8-3
燃えあがる炎のなかで、真っ黒焦げの遺体がさらに黒くひからびて、最後には粉々にされ白い粉末に変わっていく。
本当にこれがユースケなのだろうか?──小さくなってしまったユースケを納骨して葬式は終わった。
その後、彼の親族に寿司をご馳走になった。
色々とユースケの昔話をしてまわった。
僕の話を聞くと、親類縁者は一応に涙ぐんだ。
マーコはなんの遠慮もなく寿司を頬張っていた。
僕は胃が痛んでなにも喉を通らなかった。
そのとき寿司屋で見たニュース。花火大会当日に逮捕された変質者ふたり組のニュース。ユースケを失った僕たちにとっては、どうでもいいニュースのはずだった。
*
帰り際、マーコが僕にむかってこういった。「ジョンとジョージが亡くなって、ビートルズの再結成は永遠になくなった。俺たちも似たようなもんだな」
それをいうマーコの表情はとても悲しげで、どこか、そのことを予感していたようにも思えた。ユースケの東京での悪戦苦闘──マーコだけにはそのことをいっていたらしい。僕はなにも聞かされていない。
ユースケのプロジェクトは大胆でとても革新的なものだったようだ。実現する為の根回しも確実におこなわれていた。
しかし、最終的には幹部連中の鶴の一声で、全て白紙に撤回されてしまった。マーコがいうには──そうことらしい。
しかし、それが、自殺の理由になるだろうか?──そういい切れる確かな根拠はなにもない。
だが、そうじゃないという理由もなにも見つからない。結局のところ、真実を知る人間はこの世界にはもう誰もいない。ただ、ここにある確かな答え──それはユースケの死だけだった。
「まー、ポールもリンゴもしぶとく生き残っているんだから、俺たちもそうしようや」笑ってマーコがそういった。




