リバティ和邇~with 旭谷高校生~
こんにちわ。読んでくださりありがとうございます。
今度は練習が終わり、夜になり、宿でのお話になります。
同じ宿なのでほとんど一緒になります。
疲れた・・・。
身体的にも精神的にも・・・。
大学生になって運動をほとんどしていなかったから久しぶりに運動したため疲れてしまったんだろう。
しかし、まさかこんなに神経削るとは思っていなかった。予想以上に神井が鋭く、疑われているんじゃないかとヒヤヒヤしながら会話をしていた。表面では特に出ていなかったと思うんだが。
よし、今日は飯を食べてさっさと寝よう、どうせ明日もあるしな。
そう思い、俺は部屋でサッと風呂に入り、部屋にご飯を持ってきてもらうように女将に電話した。
プルルッ ~1コール~
プルルッ ~2コール~
プルルッ ~3コール~
プルルッ ~4コール~
プルルッ ~5コー・・・
「はいっ!受付でございます!」
「あっ、福寿の部屋に泊まっている三浦です。」
「お待たせして申し訳ございません。いかがいたしましたか?」
「夕飯なんですが、部屋でいただきたいと思っているんですがお願いできますか?」
「申し訳ございません。今旭谷高校の皆さんが大食堂で夕飯を召し上がっているんですよ。お部屋にお持ちすることは可能ですが、遅くなってしまってもよろしいでしょうか?」
申し訳なさそうに女将が言っている。
女将が言っているのだから間違いなく忙しいのだろう。
一応どれくらいかかるのか聞いてみる。
「そうなんですね。どれくらいに持ってこれそうですか?」
「そうですね。早くても1時間くらいでしょうか・・・。」
そんなに待っていられない。早くても1時間って。
「わかりました。それでは私は大食堂に伺いますので、用意してもらえますか。」
「気を遣っていただいて誠にありがとうございます。そうしていただける大変助かります。少しサービスさせていただきますので、ご容赦ください。」
「いぇ。それでは15分後ぐらいに伺います。」
・・・はぁ。
飯を食わないのはいいが、旭谷高校生たちが原因で食べられないのは若干癪だ。
せっかく旅館に来たのだし、料理も気になる。
適当に地方テレビを見ながら15分待った。
-----------------------
10分ぐらいして女将からご飯の用意ができましたと電話が来たので準備をして向かう。
部屋を出て廊下を一直線に歩いていき、ロビーまで来る。
出入り口から見て左にずっと行くと俺の部屋で右に行くと大食堂である。出入り口の真向かいの階段を上がると多分ソフトテニス部員の部屋だろう。
大食堂に入るとまだソフトテニス部員が飯を食べていた。
どうやら食べ盛りのようだ。
男共がまだ食べているらしく女の子たちが残しているものも食べている。
いじきたねぇよ。もっと控えめに食べられないのか?
すると声が聞こえてきた。
「ん?ここのご飯は誰のや?」
「余りじゃね?食っちゃえ食っちゃえ。」
おい。お前ら。
ため息をつきながらそこの用意されている飯の場所に向かう。
大食堂という名前でありながら大きさはそれほど大きくなく、教室が二つくっつけたような大きさのため、すぐに顔を合わせることになる。
「それは俺んだよ。一つでも食ってみやがれ。根性叩き直してやるよ。」
俺は若干怒った口調で話す。
するとビクッっとなって神井が振り返る。
「すいません!まだ食べたりなくて一つ置いてあったので気になって・・・ってホークか」
「おうよ。で、誰の飯を食おうとしているんだよ?」
それほど怒っていなかったが、不機嫌そうに言った。
「ぃや、すまん。」
ショボンとなって自分の席に戻っていく。
すると入れ替わるように女将が入れ替わるように料理を持ってきた。
次々と持ってきて、こんなに量があるのか。食べきれるかな。
ん?
次々と持ってきた。
次々と持ってきた。
は?
「すいません、こんなに量が多いんですか?食べ切れる気がしませんが」
若干引きながら言った。
すると女将は当たり前のように言った。
「お客様は元々4人でいらっしゃる予定でしたので。個人個人の小鉢は出しておりませんが、船盛り等の皆様で召し上がるものにつきましてはこちらも用意してしまっているので、出させていただきます。後、先ほど気を遣っていただいたので、気持ちサービスさせていただきました。」
「ぃや、でも食べ切れないですよ。」
「そうですか。申し訳ございません。私どもはサービスを提供するのをこの旅館の理念としていまして・・・、かえって押し売りのような形になってしまいましたね。」
女将までショボンとしだす。
おいおい、マジかよ。
この女将よく見ると若いな。まだ女将になってそれほど経っていないんじゃないか?
