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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
スミナ商会勤務編
7/123

サラリーマン、初の異世界食を食べる。

スミナ商会本部から歩くこと5分、どうやら飯屋に着いたようだ。

『ここはカンバー亭、なかなか美味い鳥を出す店なんですよ。』

社長が美味い肉だってんだから、そりゃあ美味いんだろう。

値段がこええよ。


店に入ると、ウェイトレスっぽい女性が声を掛けて来る。

「キスケゲル タァグ!ナタイム?」

意味は「いらっしゃいませ!2名様ですか?」とかなんだろう。


席に着いてもメニューは全然分からんので、ガストンさんに全部お任せだ。

15分ほど待つと500gぐらいありそうなデカい鳥の丸焼きと、こんもり盛られた野菜炒めが2つずつ運ばれてきた。

いや、なんかすっごい色してるけど、野菜だよね?これ。


『ささ、食べましょうか。私はこれが好物で、街に帰って来るとまず食べに来るのですよ。』

これで全部かな?主食とかは無いみたいだ。いや、量は既に十分なんだけども。

さっそく熱い内に頂こう。

手元を見るとフォークと棒がある。

ナイフじゃないんだけど、棒で押さえながらフォークで毟ればええんか?これ。

既に食べ始めたガストンさんを見ると、どうやらそうらしい。

『えっ、ウマっ!?』

塩と香辛料をかけて焼いたであろう鳥肉は脂がのっており、噛むほどに肉の旨みが口に広がる。

いや、美味いけどこれ牛ハラミみたいな味だな。美味いけど。鳥だよな?

『お口に合ったようでなによりです。ハナークの丸焼きを作らせたらここが一番ですからな。』

もっちゃもっちゃと鳥肉を噛みながら、ガストンさんが嬉しそうに語る。

いや、指輪使ってるから言葉は発してないんだけども。

しかし、すっげぇ美味そうに食うなこの人。

周りの席を見ると、皆コレを食ってる。「この店に来たらコレ!」みたいなもんなんだろう。


野菜炒めはシンプルに塩だけみたいだ。

黄色い葉っぱは何故かニンジンみたいな味がしたり、もやしみたいな野菜はコリコリしていたり、異世界感がすごい。

初めて食べるからだろうが不思議な味のものも多かったが、不味くて食えない野菜は無かった。

異世界人とは味覚はそんなにずれてないみたいで良かった。


ガストンさんや周りの人もやっているし、手掴みもこの店のマナー的には問題ないみたいだ。

最後は鳥の手羽やあばら骨を手掴みで貪る様に食べ尽くし、完食。ご馳走様でした。

贅沢を言えばこの鳥肉をおかずに白米を噛みしめたかったが、しょうがない。十分満足だ。


『やはりアスツールに着いたらまずはこの店ですな。腹も膨れましたし、商会に戻りましょうか。』

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