3月14日 選択肢
俺は、さっそく恵太に連絡をして会っていた。恵太は、すぐ会いに来てくれた。今は、一人暮らしの準備をしているらしい。
恵太「どうだった?」
俺 「オーラすごかったかな」
河野さんは、只者ではない。それが、俺のイメージだ。こういう人が社長になるんだろうなと思った。
恵太「だろ?やばいよな」
俺 「今まで、ああいう風な人を見たことがないよ」
俺は、恵太の言っていたことが理解できた。
恵太「わかるわ。あんな人なかなかみないからな」
俺 「そうだよな」
恵太の肩に手を置きながら答えた。
恵太「聞いてみた?」
俺 「ああ。ちゃんと答えてくれたよ」
河野さんの答えは本当に的確だった。答えとヒントのちょうど間をいっていた。しかし、答えを出すことはできていなかった。
恵太「よかったな」
俺 「そうだな」
恵太は、スマホを見ていた。もしかして、コイツの所作は、河野さんを真似しているのか?
恵太「なんて言われたの?」
俺 「相手がどういうことを考えているかを想像してみたらどうかって」
他者が何が考えているのかはわからない。しかし、これから父が出した様な課題には毎日ぶち当たる。
恵太「そうなんだ。参考になったの?」
俺 「うん。でも、完全には答えは出てないかな」
問題は、どうやって答えを出すかだ。今は、自分の中で答えは3つある。しかし、その中のどの選択肢を選ぶかはわからない。
恵太「いつまでに答え出さないといけないの?」
俺 「期限は決まってないけどできるだけ早く答えは出したいかな」
期限は、20日までと個人的には考えていた。
恵太「早く答え出したら、4月から働けるかもしれないな」
俺 「そうだな。早く出して働きたいな」
働きたいというより、新しい環境に身を置きたい。それが本音だ。
恵太「俺も何か手伝えたらいいんだけど」
俺 「そう言ってくれるだけだ嬉しいよ。河野さんにも助けてもらったし、後は自分でなんとかしないとな」
恵太は、最大限、手伝ってくれた。感謝しかない。
恵太「なんとかできそうか?」
俺 「それはどうかな?」
なんとかするしかない。
恵太「期待してるんだから、頑張れよ」
俺 「それはどうも。ハハハ」
俺は、話をしながら、スマホに記した3つの選択肢を考えていた。




