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ドラゴンズ&ドラゴン  作者: H氏
ハイドル霊廟怪異編
37/39

俺、決断する

 俺達は後方迎撃部隊である骸骨魔法士スケルトンソーサラの二千の討伐とうばつに成功した。


 その時、『白龍』様が呈示ていじした条件は満たされ、新たなる依頼クエスト


『ディアマンドラアスの討伐』が発動した。


 そして、我が友(フレンド)が再びラストニアの大地に降臨こうりんしたが、


 その数は、五千以下、


 ディアマンドラアスの百万骸骨軍団ミリオンスケルトンアーミーに対して圧倒的に数が少なく、友達フレンドやつに近付く事すら出来なかった。


 何がD&DON(ダアドオン)世界ゲームに起こったのか。


 過疎かそってしまったのか?皆が世界ゲームで遊ばなくなったのか?


 その時、我がメル友の『オセロ』が俺達の前で真実を告げる。


 それは、ディアマンドラアスによって

 、圧倒的なユーザ数がいるゲーム専用機の友達ユーザが、世界サーバとの専用回線ラインが繋がらなくなり、その為にゲーム機ユーザが世界ゲームを遊ぶ事が出来ない事が原因だった!


 やつは知ってしまった!


 世界ワールドの弱点を!


 回線ラインが繋がらなかったら、


 世界ゲームが成り立たない事を!


 仮に、白いケーブルが俺達、D&DON(ダアドオン)回線ラインだとしたら、


 もう一つの黒い回線ラインは、別の世界ゲームと繋がっている事になる、


 あの黒い回線ラインやつが握ったらやつのレベルはカンストした、


 つまり、あの黒い回線ケーブルやつパワーを与えている!


 やつった、力のみなもとが、


 俺達の世界ワールド殺戮さつりく世界ゲームである事を!


 やつ殺戮さつりく世界ゲームから手に持つ回線ケーブルを使ってパワーを得ているとして、そのパワー世界ゲームと元いた世界ゲーム回線ケーブルを遮断しているとしたら!


 バリバリバリバリンンンン!!!


 八枚目の神殿結界が破壊される音が平原中に響き渡り、残り二枚!


 エリーが苦しそうに、「ガラナエキスの残りが後、4本です!」と俺に伝え、


 俺は撤退の時期決めなければならない!


 だが何もしないで撤退して、


 の世界はどうなっちまうんだ!


 俺が撤退を決めようとした瞬間、


 時は止まり、静かなそれでいて重みのある声が聞こえた、


『たぶん、終りだ。』


 えっ?誰?


 俺はオセロを見たが、彼は止まっている、


 幻聴?


 それとも俺の自作自演?


 の危機的状況でついに俺はもう一つの人格を産み出したのか?


 やつと戦えとう俺、逃げろとう俺。


 本当に滑稽こっけいだ、弱気な俺は、やつと戦うスキルも武器も無いし、俺達は頑張がんばったもう終わりにしようとう。


やつを殺す武器なら有る』


 そんなの何処どこに有るんだよ!やつはレベル9999の化け物(モンスター)だぞ!


化け物(モンスター)を殺す武器が、二本、お前の収納カードに入ってる。』


 二本?収納カード?


 まさか、


 えっ!


『黄金のなた』!


 確かにこれならやつを、化け物(モンスター)を殺せる!


 だが駄目だ、此は化け物(モンスター)化け物(モンスター)を殺す武器、人間には使えない!!


『お前は人間か、』


 えっ、


 俺は、


『認めろよ、()()()()()()


 !!


 確かに俺はの世界の人じゃない、だが、別の世界の人だ!!


『本当にそうか、その記憶こそ白龍によって与えられた偽物だったとしたら、』


 俺は、


 俺は、


 俺は、


『そうだ、お前は化け物(モンスター)だ。』


 化け物(モンスター)


 化け物(モンスター)


 化け物(モンスター)


いじゃないか、これで皆を助けられる。』


 皆を助けられる!


