俺、涙する
メリーの誘拐された、美人でスタイルばっぐんな二人の姉を救う為に俺達は『魔青島』の『侵食魔の巣窟』の深遠に向かった、
其処は悪の帝王!ドイロが君臨する病気持ちゴブリンの帝国だった!
「嫌、違うから、帝国なんて作って無いから!」
ドイロは否定する、
更に、事態は最悪な状況に為った!俺達にも遂に病気が発症してしまったのだ!
マリーさんとメリーさんにキノコが生え!
ちょっと色っぽい!
俺にも沢山のキノコが生え、見た目気持ち悪い!
何だ!この差は!!
俺は叫ぶ!!
まだ死ねない!
其は例えるなら、『秘宝館』に群がるおやじ!後ろのおやじが前が邪魔で見れなかったら彼は叫ぶ筈だ!
「俺はまだ見て無いんだ!!!」
「困ります、お客様、バスの時間が!出発の時間が!」、バスガイドは無情だ!
ドイロが言う!「君、一体何の話しているんだい?」
まぁ、昔話です。
俺は最後の力を振り絞って、ファイターのスキル!『一閃突き』を放った!
『一閃突き』、其はスキルの力で敵目掛けて猛ダッシュしつつ鋭い突き攻撃を放つファイターの初級技であり、俺の必殺技!
俺はこの技で邪魔な病気持ちゴブリンを蹴散らし、少しでも近くで見ようと、違う!彼女達を助けようと!
ドパァアアアアアアンンンン!!!
あっ!ツチノコの頭潰しちゃったよ!
「ミイちゃああああああん」
ドイロの悲鳴が洞窟に木霊し、
「皆な!敵討ちだ、あいつらを殺せ!」
半狂乱のドイロが叫ぶ!
マリーとメリーに1000匹の病気持ちゴブリンが、俺にも1000匹の病気持ちゴブリンが群がり、最早団子状態、
病気の発症で体を動かす事が出来ず、俺達の生命力のバーはぐんぐんと削られて、遂に殆ど無くなり、残りはレッドゾーンであとわずか!
俺達は死を覚悟した時!
ガキィィィィィィィィィィンンン!!!
洞窟に響き渡るシステム音!!!
『対価承認!』
『エリアミッション開始』
『【納品討伐クエスト】』
『【驚愕駄目男】ヘタレな友を救え!』
ええええええええええええ!何ですかそのタイトル!酷くないですか白龍様!
『【納品】侵食治療薬』
『【討伐】侵食ゴブリン』
『リミット 60分』
死にそうな俺でも此のタイトルにはショックだった、しかしゴブリンに囲まれ、キノコが身体中に生えて回りが見えない俺でも、
聴こえる!
タッタッタッタッタッ!!!
多くの走って来る足音が!
タッタッタッタッタッタッ!!!
そうだ、彼等は何時も全力で走っている!
タッタッタッタッタッタッタッタッ!!!
彼等は真剣にゲームの中の世界を生きている!
タッタッタッタッタッタッタッタッ!!!
そうだ彼等は、我が友!我がフレンド!
タッタッタッタッタッタッタッタッ!!!
彼等が来る足音が聴こえる!
タッタッタッタッタッタッタッタッ!!!
そして、
ズバアアア!バシュウウン!ドシュウウンン!
群がる侵食ゴブリンを片っ端から殲滅して、
俺達の近くに来ると、俺達にその手に持つ『侵食治療薬』を掛けては走り去る!
我が友!D&DONユーザ!
ドイロが発狂する!「何だ!何だ!何だ!何が起こったんだ!な!何!何者!何者なんだ!」
ドイロが狂乱する!「何処から!何処から!こんな人数が来るんだあぁぁぁぁぁぁ!!!」
俺の古里からさ、
10人が、100人に、100人が1000人に、
2000匹の侵食ゴブリンは瞬殺で消し墨となり、
後から来たユーザはする事が無く、
病気が直った俺達を見つけて、マリーさんとメリーさんには『侵食治療薬』を手渡し、
俺には、討伐が出来ない事に怒って『侵食治療薬』を投げつけてきた!!
