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ドラゴンズ&ドラゴン  作者: H氏
ハイドル霊廟怪異編
36/39

俺、作戦を実行する

 俺達は神殿の『白龍』様に会い、の世界を救ってくれる、友達フレンドを呼ぶ為の条件を聞いた。


 それは、骸骨魔法士スケルトンソーサラ、二千の討伐。


 後方大迎撃部隊の骸骨魔法士スケルトンソーサラを討伐するには、奴等やつらが存在する場所迄たどり着き、更にディアマンドラアスを含む奴等やつらの攻撃を受けながらの討伐であった。


 エリーを除いた俺達は『探求者シーカ』に転職ジョブチェンジして骸骨魔法士スケルトンソーサラの密集地帯に行き、其処そこで『ハンズ作戦』を実行する事にした。


 『ハンズ作戦』とはメリーが大盾聖者シールドセイジ転職ジョブチェンジして、無敵の防御範囲ぼうぎょエリア神の領域(ハンズオブゴッド)を発動する作戦であり、神の領域(ハンズオブゴッド)はスタミナを一瞬に消費するため、エリーの僧侶プリーストとしてのバックアップ、エナジースポットが絶対に必要であった。


 の作戦は四人が其々(それぞれ)の役割を自覚し実行しなければ成功しない、まさしくチームプレー必須ひっすの作戦だった!


 俺達は、神殿から貰った持てるだけの『濃厚ガラエキス・上』を収納ガードに入れた。


 エリーが言うには、これだけの『濃厚ガラエキス・上』でスキルの発動に必要なスタミナの補給をしたとしても、エナジースポットを発動し続けられる時間は十五分、


 俺とマリーで、骸骨魔法士スケルトンソーサラ、二千の討伐を十分間でする!


 俺達の、万を超す友達フレンドが討伐開始して五分後に俺達は乱戦地帯を脱出する。


 その後は『白龍』様と友達フレンドが最期にディアマンドラアスを討伐して終了、


 そううシナリオだ。


 俺はジョセッペに装備や俺達の重量を軽くする、『無重の腕輪』を貸せとせまった、


 ジョセッペは神殿の秘宝を俺が知っている事に驚き、


 俺は駄目元でも言ってみるもんだなぁ、と思いながら、ジョセッペから『無重の腕輪』を四つ借りた。




 ラストニア大陸は黒灰こくかい雪雲せつうんおおわれ、雪は絶えず降り続け、酷寒こくかんの風は北から南に吹き荒れていた。


 軽量鎧と『無重の腕輪』で軽くなった俺達は、『探求者シーカ』に転職ジョブチェンジして空を飛ぶ骸骨女鳥スケルトンハービにロープを投げ掛け、ロープは俺達を高速に引き戻し、


 その瞬間、俺達は大空に飛び立った!


 エリーが付与転送ふよてんそうする、耐久力上昇ソリッドライザーの赤い輝きと生命回復ヒールオーラの緑の輝きに包まれたマリーとメリーは、先行して俺とエリーを誘導していた。


 俺はたくみなロープさばきで、エリーを背負っても軽く彼女達に追い付く事が出来た。


 俺って、もしかして『探求者シーカ』が本職だったんじゃねぇの!


 って言うぐらいうまくロープをあやつる事が出来た!!


 何故なぜだ?




 神殿を飛び立った俺達は、巨大な骸骨巨人スケルトンサイプロクスの棍棒をわし、骸骨竜スケルトンドラゴンの頭上を抜け、


 骸骨剣士スケルトンソルジャー骸骨戦士スケルトンウォーリアに埋め尽くされた、ラストニア平原の空を飛ぶ。


 バリバリバリバリンンンン!!!


 俺達の後方で三枚目の神殿結界が破壊される音が平原中に響き渡り、


 俺達に残された時間が刻々(こくこく)と消えて行く事を知る。


 神殿の全ての結界が破壊されたら、『白龍』様は破壊されて世界は終わる(ゲームオーバー)


 ジ・エンドだ。


 俺達は骸骨軍団スケルトンアーミーの後方、骸骨魔法士スケルトンソーサラのいる場所、ディアマンドラアスが君臨している方向に向かった!


