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サラリーマン、異世界で働く。  作者: 雨崎 王助
コンサルタント編
57/123

サラリーマン、三十路になる。

昨晩、結構遅くまで隣の家で喋っていた俺はすっかり日が昇った頃に目覚めた。


うわぁ、これもう11時ぐらいなんじゃないだろうか。

俺は今日は休みだし、レイナさんは午後勤務だから問題ないが、エルクとカインは大丈夫だったかな…。


ベッドでぼけーっとしていると、昨日の事が思い出される。

そうかぁ。レイナさん、子供ができたんだよなぁ。


異世界に来て、まもなく1年。

就職して、出向して、結婚して、外国に旅行に行って、そして子供ができた。

1年前の自分からは想像もできないな。


もう日本も大分遠い存在に感じられるようになってしまった。

まだ、日本語喋れるよな…?

「あー、あいうえお、かきくけこ。私は山田隼人です。29歳既婚です。」


あれ?こっちに来る1ヶ月前が誕生日で、後輩の早川と飲みに行ったんだよな。

ってことは、俺もう30歳じゃん。三十路じゃん。


とか考えていたら、部屋の扉が開いた。

「ハヤトさん、起きてたんですね。もうすぐお昼ご飯ですけど、食べられそうですか?」

「うん、貰うね。レイナさん、さっき気付いたんだけど、俺もう30歳になってたみたいだ。こっちとは1年の数え方がちょっと違ったから、正確にはいつだったか分からないけど…。」


なんせこっちじゃひと月は40日、1年は9ヶ月の360日だ。

公転周期が地球と同じなら、1年で5日ずつ季節がずれていくわけだが、どうなんだろう。

アスツールは季節による気候変動がそんなに大きくないから、あんまり影響は無さそうだけど。


「あら、そうなんですね。イルも5日前に11歳になったんですが、誕生日が近いのかもしれませんね。」

「そうだったのか。じゃあ、俺の誕生日はイルと同じ日って事にしようかな。」


しかし、べナもイルも気付いたら誕生日が過ぎていたな。

べナは今日は休みだったはずだし、午後は2人を連れて誕生日プレゼントでも買いに行くか。


今日の夕食当番はウチの家だったな。

レイナさん懐妊の件もあるし、せっかくだからパーティといくか。



昼を食べてレイナさんを仕事に送り出した後、べナとイルを連れて3人でショッピングに繰り出した。

べナには可愛らしいカバンを、イルには自分用の包丁を、それぞれプレゼントした。


それから、夕食用にちょっと良い肉を買ったり、イルの希望で新鮮なホージンを買ったりした。

前にホージン焼きの店に行った時にも思ったが、このエビは淡水の生物なのだろうか。デカいエビって海水のイメージがあったが、アスツールで売ってるから淡水だとは思うんだけど。


帰りに炭と串、鉄板も買ってきたし、夕飯はバーベキューパーティだ。

普段はキッチンに立たない俺も、べナや嬉しそうに自分用の包丁を握るイルと並んで、せっせと食材の準備を頑張るのだった。

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