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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
世界のハマダ編
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サラリーマン、世界最大国に入る。

船酔いから立ち直った後の5日間の船旅は楽しかった。

毎日の様に船員が魚を釣り上げるものだから、追加オプションの魚料理には結構お金を使ってしまったけれど。


船員達にとっては当然だった様だが、初めてこの世界で生魚を食べたのだ。1年半ぶりの刺身は脂が乗ったブリの様な身が新鮮な魚特有の歯応えで、口の中で弾けた。

久々こんなものを食べて、「明日も釣れたらどうします?」と聞かれたら、首を横に振れる日本人は極小数だろう。

流石に魚料理は経費では落ちないけれども、これは業務出張なのだ。旅の間は俺とハンナさん夫妻の宿代と船代はガント商会持ちになっている。メアリの分はハンナさんが実費で払っているみたいだが、それはしょうがないだろう。

追加オプションぐらいしかお金を使う所も無いし、出張中にちょっと良いご飯を食べるぐらい、レイナさんも許してくれるはずだ。



ランポートの港に着くと、陸に上がってからも揺れている感じがした。子どもの頃にプールに行った日になったやつだ。


ガストンさんとトトさんはここから首都までの馬と馬車を確保してくると街に入って行ったが、残った俺たちは力仕事だ。

荷物の積み下ろしはセルフなので、ジテンの詰まった木箱を

ひたすら下ろすのだ。船に乗るときも腕がパンパンになるまで木箱を運んだのに、またやらなくてはならない。


うんざりした顔で木箱の山を眺めていると、ハンナさんに笑われた。

「ヤマダくんは本当に力仕事が嫌いだよねぇ。ヤマダくんの国では皆そうだったの?」

「前の世界では物を運ぶ魔道具みたいな物が発達していたので、あまり機会が無かったんですよ。そのせいだと思うんですが、この世界の人より力が無い人ばっかりでしたよ。」

「誰も魔法が使えないのにそんなものがたくさんあったって言うんだから、不思議な世界だよねぇ。」

俺にとっちゃ、エンジンや電気なんかより魔法の方がよっぽど不思議だよ。

魔道具を作る時に便利そうだからと少し教えて貰ったこともあったが、てんでダメだった。そもそも地球人の身体じゃあ無理だったりするんじゃないとすら思ってる。



荷物を下ろし終わり、ガストンさんが連れてきた馬車に荷物を積み込んだ頃には空が夕暮れに包まれていた。


宿には素泊まりということで、夕飯を食べるために1人で街をぶらついてみる事にしたのだが、石造りの家がやたら多い街並みだった。流石は鉱石祭の開催国といったところか。

いや、鉱石と石材はあまり関係ない様な気もする。


ちなみに1人で行動してみる事にしたのは、ランポートではロナウの言葉が通じるというのが大きい。歴史的には、ロナウへ移り住んだ人達がランポートの言葉を使っているというのが正しいみたいだけど。地球で言うイギリスとアメリカの英語みたいなもんだろう。


街をぶらついていた俺は焼き魚の匂いに惹かれ、結局今日の夕飯も魚料理になったのであった。

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