ガキィ、バカン、ダカン、ボコン、
止めて!投げないで!痛いから!痛いの!
バコーン、
瓶が俺の顔面に直撃し、俺は涙目!
そんなこんなで、1時間が経ち、彼等は来なくなった。
メリーさんの姉さん達にはマリーさんとメリーさんが直ぐに彼女達の予備のインナーを着せて、俺の夢は終った。
お姉さん達はツチノコの体内の睡眠作用で眠っているだけだった。
俺達の前には腰を抜かしたドイロがいる、
俺達は指を鳴らしながら、
ドイロが後差ズリしながら、
「僕は!僕は!僕は!稼ぎが小さいだけなんだ!」と絶叫し、
ドイロ!違うぞ!稼ぎは少ないだ、と俺!
・・・・彼の手記で、今、公表できるのはここまで、この後の彼はD&DONと似たその世界で、マリーさん、メリーさんとうまくやっているようであり、彼の冒険はまだまだ続く、
私から、捕捉することは、『魔青島討伐バグ事件』のことだろう。
当時、D&DONは11周年のイベントで盛り上がっていた。
その時、私も1ユーザとしてゲーム内で此のイベントを楽しんでいた、
ゲームを始めて1時間位それは起こった。
「カキーン」とシステム音が鳴り、
バーナーがポップアップした、
『エリアミッション開始』
『【納品討伐クエスト】』
『【驚愕駄目男】ヘタレな友を救え!』
えっ!運営がイベントに用意した隠しイベント?
私は、システムのメニュー、エリアニュースから該当するクエストを捜した、
『魔蒼島』のエリアクエストにそのクエストがあった、
『納品、討伐クエスト』、場所は『侵食魔の巣窟』の深奥、
『【納品】侵食治療薬』
『【討伐】侵食ゴブリン』
『リミット 60分』
私は、タイトルが気になり、何故かY氏の顔が浮かんだ、
推奨レベルは60、当時の私はカンストしていたので直ぐに其処に向かった、
この時点では、まだ、誰しもが運営の隠しイベントだと思っていた。
其処に到着した私は愕然とした、
其処には血だらけのY氏がいた、
一体何があったY氏!
先行組が『侵食ゴブリン』を狩り尽くし、後発組は何もする事が無くチャットはモンスターを充分に用意しなかった運営に、不満が続出した。
仕方なく美人の二人の『ナイト』さんに『侵食治療薬』を渡して戻るユーザと、面白がってY氏に『侵食治療薬』をぶつけるユーザに別れ、
私も試しに『侵食治療薬』をY氏に投げたら見事顔面にヒット、
御免なさい、Y氏
もちろん、報酬は何もなく、
この事件に対して、運営は、知らないの一点張りで、一部のユーザと揉めたが、
結局、ネットの大多数の意見は、運営が、密かに用意していたクエストがバグって、勝手に始まった。
そう言うことで終わった。
そして、彼のメールに添付されていたイベントコードを入力すると、ゲームの中の私の部屋のテーブルに小さな宝石が設置され、其は今も輝いている。
最後にメールに一緒に書かれていたメリーさんの感謝の言葉を照会しよう、
私達を助けて頂き有難うごさいます。
私は御主人様から後で皆様方の事を聞きました、皆様方のような素晴らしい方達をお友達に持つ御主人様を私はある意味で感動し、胸のトキメキが止まりません、
この人に付いて行きたい、もっとこの人の事が知りたい、胸は高鳴り気持ちは高ぶります、この人とならきっと素敵な時間がおくれるでしょう、
今、御主人様の部屋で、私の前には御主人様が座っています。
「ええ、メリーさんまだ俺の『ビショップ』続けるの?」
私は火照った顔で、「マリーさんと話が合うし、べ、べ、別に貴方の事す、す、好きになったんじゃ無いから!」
彼は頭を掻きながら、
「何だその、ツンデレ会話」
ツンデレ?その意味、私には分かりませんが、私には1つ分かった事が有ります。
其は、
私の、
私の『冒険者と恋に落ちて』が、
今、始まった事を、