転校生
結局ツッチー先生が来れなかった理由は転校生の手続きがギリギリ終わらなかったかららしい。
「さっきも教頭先生からあったように今日から転校生がくるわ。みんな仲良くしてあげてね。」
可愛い子への希望と転校生が男子だった時の絶望が入り混じり異様なほど教室は静まり返っていた。
「じゃあ、柊さん入ってきて」
ガラガラ___と今日2回目のドアが開き女子?が入ってくる。
「えっとボクは柊 怜って言います!これからよろしくね!」
声は心地の良いソプラノ声で髪は茶髪ショートヘア、やや幼さとあどけなさが残っているからか若干年下の女の子みたいだ。
転校生が女子、そして可愛い、さらにボクっ娘ときた。
無論男子たちはこうなる。
「勝ったぞ!綺礼この勝負我々の勝利だ!」
「あぁ!甘い!あまぁぁあいぃい!(このシチュエーション)」
「の、脳が震えるぅぅうう!!(可愛くて)」
「UREYYYYYYY!(へんな仮面被った奴)」
教頭先生から転校生がやってくると聞いた時よりもハイテンションで月曜で憂鬱だと言うのにまるでお祭り騒ぎだ。(主に男子だが... )
この騒ぎの発端である怜は、あははは...と苦笑いをしている。
「はいはい!嬉しいのは分かるから落ち着いて!」
先生が喋ると一瞬で真面目な顔に戻りシャキ!とする男子たち。
美女ってすげー!と改めて思う。
コホンと先生は咳払いみんなに問いかける。
「それで柊さんに質問ある人はいる?」
「質問じゃんじゃんいいよ!答えれる範囲で答えるよ〜?」
手を振りピョンピョンとジャンプをしながら怜が声を上げる。
「はい。」
と一人の生徒が手を挙げた。
黒髪でメガネをかけていて、いかにも真面目やエリートと言う言葉が似合いそうな彼は真壁 広太だ。
彼も佑太と幼馴染で小学生の時は一緒に遊んでいたが、なぜか今は若干距離を感じる。
「質問です。失礼ですが柊さんは「どっち」なのですか?」
その質問にクラス中の人の頭には「?」マークが出ている。
「広太君それはどういう意味なの?」
と先生も理解できなかったのか広太に聞く。
さっきまで祭り並みに騒がしかったのに1ーAの教室に先生と広太、そして怜しか居ないような静けさだ。
「性別のことです。一人称がボク、なのに制服はスカート、そして見た目は女子。なのでどっちと質問したまでです。」
正直どうでもいい質問だが、広太は細かいところや気になったことはしっかりと直したり聞いたりしないと気が済まない性格だ。
そのため、彼のノートは抜けがなく中学の時からテストは毎回上位に入っていてエリートと呼ばれている。
「あぁ〜そーゆーことかぁ!広太君?で良いよね。」
「えぇ、大丈夫です。」
「実は小さい時は親戚から男の子だと思われてて男の子として育てられてたんだ〜。その時からずっとボクって言ってたから直そうと思ってもなかなか治らないんだ。勘違いさせちゃってゴメンね〜。」真面目な広太と対照的に軽い感じて受け答えする。
「なるほど。そういうことですか、質問への回答感謝します。 」
と言うと席に座った。
「広太君のほかに質問ある人は?」
先生が聞く。数秒開けて
「 ...ないみたいだね。じゃあ柊さん。一ノ瀬君の隣に座ってね。」
「了解しました!先生!」
そしてピシッ!と敬礼のポーズをとる。
先生は少し戸惑ったがすぐに最高級の笑顔を返す。
男子生徒諸君は美女と美少女の姉妹のようなやり取りを見て、微笑ましそうにまた、じっくりと観察していた。
コツコツと足音が近づいてくる。
「君が一ノ瀬君?改めてよろしくね!」
「こちらこそよろしく柊さん。」
席順は名前の順ではなく好きなところに座っていいというなんともテキトーなルールで柊さんが佑太の隣に座ったのはたまたま佑太の隣が空いていたからだ。
怜は何故か席に着いた後も佑太の顔を見ながらニヤニヤしている。
「柊さん、俺の顔になんか付いてるの?」
少し不安になり聞いてみる。
「なんもついてないよ〜ただ今までは席の隣が男子のことがほとんどなくてマジマジと顔を見ちゃっただけ〜あと!ボクのことは怜でいいよ!」
そして眩しいくらいの笑顔を向けられる。
「お、おう分かった...」
その笑顔に照れてしまい、顔を背ける。(本当に同級生なのか?年下じゃなくて?あと...可愛い)ぶっちゃけ恥ずかしがっていた。
こんばんは紘です!
男子たちのテンションは過去に見てきたアニメから抜き取りました。
少しでもスクっと笑ってくれたら嬉しいです。
来週も火曜日にあげたいと思います。




