樹や荒川は細身なためどちらかと言うと寒がりなので、夏でも薄めの長袖をよく着ている。だから荷物はかさばるんではないかと必要のない心配をする。
空に赤みがかかり始めたころ、ミーティングは始まった。それまで、ずっと俺と俊樹、雄大や他の部員と合宿でのことを話していた。誰がゲーム機本体を持っていくとか、トランプを持っていくなど、遊びに関することばっかり話していた。
合宿は昼より夜が楽しみなのだ。女の子みたいだがいつもと違ったことが話出来てドキドキするのだ、女子とも親睦がさらに深まるし楽しみで仕方がない。ミーティングでは明日の集合時間に絶対に遅れないこと。いつも必ず遅刻するのが俊樹と雄大なので必ず遅刻しないように問いいていた。まぁこの二人は遅刻の常習犯である。
学校にもほぼ確実に遅刻してくる。ミーティングが終わり、テニスコートの見える階段の踊り場から空を見たら、空の赤みも消え、鳥もほとんど飛んでいなかった。部活ももう片付けをしていた、今日は1年生だけなので、すごく少ない。男女合わせて15人ぐらいか、と思いコートの全体を見回す。
テニスコートを囲っているフェンスには色彩様々なラケットが何本も立てかけられている、その近辺にはボールが何個も落ちている、ちゃんとボール拾いをしているか不安になるが、数を調べているので確認すればわかるだろう。俺に気づいた後輩はみんな挨拶してくれた、いい後輩に恵まれて幸せである。
帰りは井下と一緒に帰った。雄大と内藤は方向が逆なので学校を出ると同時にまた明日ね、と言って別れた。
部員の男子の中で一番身長が高い井下悠太はスタイルもよくて、結構もてているようだがなぜか彼女を作らない、多分部活の人で好きな人がいるんだろう、クククその話は合宿の夜に突っ込むとするかな。
梨谷駅に着いて悠太は反対側の家なので、改札に入り、違う階段だったので挨拶して別れた。
しかしプラットホームで手を振ると向こうもちゃんと振返してくれた、そこに俺の乗る電車が目の前を通り井下が見えなくなってしまった。自分たちが乗る電車は比較的すいているため、必ずと言っていいほど座れる。
俺は座席に座ったら田口が目の前に来て話しかけてきた。
「たーさんは準備終わったん?」
「たーさん言うなや。半分くらいは終わったかなー」
田口は髪が肩にちょうど当たるぐらいのセミショートで二重で目が大きめ、身長を高くしたらモデルにでもなりそうな顔立ちである。しかし、彼女はサバサバしている正確なので男としては話をしていて退屈しないというか、言い方が悪いが、女性を感じることは比較的少ない。あぁ、いい男おらんかなぁ~、が口癖なくせに、作る気がなさそうな感じである。何度か同じ学校の人から告白されているって聞いているんだけどなー。
布施駅で俺は降りて田口と別れた。布施は昼はとても賑やかで明るい雰囲気なのだが、夜になるとホームレスの人やスケボー乗っている不良っぽい人などたくさんいる。
少し変な空気が漂っているが、不良の中には友達もいるために絡まれることはほとんどない。
線路沿いに歩いて行くと、壁の落書きがたくさんある。不良はよくスプレーアートをしているのだが、やけにうまいと思う。
とりあえず明日の準備するかーと思ってコンビニに寄って大好きなミルクティーを買って家に帰った。
旭屋高校のソフトテニス部の部員が出てきました。
いろいろな人を出すのって大変ですね。
次回登場人物紹介しようかなと思っています。
見てくださった方ありがとうございます。
がんばって更新していきます。
誤字脱字等ございましたらご指摘ください。