 平原の中央に浮かぶのは、身長は20メータを越える巨大な骸骨司祭ワイト


大骸骨霊法皇だいがいこつれいほうおうディアマンドラアス』


 その500メータ手前で密集している骸骨魔法士スケルトンソーサラ、10万!


 俺の推測は正しかった、骸骨軍団スケルトンアーミーを攻撃しないで近付いて行く俺達に、骸骨魔法士スケルトンソーサラも、ディアマンドラアスも俺達を攻撃しようとはしなかった。


 そして、メリーが骸骨女鳥スケルトンハービに絡まっているロープをほどき、骸骨魔法士スケルトンソーサラの中央に向かって落下し始めた直後、


 俺は彼女を大盾聖者シールドセイジ転職ジョブチェンジさせた!


 その後を、魔法士ソーサラ転職ジョブチェンジした俺とマリーが続き、


 最期に俺の背より飛び降りた、僧侶プリーストのメリーが続く!


 ドガッ!!


 メリーは収納ガードから大盾『エンゲイジメント』を左手に、ロッド『ドゥームスブロウ』を右手に持ってラストニアの大地に着地した!


 ドサッ!スタッ!


 俺とマリーは、大杖『グレイスオブアポロ』を持って着地し、ぐにメテオフォールの詠唱えいしょうを開始し、


 ストン!


 エリーは、杖『ハートオブダークネス』を持って着地した!


 俺達が詠唱えいしょうを開始した時、ディアマンドラアスの眼窩がんかが赤黒く輝き、ゆっくりと右手を上げ始めた瞬間、


 メリーが大声で、『神の領域(ハンズオブゴッド)』と叫んだ瞬間、


 ドガガガガガガガガガガガガガ!!


 天空より千を超す黒紫こくし豪雷ごうらいが俺達にそそぐ!!!


 れでも俺達は詠唱えいしょうを続け、


「がぁっ!」


 メリーのスタミナが瞬時に無くなり疲労で苦しむメリーがあえぐ!


 その直後、エリーのエナジースポットの詠唱えいしょうが終わり、エリーが両手を下から上に広げた瞬間、


「ええええいっ!!」


 メリーの気合いと共に、メリーのスタミナが回復し、


 俺達のメテオフォールの詠唱えいしょうが終わる。


 黒灰こくかい雪雲せつうんを切り裂き、天より業火の隕石メテオが落下する!!


 ズダーン!ズダーン!ズダーン!


 その数は、マリーが七、俺が五、合計十二個、


 俺の目の前には討伐した骸骨魔法士スケルトンソーサラの数が浮かび上がりその数は、五十二!!


 詠唱時間が二十秒、討伐の限界時間が十分、となるとメテオフォールを落とせる回数は後三十回、一回に六十七体の骸骨魔法士スケルトンソーサラを討伐しなければ、二千に届かない、


 のままでは駄目だ!と俺が思った時、


 マリーが叫ぶ!!


「行けます!!」


 えっ!


 マリーが俺より高速に、より正確に、魔旋律マジックスペル詠唱えいしょうを始めた!!


 マリー!お前え!!もしかして適正ジョブってソーサラじゃないのか?


 俺の詠唱えいしょうが後三分の一残っているのに、


 マリーは詠唱えいしょうが完了して、


 ズダーン!ズダーン!ズダーン!ズダーン!


 十の隕石メテオが大地に落下して、四十を超えた骸骨魔法士スケルトンソーサラ一編いっぺんに吹き飛んだ!!


「まだ行けます!!!」


 えええっ!まだ威力いりょくが上がるの!!俺の立場やばくねぇ!!!


