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夏の或る夜の夢の続き  作者: 横滑り木偶臣
第8章(葬儀場にて友は焼かれる)
58/84

8-3

 燃えあがる炎のなかで、真っ黒焦げの遺体がさらに黒くひからびて、最後には粉々にされ白い粉末に変わっていく。


 本当にこれがユースケなのだろうか?──小さくなってしまったユースケを納骨して葬式は終わった。





 その後、彼の親族に寿司をご馳走になった。


 色々とユースケの昔話をしてまわった。


 僕の話を聞くと、親類縁者は一応に涙ぐんだ。


 マーコはなんの遠慮もなく寿司を頬張っていた。


 僕は胃が痛んでなにも喉を通らなかった。


 そのとき寿司屋で見たニュース。花火大会当日に逮捕された変質者ふたり組のニュース。ユースケを失った僕たちにとっては、どうでもいいニュースのはずだった。


     *


 帰り際、マーコが僕にむかってこういった。「ジョンとジョージが亡くなって、ビートルズの再結成は永遠になくなった。俺たちも似たようなもんだな」


 それをいうマーコの表情はとても悲しげで、どこか、そのことを予感していたようにも思えた。ユースケの東京での悪戦苦闘──マーコだけにはそのことをいっていたらしい。僕はなにも聞かされていない。


 ユースケのプロジェクトは大胆でとても革新的なものだったようだ。実現する為の根回しも確実におこなわれていた。


 しかし、最終的には幹部連中の鶴の一声で、全て白紙に撤回されてしまった。マーコがいうには──そうことらしい。


 しかし、それが、自殺の理由になるだろうか?──そういい切れる確かな根拠はなにもない。


 だが、そうじゃないという理由もなにも見つからない。結局のところ、真実を知る人間はこの世界にはもう誰もいない。ただ、ここにある確かな答え──それはユースケの死だけだった。


「まー、ポールもリンゴもしぶとく生き残っているんだから、俺たちもそうしようや」笑ってマーコがそういった。

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