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機械仕掛けの情報屋 〜異世界の大好きなお師匠様〜  作者: ビオラン
お師匠さまの情報を探しに

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領地境界での再会


「どうしました?」


すると、アレンはそっと私に耳打ちしてきました。

「それが……俺達の方は良い悪いはさておき、変わりはないのですが……」


アレンがささやくと、私とアレンの間にスッと手が入ります。


「あまり近づくな。境界線をこの辺りに引いたので、ここから出るんじゃない」


境界警備隊の兵士の一人の手だったようです。その兵士が下を指差しているので、見下ろすと、地面に薄っすらと線が引いてありました。なるほど、これを越えるなということですね。


「今お前たちが密会できているのは上が黙認してくださっているお陰だ。だが、その分自由にとはいかないので、制限はさせてもらう」


兵士はそう言い放ちました。

言い分は分かります。立ち話程度だとしても、何があるか分かりませんものね。

まぁ、黙認してもらっているのですから、ルールは守っておきましょう。



ところで、先ほど何か気になることを聞いたような気がします。


「こっそり話すのはよろしくないようですので、堂々とお聞きしますが……何かあったのでしょうか?」


すると、アレンが気まずそうに私の背後に目線を送りました。


「どうやら彼らに問題があるらしくて……」


目線の先にいたのは、おなじみ隊長のドミニクの姿がありました。少し離れた所で、隣領の様子を見ていたようです。


「……彼、ドミニク隊長ですか?」


私がこっそり指をさすとアレン達は大きく頷きました。


「彼になにかあったのですか?」


すると、アレンは境界警備隊の一人がドミニク隊長の所に向かい私達から離れたのを確認すると、疑われないよう声は出しているものの、少しトーンを落として話を続けました。


「実は、ドミニク隊長と話が嚙み合わないんです」

「話が噛み合わない?」

「前回お会いした時に、俺達が捕まったことや、あなた方と合う約束をしていた件については覚えているみたいですが……俺達が話した内容はとんと覚えてないようでして」

「覚えていない?」

「はい、それも肝心な部分が」


ーーん?なんだかこの話の流れは既視感がありますね……


私は思わず話を遮ってしまいます。

「もしかして、『竜』のことだけ覚えていないとか?」


すると、アレン達は何故分かったのかと言わんばかりに「はい、そうなんです」と大きく頷きました。


ーーやはりですか


レイバーと目が合いましたが、レイバーも何か悟ったような顔をしていました。


「「やっぱり」」


二人とも声が揃います。私とレイバーが大きくため息をつくと、アレン達は頭にはてなを浮かべたような顔で首を傾けました。


「やっぱりとは?」

「実は、私が前に直接話した時も竜の話が通じなかったのです」

「前に? では、あなた達も同じようなことが?!」

「ええ。私達が話した時は竜の話だけ覚えていなかったようでして。少し不思議に思っていたのです」


「なんだって。今回俺達も竜の話だけ通じていなくて、俺達が馬鹿な話をしているかのような感覚になってたんだ。でも、あなた達が覚えていたってことは、竜の話は確かにしたってことだ」

「はい。竜の話は確かにしましたので、これで証明できます」

「では、おかしいな。やっぱり隊長が忘れているだけなんだろうか」


すると、私がチラチラと見ていたので視線を感じたのでしょうか。ドミニク隊長が私に気が付くと、足早にこちらに向かってきました。先ほどの別の兵は、ドミニク隊長がいた所で見張りの交代をしたようです。


「フィリー殿、でしたっけ。ご無沙汰しております。先日は急な不調で抜け出してしまって失礼しました。」


ドミニク隊長はいつものように礼儀正しく敬礼をしてきました。


「こんにちは、ドミニク様。お身体が大事ですから、わたくしたちは問題ありませんわ。どうぞご自愛くださいませ。その後体調は大丈夫でしょうか?」


「ええ。おかげ様で。たまに頭痛はするのですが、医者に見せた所問題は無いようなのでひとまず安心はしています。過労ですかね……あはは」


隊長は恥ずかしそうに笑って、頭の後ろを掻いていました。


やはり見た感じ、身体は健康そうです。なんなら、私よりも丈夫でしょう。

本当に過労であればおいたわしいのですが……。


「今回は約束を守っていただけてありがとうございます。隣領の方々とお会いできて、安心しました」

「本来は許可できないんですがね。ただ、フィリー殿の行動は、領地を越えない限り自由にしてもらっていいと許可を貰っているのを思い出しましてね。だから、今回の件も恐らく大丈夫だろうと思ったのです」

「あら、そんなことになっているのですね。ありがたいお話なので、ご厚意を無駄にしないようにしないといけませんね。」


本当にありがたい話ではありますが、そこまで私が動くと先を読まれていた感じがして、邪推してしまいました。多分、領主様の仕業でしょうね。私とお師匠さまの活動を知っての上での、配慮でしょうし。


「では、私はお言葉に甘えて、隣領の方々とお話を続けたいと思います」

「はい。ただ、何を話しているのか私も聞かせていただきますね。さすがに隣領の方々との会話は監視が必要ですから」

「ええ、問題ありません」


私は隊長を話していた輪の中に引き入れました。


すると、なぜでしょうか。レイバー達はが慌てたように場所を空けました。


どうやら私が挨拶をしていた間に、こちらも何か話をしていたようです。

「何か話をしていたのですか?」

「ああ、いや。ほら、僕は元々あちらの領地の人間だから。それを話たら仲良くなってね。少し懐かしい話をしていただけさ」


そいえば、レイバーは隣領の人でした。それは話したいことも沢山あるでしょう。


「お邪魔してしまってすみません、話を続けてもらって構いませんよ。私は静かに聞いておくので」


すると、レイバーは少し困った顔をして「いや、別に大丈夫だよ」と言いました。

アレン達もなんだか落ち着かないようすではありましたが、「せっかくですし、フィリーさんが聞きたいお話をしましょう」と言い出しました。


なんだが様子が変ですね。気になります。


「私は貴方達の話がきになりますが……」と返してみましたが、少し困った反応をされてしまいました。これは、隣領同士だけの話のようですね。これ以上は深追いをしなでおくことにしました。


「そ、そう言えばだけど」

レイバーが少し話を遮るかのように話を切り出しました。

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