4月14日 乾杯4
ようやく1週間が終わった。長いよう速い。これから、何十年とこのサイクルが続くと思うとなんだか嫌な気しかしなかった。
ー4月11日ー
3杯目は、メロンソーダを飲んでいた。もう、飲み物はなんでもよかった。明日も仕事があるというのに、俺たちは、ダラダラと食べながら飲んでいた。
俺 「何、注文する?」
髙橋「唐揚げにしよ」
注文表をみた髙橋は、決めたみたいだ。
俺 「おっけー。俺、ピザ頼むよ」
髙橋「いいよ」
メニュー表を見ながら、髙橋が店員を呼んだ。すぐさま、俺たちの方にやってきた。女性店員は、「何かお決まりですか?」と柔らかな声で尋ねてきた。俺は、「唐揚げとピザお願いします」と伝えると、優しく頷いた。
俺 「同期は、誰が仲良いの?」
髙橋「そんなに仲いい奴いないよ」
意外だ。まさか、髙橋がそんな風に思うなんて。
俺 「お前と同じくらい優秀な奴いなかった?名前忘れたけど」
髙橋「あー、あいつかぁ。三藤じゃないか?」
俺 「たぶん、そうだと思う」
三藤。コイツは、髙橋と同じくらい研修で目立ってたヤツだ。
髙橋「俺は、タイプ的に苦手かな」
俺 「へぇー。そうだったんだ。てっきり、お前は誰とでも仲良くなれるのかと思ってたよ」
髙橋「そんなことないよ」
髙橋は、どんなことを思うのだろうか?髙橋が嫌な奴なんて、他の人でも上手くさばけないに違いない。
俺 「そんな風には見えないけど」
髙橋「そんなものよ。意外と」
俺 「ふーん」
ちょうど、注文した唐揚げが先にやってきた。どうぞ!!店員の声とともに、熱々の唐揚げが目の前に置かれる。とてもいい匂いだ。
髙橋「お前は、誰と仲良いの?」
俺 「俺も全然いないな。高卒だしな」
自分が高卒であることは、ハンデだと思う反面、差別化できるとも思っていた。
髙橋「でも、珍しいよな。高卒で採用なんて」
俺 「ああ。言ってたよ園山も」
社長とはつけない。正確に言えば、つけたくないというのが本音だった。あくまでも雇われている身だということはわかっているが、勝手に上下関係にはしたくなかった。
髙橋「なんか、社長が気になるポイントがあったんじゃねぇか?」
俺 「そうなのかな?」
言われてみたらそれはあるかもしれない。むしろ、それしかないのかもしれない気がしてきた。