ったく。
「いぇ、私は大食いなので大丈夫です。」
女将はえ?という顔をしてこっちを見る。
「私は大食いなので多分この量なら問題ありません。むしろちょうどいいくらいです。」
女将はパァッと先ほどとは打って変わり笑顔になった。
なんでこっちが気を遣ってんだよ。
「ありがとうございます。それでは料理をお楽しみください。味は保障いたします。」
俺は適当に返事をして飯を食い始める。
味は確かに女将の言う通り、どれも美味しいものばかりだった。刺身も新鮮だし、鉄板焼きの肉も柔らかくて、タレもこの旅館が作っているのか味わったことのない味である。辛すぎず甘すぎず、絶妙なバランスを取っている。
ただ、
絶対食べられない。そして残せない。
どうすっかなーと思いつつ、
あっ
「神井、お前もくわねぇか?俺では荷が重いわ。」
先ほどからずっとこちらを羨ましそうに見ていた神井に声をかける。
すると速攻でこっちに来て
「いいんか!?お前ええやつやな!」
「いいから食え、残さず食べろよ。」
もちろん他のやつらも食べ始める。
女の子たちはお腹一杯だったようで残念がっている。どうやら旅館の中でも出される料理が違うみたいだ。俺(4人分)の頼んだ料理は割りとランクの高い料理だったようで逆に学校で来ている神井たちの飯のランクは一番低コストなのか小鉢等の皿が少ないようだ。
程なくして更に載っている全ての料理が俺や神井たちの胃袋に収まる。
あぁー気持ち悪い、食いすぎた。
これじゃすぐ寝れそうにないな。
とりあえず、気持ち悪いから部屋に戻ろう。
神井たちには軽く挨拶して自分の部屋に戻る。
-------------------
部屋に戻り、ベランダの傍にある椅子に座る。
バックの中に入っているタバコを取り出し、火をつける。
煙を肺に入れ、ため息をつくように煙を吐き出す。
あっ、と部屋がタバコくさくなるのはあんまり好きではないのでベランダのドアを開ける。
そうすると2階から笑い声が聞こえてきた。
多分あいつらだろうな。
ちっ、うるせえな。
自然を楽しめよ。
こんなに自然が溢れているのだから、ベランダ開けたら虫の鳴き声やら鳥の鳴き声を聞いたらどうなんだ。
タバコを咥えて吸う、しかしお腹が膨れ過ぎてタバコを吸う気になれない。
2回しか吸っていないタバコを灰皿に押し付けて火を消す。
俺は2階から聞こえる笑い声を出来るだけ聞かないようにして外の音を聞いていた。
集中していると2階の雑音は次第に聞こえなくなっていた。
虫の鳴き声が聞こえ、梟の鳴き声が聞こえる。
木々が夜風に吹かれて葉が擦れる音がする。
この音を聞いていると心が洗われていく。
日々のやかましい大学や都心の喧騒を忘れてしまう。
自然の音を聞きながらウトウトし始めていたところで2階の音がやかましくなって来た。
「だから!ほんとにいない言うてるやろ!」
「ほんまに~?とかなんとか言っちゃって~、誰なん~?」
「もうこのくだり何回やってると思うん?」
「たーさんが言わないからやろ?」
うるっせぇな。こっちは眠りそうだったのに2階では色恋話かよ・・・。
ちょっとイライラしていたら
「もう!いい加減にしてや!」
プツッ
「すいません。こっちがいい加減にしてほしいんですが?」
さすがに頭に来てベランダから出て、2階に向って言った。
怒鳴りつけなかっただけ褒めてほしい。
どうやらしっかり聞こえたらしく、2階から顔を出してたーさんが
「すみません。ベランダ開けっ放しやったんで、やかましかっ、ってホークかいな。あたしらの下の部屋やったんか。」
「そうですよ。お互いベランダ開けっ放しだったから声が丸聞こえだったわ。」
「そうだったんや。悪かったなー、すまんすまん♪」
ピキッ、反省してねぇな。
よし、ここで一つからかってやらねば気がすまない。
「んで?たーさんの好きな人って誰よ?何?神井?」
「なっ!?うっさいわ!誰でもええやろ!」
「えー教えてよ、なになに俊樹とかー?」
「私が誰を好きやろうと関係ないやろ!」
わかりやすいなー、好きな人がいること自分で言ってんじゃん。
「あっ、好きな人いるんだ?」
「あっっ!!」
顔が真っ赤になり、それ以来ずっと黙りながら俺をにらみ付ける。
他の女の子たちが「えー誰なんですかー?」と関西特有の発音で田口に畳み掛けている。
なんか上でドタバタうるさかったが、すぐに静かになった。
ククッ、いい気味だ。まぁうるさかった原因が田口じゃないので若干かわいそうに思ったが、俺をイラただせた罰だ、自分に言い聞かせた。
2階はもうベランダも閉めているようで静かになったため、俺は再度タバコに火をつけて一服する。
煙を表に向かって吐き出す。
あぁー、この時間幸せだー、落ち着く。
タバコが吸い終わり、灰皿に吸い終わったタバコが1本増える。
そろそろ寝るかーと思って、押入れから布団を出そうと思って椅子から離れて立った。
すると、
コンコンッ
ん?誰だろう?女将かな。布団は自分で敷くから部屋には一切入らないように伝えてある。
ゴンゴンッ
ちょっと強めに叩かれた。
うるせぇな、誰だよ。
ドンドン!!!!