 そうか、


 そうだな、大好きな皆を助ける事が出来る。


 止まった時間の中で俺は、マリーを見た、金の髪が美しい西洋人形のようなマリー、俺を好きだと言ってくれたマリー、出会いは劇的で俺は一目で君に惚れた、だから俺は君の全てがいとおしい、俺の大切なマリー、


 俺はメリーを見た、ウェーブの掛かった黒い髪に強い意思を持った大きな瞳のメリー、最初は只の冒険者オタクだと思っていた、でもそれは間違いだった、多くの者をうしない、心は引き裂かれてきたのに、そんな事を一言も俺達にわなかった、強くて可愛いマリー、俺は今の君が好きだ。


 俺はエリーを見た、銀の髪が美しく、本当に神話のエルフのようなエリー、自分が何者か分からない俺は君を好きになる事が怖かった、だが今なら分かる、やっぱり俺は君には相応ふさわしい人物じゃなかった、短い間だったけど、俺は本当は君の事も好きだった、そして君の理想の冒険者に成れなくて、御免ごめんな、エリー、


『別れはすんだのか』


 ああ、済んだ。


『じゃ、全てを終わらせに行こうか!』


 ああ、行こう!


 全ての決着を着けるために、


 ディアマンドラアスをために!


 俺は、『探求者シーカ』に転職ジョブチェンジして、手に持つロープを天空の骸骨女鳥スケルトンハーピに向かって投げた!


 ローブは骸骨女鳥スケルトンハーピからまり、からまったロープが高速に俺を引き上げる!


 天空へ!


 俺は再び、大地を離れた瞬間、



 時は戻った。




 吹き荒れる雪と荒ぶる風の音を打ち消す、マリーの叫びが聞こえる!


「レイ!約束した筈だ!!私達を置いて行くなと!!!」


 メリーの怒りの声が聞こえる!


「バカ野郎!レイの大バカ野郎!!」


 エリーの悲痛な声が聞こえる!


「レイ!!行っちゃダメェェ!!!」


 御免な、皆、


ころしに女子供を連れていっちゃいけねぇ。』


 声に悲しみがめられている。


 そうだな、


 俺達はディアマンドラアスをころしに行く、


 皆には見せられる仕事じゃない。


 ズダダダダダダダダダダダダ!!!


 気を抜いた彼女達にディアマンドラアスの豪雷が襲い、


 えっ!


『大丈夫だ』


 俺は急いで空中から彼女達を見ると、


 エリーの代わりにオセロが結界バリアを張っていた!


 そうか、今のD&DON(ダアドオン)の錬金術師はバリアも張れるのか!


 すげぇなあ、D&DON(ダアドオン)


『前だ!』


 えっ!


 グゥワァアアアアアアア!!!


 目の前に三倍は有る、大骸骨女鳥ビッグスケルトンハーピせまる!!


 その巨大な鈎爪かぎづめが俺を襲う瞬間!


 バゴォオオオオオオオオオンンンン!!!


 大骸骨女鳥ビッグスケルトンハーピの頭蓋骨が吹き飛ばされる!


 えっ!


 俺が振り返ると、マリーが勝手に『狩人ハンタ』に転職ジョブチェンジしていた!


「死なせない!私は貴方あなたを絶体に死なせない!!レイ!!!」


 俺にスタミナの回復の矢が撃ち込まれる!


 エリーも『魔法弓士エレメントアーチャ』に転職ジョブチェンジしていた!


 バガガガガガガガガガガンンンン!!!


 俺の回りの骸骨女鳥スケルトンハーピが金の発光弾で吹き飛ばされる!


 これは、錬金術師アルケミストの『錬金散弾銃アルマ・セクタ


 メリーが錬金術師アルケミスト転職ジョブチェンジしていた!


 全員が叫んでいた、


「私達は!貴方あなたを!!一人にはさせない!!!」


 マリー!


 メリー!


 エリー!


 有難う、皆!!


 俺は一人じゃない!!


 ディアマンドラアスが高速に近付いて来る俺に向かって指を動かす。


 一万の骸骨女鳥スケルトンハーピが俺に向かって動く!


 やつはあくまでも、時間切れ(タイムアッフ)を狙っているのか!


『手伝うぞ、』


 えっ!


 その瞬間、俺のロープさばきは神業かみのわざと成った!


 むらがる骸骨女鳥スケルトンハーピ隙間すきまを抜け、カスタムスキル『かまなおし』で引き戻すロープの長さを調整し、俺が慣性かんせいで飛んで行く方向に飛んでいる骸骨女鳥スケルトンハーピと俺がぶつかる直前にロープの引きが発動するように計算した俺は、ロープをはなつタイミングと向きを決めて再度さいどロープ投げる!


