始まり~大学3年生~
こんにちわ。
2話目です。
たまっている分は割りとすぐに投稿できると思います。
とりあえず高校生になることになった部分を掲載いたします。
ザワザワしている食堂で鷹士は唐揚定食をテーブルに置いた。
今日は混んでいるなぁ、と思いつつも、いつもの食堂の奥の一番端っこに座る。
ここは俺の指定席だ。もちろん俺しか座れないわけではないのだが・・・。
「あ~、退屈だなぁ~」
後頭部に両手を組みながら、体全身の力を抜きぐったりして言った。
そのままイスにもたれながらさらに仰け反ったら逆さまに真田正人が視界に入った。
「鷹士はいいよな、普通は俺らの学部にいてそんなこと言えるやついねえよ。そういう事いうのはお前ぐらいだわ」
正人は心底羨ましそうにカレーを乗せたお盆をテーブルに置いた。俺は体勢を戻して自分のお盆に乗っている水を一口飲んで肩をすくめて言った。
「よく言うぜ、お前だってなんだかんだ言って、大学の成績優秀の奨学金を取っているじゃねぇか。
正人はカレーを口に含みながら言った。食べ物を口の中から消してからしゃべれないのか?実際聞き取れないが、訳すと多分こういうことを言っているだろう。
「またまた。俺は優秀者の奨学金。鷹士は大学最優秀者に与えられる奨学金。その差は近く見えてレベルが違う。」
続けて、カレーを食べ、水で流しこみ、食べ終わったカレーの食器にコップとスプーンをチャリンッと音をたてて置いてから言った。
「しかも、俺はまだ取らなくちゃいけない単位だって取ってないし、就職先だって決まってない。鷹士は単位も全部二年の終わりにはすべて取り終えた上に三年始まると同時に大手の企業に頼まれて本来ありえない時期に内定がもらえたじゃないか。残すは卒論だけだろ。まぁ、うちの大学は就職先が決まるのがほかの大学に比べて早いが、鷹士ほど早いのは前代未聞だって教授が言ってたぜ。」
「そーか?あまり褒めるなよ。照れるだろ。」
適当に返したものの確かに珍しいことではあるらしい。
正人が言っている通り、俺は城早大学二年の終わる頃に履修はすべて完了していた。就職先も大学生を一人取るか取らないかの大手企業からゼミの教授宛てに連絡が来て、勝手に申し込みをし、面接をして見事内定がとんとん拍子決まったのだ。
だから大学にも来る必要がなくなっていたのだが、正人がしつこく来い来いうるさいので来ているのだ。まぁ、実際言わなくても暇だし卒論もしなくちゃだし、来るつもりだが・・・。
ちなみに正人は俺の大学でよく一緒にいるやつで初め授業の隣だったやつで馴れ馴れしく話しかけてきたのだが、気さくで話をしなくても気まずくならない数少ない友人である。
俺と正人の馴れ初めについては今後話す機会があれば紹介しようと思う。
以前パソコンでネットサーフィンをしていたら大学情報のサイトがあったのでうちの大学の案内を見てみた。
《この私立城早大学は大学の中の最高峰であり、城早大学情報創造学部は、国立大学を入れても圧倒的にレベルが高く、入るのも非常に困難な上に進級するのも非常に難しく、進級できずに大学を辞めていくのが、後を絶たない。結局大学四年になれるのは一年の入学時と比べて四割程度になってしまう》
こんな案内で入学者数が増えるのか?と思うのだが、年々入学者数が上がっていくのだから不思議である。多分最近はパソコンが使えないと就職が困難だろうと思って入学するやつが後を絶えないのだろう。
「そういやさ、シゲが呼んでたぜ?なんか暇な暇な鷹士君にやらせることが決まったって言って喜んでたぜ。」
外の景色を見ながら、いつの間に買ったかわからない缶ジュースを外の鳥の飛んでいる様子を見ながらちびちびと飲んでる。
「知ってるよ、ハゲが携帯に朝五時にメール送ってきやがった。不機嫌な目覚ましだよ。」
正人は笑いながら、ジュースを器用に飲む。
「ハゲって・・・、シゲはなんだかんだ言っても教授の中でも尊敬できるレベルの教授だぞ。あいつのやることやらせることは退屈しないからいいじゃんよ」
俺はめんどくせぇな、と呟いて上の天井を眺める。色々なシミが目に入ってくる、天井の角にはクモのいないクモの巣が張ってあったり、どうやって書いたかわからない相合傘、中には般若心経が書いてある、まぁ、途中で消えてしまっているが・・・。