「だぁーっもう!誰だよ!」
勢い良く扉を引いた。
すると目の前から火花が散った。
すごい衝撃だった。
相手は思いっきりドアを叩こうとしていたのか、フルスイングの手が俺の顔面に直撃した。
相手は驚いたのだろうか、すぐに謝って来た。
「すまん!大丈夫か!?」
「ってぇ~。ったく、ドア何回も叩かれるから開いたら思いっきり叩かれるし、何なんだよ一体。」
「ほんまスマンて。」
「まぁ、いいけどよー。」
視界がだいぶ戻ってきて誰が入ってきたのかを確かめる。
すると、先ほど2階で顔を真っ赤にしていた田口だった。
「とりあえず中に入れてぇや。」
「あ、あぁ。んで、どうしたんだよ一体。」
「ぃやな、同じ部屋の子らがしつこくてなー、逃げてきたわ。」
「そうか。んで、俺の部屋に逃げてきたと。」
ん、と言って胸を張って言ってきた。
「で、いつ戻るんだ?」
「とりあえず騒ぎが収まるまでやな。」
「おいおい、いつ収まるかわからんだろ。もう部屋戻ったら?」
「ひどない!?結構困ってるんやけど・・・。」
「んー、とは言ってもなー」
正直あまり部屋に入れたくない。
女将にも入れないぐらいなので、少しでも情報が漏れるような可能性はつぶしておきたい。
自分の私物とかは見られたくないのだ。
まぁ、正直見られても困る物は持ってきていない。
PCは持ってきているものの、データとかも全てロックをかけているし、ログインするのにもパスワードを入力しなくてはいけないのでまず見られることはないのだが。
そうやって考えていると、コンコンッと丁寧にノックされ、三浦先輩~、いますか~?声が聞こえてきた。
多分先ほど田口と話していた後輩たちだろう。
田口が不安そうな目でこちらを見てきた。そんな悪いことした子犬みたいな目で見るな。
ったく、と言いながらドアを開けた。
「あ!三浦先輩こんばんわ。先ほどはすいませんでした。」
「いいよいいよ。んで、どうしたの?」
ここぞとばかり営業スマイルを使った。
相手は顔を少し赤らめながら、あっ、と言って
「えっとですね、田口先輩がこの部屋に来ませんでしたか?」
「たーさん?いや、来てないよ。どうかしたの?」
「あっ、いぇ、来てないならいいです。ただ遊んでるだけですから。」
「そうなんだ。遊ぶのもいいけど、明日も練習あるでしょ。今日はこっちに来たから疲れているし、練習もしたし。自分が思っている以上に身体は疲れてるはずだよ。夜更かしすると肌に悪いんじゃない?かわいい顔が台無しになっちゃうよ?」
営業スマイルを使いながら話す。
「えっ!?あ・・あぅ」
顔が真っ赤になり、うつむく。
「ほら、今日はもう部屋に戻って休みな。」
「は・・・はい・・・」
お休み、と言ってドアを閉める。
そしたら一部始終を見ていた田口がこっちを見ている。
俗に言うジト目というやつだろうか。
なんだよ、助けてやったじゃないか。
「・・・女たらし」
「助けてやったやつになんて言い方だよ。今から追い出してやろうか?」
「すまん!」
気持ち良いぐらいに素直だった。
玄関で話すのも変なので、とりあえず部屋に入る。
「んで、どうするんだ?」
「んー、戻ったらまた色々聞かれてまうしなー」
ん?
「あっ、後輩たちが寝るまで待てばええんちゃう?」
「そうだな、とりあえずそれまではどこかで時間つぶせば問題ないしな。」
「え?何言うてんの?」
・・・え?
「え?」
「いや、ここが一番安全ぽいしな、ここにしばらくいさせてもらうわ。よろしく、ホーク♪」
・・・は?
接触初夜に自分の部屋にJKを連れ込んだ瞬間だった。
更新いたしました。
書いていたらキリの良い場所が見つからず、だらだらしてしまったかもしれませんが、ご了承ください。
誤字脱字等何かございましたらご指摘ください。