 この間、僅かコンマ2秒!!


 そしてふたたび、俺は骸骨女鳥スケルトンハーピ隙間すきまを抜ける!


 今の俺はディアマンドラアスとのころし合いのために命もスタミナも温存したい!


 そのためには、骸骨女鳥スケルトンハーピとの無駄なたたかいはけたい!


 だからこそ、最小限のスキルの使用で最大の効果が必要だった!


 今の俺にはそのわざが出来るし、そのわざを使ってディアマンドラアスに接近していた!


 俺は、ディアマンドラアスに近付ちかづけば近付ちかづく程、より高く、高く、舞い上がった!


 地上から20メータに浮かぶ全長20メータのディアマンドラアス。


 俺が地上60メータの高さに達した時、


 ディアマンドラアスとの距離が0に成った時、


 俺は初めて収納カードから二本の『黄金のなた』を取り出し、両手に持った!


 バリバリバリバリンンンン!!!


 九枚目の神殿結界が破壊される音が平原中に響き渡り、残り一枚!


 ジャギィイイイン!ジャギィイイイン!


 手に持つ『黄金のなた』は音を立てて黄金のダガーへと変形する!


 その時初めて、ディアマンドラアスは俺達の意図いと気付きづ驚愕きょうがくする!!


 俺達が手にするのは、自ら作り上げた、


龍殺りゅうごろしのなた』!


 化け物(モンスター)化け物(モンスター)を殺す為の武器!!


 別名、『黄金のなた』!!!


 ディアマンドラアスの眼窩がんかは見開き、顎の骨は大きく開き、


ずは、左腕を落とせ』


 わかった!相棒!!


 俺は落下しながら、ロープをディアマンドラアスに投げる!!


 やつは俺を叩き落とす為に左手を俺の方に大きく向け、その左腕にロープが絡まった瞬間、


 カスタムスキル!


跳鷹斬ちょうようざん』を発動した!!


 俺は高速に回転しやつの左腕に向かった!


 ダガァアアアアアアアアアンン!!


 骨腕と衝突した俺は回転でその衝撃を吸収し、


 ガリガリガリガリガリガリ!!!


 更にやつの左腕の骨を削りながら、俺は両手をたかのように広げて、


 一気に黄金のダガーをやつの左腕に降り下ろす!!!


 バキィイイイイイインンンン!!!


 大音響を立てて、ディアマンドラアスの骨の左手が、黒いケーブルを持つ左手が大地に落下した!!!


 ギィイヤヤヤアアアアアアアア!!!


 ディアマンドラアスの絶叫ぜっきょうが平原中に木霊こだまし、


 やつのレベルがグルグルと逆回転して、200の位置で止まった!


 俺は、


 慣性でディアマンドラアスから離れた俺のライフゲージは半分以下と成った!


 流石さすが、レベル50代の俺の紙耐久力、もって後一回!!


『一回で充分だ』


 そうか、


 片腕を失ったディアマンドラアスは狂ったように右腕を振り回し、


 ゆっくりと上昇していた俺に、やつの右腕が迫る!


 やつの右腕が俺に当たった瞬間、


 俺のライフのゲージが(ゼロ)に成った瞬間、


 カウンタースキル!


 『なが暗殺あんさつ』が起動した!!


 『なが暗殺あんさつ』、取得するのに超難易度の条件をクリアしなければ決して取得出来ない、神業かみのわざ


 俺には決して取得出来ず、使えなかったスキル


 世界は白く発光し、時は止まる!


 俺の体は瞬時にディアマンドラアスの背後の首元に回り込み、


 やつの首に『黄金のなた』を当てがい、


 一気に引く!!!


 ズバッシュシュシュシュシュ!!!


 青き閃光がほとばしり、


 ディアマンドラアスの巨大な頭蓋骨がゆっくりと体から離れ、


 やつライフゲージが(ゼロ)になった!


 ガキイイイイイインンンン!!!


 ゆっくりと落下する俺の目前に、


 ポップアップが表示される、


 ディアマンドラアス討伐完了!!!


 タイムボーナス+30!!!


 その瞬間、大地は光輝き、


 十万を越す我が友(フレンド)が、


 ラストニアの大地に降臨こうりんし、


 俺は意識を失った。

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