俺、魔青島に行く
俺達は白龍神殿の白龍像の前に立っていた、
メリーさんは、「凄いなぁ、流石私の御主人様だ、白龍様と会話出来るなんて本当に凄い、」
メリーさん俺の呼び方、何時の間に御主人様になってるし、
マリーさんは、「さぁ、さぁ、早く白龍様に魔素を捧げて下さいよ、御主人様!」と俺を急かす。
「ええ、マリーさん、本当にするのやっと貯まったキメラの魔素だよ、勿体なくない、」
マリーさんはジト目で、「何言ってるんですか、メリーさんが討伐した護衛錬金人形の魔素もあるじゃないですか。」
しっかりバレてる、黙ってレベルアップに使おうと思ってたのに、
俺は、マリーさんに急かされ、カードを白龍様の像にかざした。
カードは光り、カードに蓄えられたキメラや護衛錬金人形の魔素が像の中に消えた。
『対価承認・・・回答』
やっばり、この一世代古いコンピューターのような対応は変わらないなぁ、
俺は考えた、メリーさんの姉妹は何処にいるの?
『フランシスカ ゴールドウェイ・・・パティスチェ ゴールドウェイ・・・回答・・・魔青島』
魔青島か、確か新大陸フェルダームとラストニアの中間地点にある小さな島だ、俺のレベルでは無理だがパーティーレベルなら何とかなる場所だ、
俺は思った、もっと詳しく、
『・・・回答・・・侵食魔の巣窟』
もっと詳しく、
『・・・回答・・・奥底』
その奥底に何か入るの?
『・・・回答・・・蛇・・・二体・・・他』
蛇?蛇の魔物?D&DONで蛇と言えばメドゥーサ、確かメドゥーサはもとは人間の女性で、呪われて頭に蛇を生やした化物になった設定、ゲームでの最低レベルは70だったはずだ、
ヤバイなあぁ、
ゴールドウェイの姉妹が蛇なの?
『・・・肯定・・・否定・・・』
やっばり禅問答だよ、分からん!つまり体は蛇だが心は人間?
俺達、全員が助かる方法は、
『・・・全員?・・・?』
そうマリーさん、メリーさん、俺達全員、
『・・・回答・・・蛇二体・・・魔素』
えっ、俺達にメリーさんの姉妹を殺せって事、
うーん、レベル70が二体難しいよねぇ、
誰かに討伐手伝って貰えないかなぁ、
それは、やっばり俺だけの数字?
『・・・肯定・・ビショップ可・・・』
うわぁ、無理だよねぇ、
『・・・終了・・・』
俺は此の事をメリーさんに話した、
彼女は蒼白な顔で、「姉達が呪われて、メドゥーサに!」
俺は静かに、「もう此の事件は俺達の手には負えない、後は神殿騎士団に任せよう、メリー、」
メリーはうつ向きながら、「愛してる、愛してるからこそ、自らの手を汚す事に価値が有るんだ!」、彼女は涙しながら俺に言った、
ええっ!何そのカッコいいセリフ!
「第3巻、第5章、『エドガーの決断』ですね、魔物になった幼馴染みクロウディアをエドガーが自らの手で討つ決断をした時のセリフ、」
ええええ!まだ『冒恋』なの!
「マリー!」、メリーはマリーを見て、二人はガシッと手を握り、
「行きましょう!メリー!『魔青島』に!全ての決着を付ける為に!」
ええええええええええ!マリーさん!俺言ったよね!言ったよね!行かないって!言ったよね!
マリーさんは誇らしげに、「大丈夫!御主人様にはアレが有るんじゃないですか。」
「アレ?」
マリーさんは片目を瞑って人指し指を立てて、
「と・っ・く・ん」
「特訓?」
ええええええええええええええ!またあれやんの!!!
俺達はメリーさんの黄金のカードで『魔青島』の再帰の浜辺にある『拠点の礎』に転移していた。
再帰の浜辺から見える海はラストニアのブリダ海岸より透明度も高くより美しかった。
マリーとメリーは波打ち際で、
「マリー、その上下色違いのビキニは去年のラストニアの流行だけど、マリーはスタイルが良いからとっても似合っていい感じだねぇ」、とメリーさんがマリーさんを褒めれば、
「メリーも、そのタンキニはキャミソール形状でお洒落ね、ボトムと分かれているセパレートの水着、今年のモデルでしょ、とっても可愛いし似合ってるわよ。」、マリーさんがメリーさんを褒め、
その横で俺は海パン一丁で十回目のゲロッピをしていた、
ウォエエエエエエエエエエエエエ!!!