 慌てて、俺も詠唱えいしょうを早くしようとしたが、早さも威力も変わらず、


 結局、隕石メテオの一回の落下数はマリーが十五、俺が五、合計二十個になり、一回の骸骨魔法士スケルトンソーサラの討伐数は百を越え、表示される数が合計千九百を超えた時、


 バリバリバリバリンンンン!!!


 俺達の後方で四枚目の神殿結界が破壊される音が平原中に響き渡り、


「あと、一回!!!」と俺は大声で叫んだ!!


 その時、魔旋律マジックスペル詠唱えいしょうが急に楽になり、


 俺はエリーを見ると、エリーは蒼白の顔で此方こちらを見て微笑んでいた。


 クイックチャージ!


 此処ここで差し込んで来たのかよ!エリー!!


 詠唱えいしょうが楽になった俺達は、一気にメテオフォールの詠唱えいしょうを終らせ、


 天空より最期の隕石メテオが落下した!


 すでに地上は、俺達が神の領域(ハンズオブゴッド)で守られている場所以外は、隕石メテオの業火と破壊により焼き付くされていた。


 隕石メテオは、確実に骸骨魔法士スケルトンソーサラを狙って落下し、


 ズダーン!ズダーン!ズダーン!ズダーン!


 大地が最期の赤き発光を迎えた時、


 業火が大地をおおくした時、


 豪煙が天を白く染めた時!!!


 俺の視界にバーナーがポップアップして、


 きたぁああああああああああ!!!


 その表示された内容は、


『緊急討伐要請 ディアマンドラアスを討伐せよ!』


 やったああああああああ!!!


 これで俺達は助かる!!!


 大地は光で埋め尽くされ、万を超す友達フレンドが来る!


 来る!!


 えっ?


 来るよなあ、


 万って?


 こんなにショボかったか?


 平原にぽつぽつと光が発光して、


 確かに俺の友達フレンドがやって来てるけど、


 その数ショボくねぇ?一万もねえぞ!


 五千も割っている!


 ええええええええええええ!!!


 D&DON(ダアドオン)ってそんなにユーザ数減ったの!!!


 やばくねぇ!!!


 もう、オワコンなの!!!


 タイムカウンタが動き始め、残り時間が40を表示した!


 えっ!あの人数で40分!!


 無理じゃねえの!


 百万対五千以下! 幾ら友達フレンドが強いからって、ディアマンドラアスのところまで辿たどり着いて終わりだよ!!


 マリーが心配そうに、「御主人様!随分ずいぶん少なくないですか?」


 俺はマリー達を安心させる為に、「大丈夫だ、問題無い、フレンドは絶体来る!」


 って言っちまったよ!内心は悪い事ばかり考えてる!!どうするんだよ!俺!


 ディアマンドラアスは平原全体に大豪雷魔法を休み無く打ち続け、


 その豪雷に多くのフレンドが吹き飛ばされ!!


 彼等は死ぬことは無かったが、直撃の硬直で骸骨剣士スケルトンソルジャー骸骨戦士スケルトンウォーリアの攻撃に合い、連携は分断され、


 ディアマンドラアスに近付く事が出来なかった!


 ヤバイ!


 奴は明らかに時間終了タイムアッブを狙っている!!


 世界ゲーム法則ルールは、時間終了タイムアッブ我等ユーザの負けだ!!


 バリバリバリバリンンンン!!!


 俺達の後方で五枚目の神殿結界が破壊される音が平原中に響き渡り、


「マリー!俺達もる!ねらうはディアマンドラアス!!!」


「はい!」


 俺はメリーとエリーに向かって、「メリー、エリー!撤退はしない!フレンドを援護する協力してくれ!!」


 メリーは大盾とロッドを握り締めながら、「分かったレイ!」と大声で叫び!


 エナジースポットを詠唱し続けるエリーは蒼白の顔の額に汗をたらしながら、うなずく!


 そして、再び天が炸裂して二十を超す隕石メテオが地上に向かって落下する!!


 ズドォオオン!ズドォオオン!ズドォオオン!


 その破壊力は更に凄さを増し大豪雷魔法を詠唱中のディアマンドラアスに直撃し!!