正人がいない日はそれらを眺めたり、外の風景を眺めながら時間をつぶしている。
ここの食堂の風景は素晴らしく自然が多く、四季折々の景色が見られるのだ。まぁ、山だから当たり前か。
「じゃあ、とりあえず昼休みの終わる頃に行ってくるわ。」
正人が飲んでいるオレンジジュースを一息で全部飲んで言った。正人は「ちょっ、まだ一口しか飲んでないのに」と言っていたが軽く謝罪し、正人と俺は食べ終わった食器を返却口に返した。
混んでいる食堂をかき分けながら出てお互い行く教室が反対方向なので別れた。今度ジュースおごれと捨て台詞吐いていたな。
研究室の場所は食堂から10分弱歩いた場所にある。しかし、10分と言っても急な坂を登らなくてはいけないので、行く時はいつもため息ついている。しかし、秋になると紅葉がすごくきれいで見るのが楽しくて坂の苦労など忘れてしまう。
しかしまだ、春だ。小鳥の鳴き声が聞こえてくる。坂を上っている途中に後ろから聞き覚えのある女性の声が聞こえた。
「ねぇ、ちょっと待って」
俺はあえて聞こえないフリをし、並んでいる木々を見ながら口笛を吹いて研究室に向かっていく。
「ちょ、ちょっと待ってって!」
沙織の息が切れてきたので始めて聞こえた様に振り返る。見ると顔がほんのり赤らめてる、多分坂を走って昇ってきたんだろう。しかし、沙織のファッションはいつ何度見ても普通の女子大生の服装ではない。どっかの民族衣装っぽい服装をしている、緑だった赤だったり、カラフルで見てて目が痛くなりそうだ。
「どうしたんだよ、そんなに息荒くして。俺は今からシゲの研究室に行かなくちゃいけないんだよ。」
俺は肩をすくめながら面倒くさそうに言う、実際面倒くさいのだが・・・。沙織は息を整えながら、乱れた民族衣装を直しながら若干驚きながら話した。
「本当に?それを伝えようと思って来たのに。シゲうるさいんだよ。とりあえず、呼んで来いって言ってたよ。食堂にいるって聞いてたから食堂まで行ったのに・・・」
そう言った後に、若干言葉が濁ったのでなんかで釣られたなって思い、
「だから今から行くところ。んで、報酬は何だったんだよ。」
自分の服も乱れているか気になったので、服装を整えながらぶっきらぼうに言う。そしたら、沙織はバレたかって顔をしてハニカミながら、若干声を小さめに言った。
「次のテストでプラス30点やるってさ、けど、普通の生徒だったら食いつくでしょ」
俺はすかさず
「え?どこに普通の生徒がいるのか俺には見えないが・・・」
ニヤニヤしながら、まわりを見渡す素振りをした。そしたら腕に平手打ちをされた、若干手加減してないと思われる。痛い。
「ここにいるじゃん、私は鷹士みたいに何でもできる人じゃないんだよ。」
寄ってきてジッと俺の目を見つめながら言った。近くで見ると顔が整っていて、クリっとした目に丁度いい高さの鼻、きれいなラインの口、平均的に見て可愛いから俺は毎回戸惑ってしまう。黒髪さらさらというのがいい。
「おぉ、そかそか。んで、用がそれだけなら俺は行くけど?沙織はどうすんだ?」
俺は半歩下がって、目をそらす場所を考え自分のポケットに入っていた携帯電話を見る。時間は昼休み終了15分前だ。
「私ももちろん行くわよ、連れてきたことにならないじゃない。これで約束を守らせるわよ。」
なぜか笑いながらガッツポーズをする。その仕草が可愛く見えるから許せる。そう言いながら一緒に歩き始める。身長は俺より10センチぐらい小さいから大体165センチぐらいだろうか。女子の中では高い方だろう。
歩いている途中に沙織は民族衣装を直す回数が多い。そんなに直すのならば着ない方がいいんじゃないか、って言いたいところだがまた容赦ない平手打ちをされるのでグッとこらえた。
最近情報の授業が難しいらしく俺が詳しく教えている。そのおかげで沙織は、情報の授業はなんとかできている。感謝してほしいものだ、大抵ジュースやらご飯をおごってもらえるのだが。
他愛ない話をしている間に研究室に到着した。
誤字脱字等ございましたらご指摘ください。