「うわっ、汚ない!」と避けるメリーさん、
「御主人様、無理しないで『ガラナエキス』を飲まれたほうが、」と俺を心配してくれるマリーさん、
「嫌、駄目だ!今の俺がガラナを飲めば、俺は、」
マリーさんは嬉しそうに、「俺は?」と俺の言葉を繰り返し、
マリーさん勘弁して下さい、メリーさんの手前、男はオオカミなのよ、気を付けなさいなんて言えないでしょ、
あれから俺達は直ぐに『冒険者組合』に行って、メドゥーサの弱点を調べた、メドゥーサの弱点は氷属性である事が分かり、俺はソーサラーにジョブチェンジして、氷魔法の最大奥義、『ブリザードアロー』の練習をする事にした、
『ブリザードアロー』、詠唱で魔力を溜め、氷の槍を発現させ前方に放つ大業だ、俺とマリーさんだけではソーサラーの場合、詠唱時間が長い大業は直ぐに潰されるので、今迄全く使って無かった。
今回は敵の注目を集めるタンクの役割をする、錬金術師のメリーさんがいる、
再び、破壊力のある大業『ブリザードアロー』を短時間で発動させるため、俺達が『魔青島』の再帰の浜辺に来たのが昼過ぎ、
そして現在は夕方、日は水平線の海に沈もうとしていた。
新大陸フェルダームからラストニアの方向に吹くちょっとカビ臭い風も、今の俺には心地よかった。
『ブリザードアロー』を討つ事数百発!俺は何度もスキル酔いに苦しみ、マリーさんの『奮わせ魔矢』の効果が追い付かないほど集中して『ブリザードアロー』を打ち続けた、
確かにこんな機会でも無ければソーサラーの大業を練習する事は無い、だから俺はゲロッピしながらも真剣に練習した。
最初は1メータ位の氷の柱の槍も、軈て5メータになり、真夜中には10メータになった、詠唱時間も最初は10分だったが3分迄縮まった。
俺達は此処で訓練を終了し、『魔青島』にある『調査隊駐屯地』に引き上げた、
『調査隊駐屯地』は島の中央の洞窟を利用して作られている、勿論洞窟の前には『龍の礎』がある。
洞窟の中はゲームと違って広く、天井高は6メータはあり、百人近い人達が働いていた、錬金術師達が作った空調、給排水、照明等の設備が稼働していて中は結構快適だった。
また、島を訪れる冒険者の為に『冒険者組合魔青島出張所』があり、組合は冒険者用の宿泊施設を運営していた。
貸部屋は殆ど先に島に来ている冒険者が借りていて大きい部屋は空きは無かったが何とか小さい6畳位の部屋を一部屋借りる事が出来た。
部屋には小さなデスクと、シングルベットに予備の簡易ベット、後は水回りが一ヶ所、手洗い、トイレ、シャワーが用意されていた、
シャワーを浴びた後、俺達は洞窟の中央にある酒場で食事をした、マリーさんとメリーさんは『グリルドマッシュルーム』を注文して、俺は疲れていたのと、かなり吐いたので腹の中には何も無かった為、精力が付く『覚醒ステーキ』をガッツリと食べた、
でっ精力が付き過ぎて、シングルベットで俺とマリーさんはお互いぴったりくついて寝たため目が冴えて、更に悶々して俺はマリーさんにアタック、マリーさんは嬉しそうに「あっ!」と言ってイザ18禁に為ろうとした寸前、
暗闇に燦然と輝く大きなドングリ眼が二つ、
「気にしないで続けてくれ、後学の為にも錬金術師として、此れは是非とも観察する必要がある重要事項だと私は考えている!」
と俺達の隣の簡易ベットに寝ているメリーさんは俺に言い、その言葉で
・・・・・・・・・・俺は萎えた。
マリーさんは・・・・・・・その状態の俺に、
「ヘタレ、」と一言
・・・・・・・・・・言って、
夜も更けた。