表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
機械仕掛けの情報屋 〜異世界の大好きなお師匠様〜  作者: ビオラン
真実の追求

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
59/59

知らせの手紙

 私は知らせの手紙が来ててすぐに、貴族街に向かいました。


 アトリア貴族店につくと、間髪入れずに呼び出しのベルを鳴らします。

 すると、サイモンがいつものような丁寧な所作で、ドアの前にやってきました。


「およびですかな? フィリー先生。なんだか今日は慌てているご様子ですが」

「ええ。どうやら私の知人が、この城に幽閉されているようで。面会をしたいのです」

「おや、それはそれは。ただ、フィリー先生とはいえ、すぐに合わせることは難しいかと。一体どなたのことです?」


 私は一瞬、いうのを躊躇しましたが、ここで引いてしまうと今後会えないような気がして、勇気を出して言いました。


「レイバーという青年です。貴族街では商人として出入りをしていたようなのですが……」

 すると、サイモンは「むふ。」と顎を触ったのも束の間、すぐに思い出したのか「ああ!」と声をあげました。


「あの青年ですね。昨日城に潜入して、私を襲った者です」

「……サイモン様を?!」


 私は、聞き間違えたのかと一瞬思いました。ただ、サイモンが間違えるはずがありません。


「そ、それは本当なのですか!?」

「おや、あなたは聞いていなかったのですね。まあ、無理もないです。緘口令を強いていたので。ただ、通知があったということは誰かが流したのでしょうか……」

 とまで聞いて、サイモンは私が握っていた手紙を一瞥しました。そして、すぐに何かを察したのか、大きなため息をつきました。


「ああ、領主様ですか。緘口令を出した本人が情報を流してどうします。」


 そう、私の手には領主の印が押された手紙……「君と面識のあるレイバーが城を襲撃し、拘束された」との知らせが握られていました。



 そう。朝起きた時に、見知らぬ衛兵の一人が家に訪ねてきました。それも、急ぎの連絡だということだけ伝えて、私に手紙を渡すと詳しいことを何も説明せず、早々と去っていきました。


 不審に思いましたが、手紙のシールリングの形を見て、私はこれが領主様からのものであるとすぐに察しました。なぜ領主様から手紙がきたのか疑問に思いはしましたが、緊張しつつ手紙を開封した後は、そんなことを考える余裕がなく……気が付くと一心不乱に城に向かっていました。


「拝見してもよいですか?」


 サイモンは私の持っている手紙を、受け取ると丁寧に広げて手紙を確認しました。


「ふむ、領主様の字ですね。領主様が宰相の私を経由せず、あなたにこっそりと手紙を送るなんて。それも、事件の翌日になんて。どうやら、あなたはその彼……レイバーとやらにとって、領主様にとって伝えるべき存在だということですね」


「あの、レイバーに会いたいのです。会わせてください」


 すると、サイモンは少し困った顔をしました。


「会いたいと言われましても……さすがのあなたでも、襲撃してきた犯人にすぐ合わせるわけにはいきません。それに、面識があったとなるとなおさらです。」


 サイモンは渋りました。でも、私はここで食い下がるわけにはいかない気がします。

「では、この手紙を送ってこられた、領主様にお会いできませんか? 領主様がこの手紙を送ってこられたのなら、きっと何か意図があると思うんです」


 すると、サイモンは少し首をかしげて難しそうな顔をしましたが、私の切羽詰まった様子を一瞥すると、「仕方ないですね。確かになぜ領主様がこの手紙をあなたに渡したのかは気になるところです。」

 と言いました。

「では……!」

「ええ。少しお待ちください。領主様に話を通してきます」


 そういうと、部屋を急ぎ足で去っていきました。


 ◇◇◇


 数刻の後、ノックの音が聞こえます。

「許可が出ました」とのサイモンの声が続けて聞こえました。


 私はサイモンについて、城の中を歩きます。

 前回はこのまま庭園まで出たのを覚えています。今回もそちらに向かうのかと思っていたら、サイモンは急にくるりと向きを変えました。


 向かう先は……以前、領主の居住空間だと紹介された建物でした。


「あの……こちらは確か領主様の……」


 私は渡り廊下を歩きながら、周りを見渡します。こんなところに来ていいのでしょうか。

 すると、サイモンは全く気にする様子もなく「ああ、領主様の居住棟ですね」と言いました。


 以前、私ならば入る機会もあるだろうと話は伺っていましたが、まさかこんなに早くることになるとは思っていませんでした。


 サイモンについて歩き続けると、大きな扉の前に着きました。

 サイモンがノックをします。すると中から「入れ」との声が聞こえました。


 この声を私は聞いたことがあります。

 ーー領主様です。


 私はさっと服を整えると、中に入りました。


「ああ、やはり来たか」


 部屋の中央には大きなテーブルがあり、その脇にソファがあります。その一角に、領主が腰かけていました。印象的である艶やかな黒髪と、銀色の瞳。間違いありません。


「こちらに座りたまえ」

 領主は私を手招きします。

 私は「ごきげんよう」とお辞儀をすると、静かにその席に座りました。


 領主は私が座るのを見届けると、手を挙げて「人払いを」と言いました。

 サッと、使用人と思われる人々が部屋から出ていきます。


 部屋には領主と私とサイモンのみとなったところで領主が話を切り出しました。

投稿日設定を間違えました。失礼しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