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第82話 蜜月のローレライ

「ローレライ・エルフィンは、スノウ様の直接依頼により彼を保護します。異論は認めぬ!」


冒険者ギルドの広場で皆に宣言し、その場から消えて数日が経った。

チーフに後始末を押しつけてしまったせいか、毎日のようにギルドからバード(魔法伝書鳩)が飛んでくる。

現在は南国の観光地、海沿いの別荘で優雅なひとときを過ごしている。

マイロードであるスノウ・ノクティスより守って欲しいと。

愛する人から頼られた。

ローレライは人生の中で一番の幸せを噛みしめている。

全てのものから守る。

それは神、雷龍王と敵対しても構わない。

自分の全てをかけて彼が目覚めるまで守る。

ローレライの決意は堅かった。

ただいつも彼の隣にいる精霊ソエルが居ないことが気がかりである。

彼の隣にいつも居て、正妻で守護者と公言している精霊。

自分は2番目でも3番目でも構わない。

彼の隣にいることが出来れば、幸せなのだ。

一夫多妻、一妻多夫はこの世界では問題ない。

実力、経済力があり、愛する者を養える力があれば嫉妬や批判は捻じ伏せれば良い。

冒険者の野望、ハーレムは昔も今も変わらないのだ。

話がそれてしまったが、精霊ソエルがいないということは彼女自身に何かが起こったと考えられる。

正直に言うと彼を独り占めしたい。

ただ全てのものから守るのであれば、自分一人より二人の方が安全なのだ。

精霊ソエルは苦手だが、スノウ・ノクティスを守ると言う点においては絶対的な信頼を置ける。


海沿いの別荘には、食事を持ってくるハウスキーパー以外は近寄らせないようにしている。

別荘には結界を張っており、外部からの侵入対策もしている。

もし中に侵入されても、彼の居るベッドごと転移魔法で別の場所に飛べるように準備は済ませている。

隣にいる彼の寝顔に触れながら、早く目覚めて欲しいと願う。

いま自分の姿は褐色の肌を持つダークエルフではない。

素の姿であるエルダーエルフに戻している。

彼が目覚めた時に一番綺麗な自分を見て欲しいと思うから。

ハウスキーパーが持ってきてくれた朝食を食べながら、雑誌月刊冒険者ギルドの臨時版を見て唖然としてしまう。

ノクティスの冒険者ギルドの副ギルド長がご乱心?純愛?で荷物運びと逃避行したと大々的に書かれてしまった。

自分と彼の写真も載せてある。

もう少し右から撮ってくれたら、写真の撮り方は完璧。

いや、そこじゃない。

写真が載っていることもまずいが、問題は自分の本名と彼の名前が記事に書かれたことだ。

雑誌月刊冒険者ギルドは、大陸全土で発刊されている。

エルダーエルフ、エルフィンの名前が世に出てしまった。

見る人が見れば自分の正体がダークエルフでないことがばれてしまう。

雑誌の影響力は計り知れない。

迂闊な発言だった。

この記事を書いた記者にも今後注意が必要だ。場合によっては雑誌月刊冒険者ギルドの出禁も考えなければならない。

彼との幸せな蜜月の時間はきっと短くなるかもしれない。

ローレライの危惧はこの数日後、当たることになる。


82話です。

皆さんこんばんは。週の初めの仕事は本当に疲れますね。

仕事量が多すぎて、帰って来てぐったりとしています。

この投稿が終わった後は、家事します。

次回は水曜日予定となります。よろしくお願いします。

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