 バァガアアン!バァガアアン!バァガアアン!


 ディアマンドラアスの骸骨スケルトンの頭蓋骨や体の骨々(ほねぼね)を破壊する!!


「やった!」


 やつくだけた瞬間!


 奴のライフゲージが減るのを見た瞬間!


 いける!


 奴を倒せる!!


 俺は勝利を確信した!!!


 しかし、


 その瞬間、時間が逆再生するがごとく、やつの飛び散った骨々(ほねぼね)が集まり、


 奴のライフゲージが元に戻り!


 やつボディライフその全てが元に戻った!!


「えええっ!」


 やつは不死身かぁ!!


 バリバリバリバリンンンン!!!


 俺達の後方で六枚目の神殿結界が破壊される音が平原中に響き渡り、


 復元したディアマンドラアスは、自身に硬化の魔法を掛け、再び大豪雷魔法を高速に詠唱し始めた!


 何故だ!!


 の世界でやつは無敵なのか!!


 俺達は続けてメテオフォールを三度、やつに放ったが硬化したディアマンドラアスの骨にはヒビを入れる事すら出来なかった。


 俺達の中で、絶望感が沸き起こる寸前、


 一人のフレンドが、錬金術師アルケミストのスキル、トランポリン(レクス・カタパルタ)此方こちらに向かって来る、


 錬金トランポリン(レクス・カタパルタ)、乗った者を高所へ跳ね上げる効果を持つ黄金円の錬成式を、地面または空中に配置する、錬金術師の長距離移動スキル


 一体、誰だ?


 上手く骸骨軍団スケルトンアーミーけながら、地上に黄金のトランポリンを展開し、更に空中で移動用のトランポリンを展開して此方こっちに高速に向かって来る!


 何のために?


 ドスッ!


 方膝かたひざを着いて着地したその男の姿は、


 白髪の坊主頭に鎧を嫌い黒いインナーをこよなく愛する男!


 その男はゆっくりと顔を此方こっちに向ける、


 その顔はシワとキズが渋みをより際立たせ、その表情は四十代より老けて見える演出をする事にこだわった、


 我がメル友!


「オセロ!!!」


 かって、趣味が同じ事から気が合い、ネットの中でお互い多くの時間を過ごしてきた、我が友達フレンドのアバタ!


 もう、向こうの名前はうろ覚えだ、確かHだったような、


「どうして、此処ここに!!」


 オセロは人形のように無表情で、その唇から発する言葉はやはり、昔の8ビットコンピュータの電子音声のような片言、


『レイ・・・聞け・・・今は・・・パソコンユーザだけ・・・ゲーム機ユーザが・・・来れない・・・回線かいせん・・・つながらない・・・』


 えっ!!!


 回線かいせんつながらない!!!


 回線かいせん


 せん!!


 ケーブル!!!


 俺はディアマンドラアスを見た!


 確かにやつ虚空こくうより引き出した二本のケーブルをまだ握り続けている!


 俺にはハッキリと見える!!


 右手に白いケーブル!


 左手に黒いケーブル!


 そうか!


 そうう事だったのか!!


 あのケーブルは!!


 世界ワールド繋ぐ回線(オンライン)!!!


 やつ世界ゲームの弱点が回線ラインにある事を知っていた!!!


 俺達は最初から我がフレンドを頼る事は不可能だった!


 では、ディアマンドラアスの討伐は誰がするんだ!!


 誰が!


 その時、俺は知った。


 のディアマンドラアスの討伐とうばつは、


 俺達の依頼クエストである事を!!


 ディアマンドラアスを俺達自身の手でらなければならない事を!!!


 バリバリバリバリンンンン!!!


 俺達の後方で七枚目の神殿結界が破壊される音が平原中に響き渡った、残り三枚!


 雪が降り続け、寒風が吹き荒れるラストニアの大平原を絶望感が包み!


 世界が終わる!!


 俺達はそう思った瞬間だった!!!


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