第61話 精霊の来訪
「何か凄い光景だな」
槍使いの魔女。
バリスタを撃ち続ける全身鎧の集団。
美女の精霊をお姫様抱っこしている自分。
どんなパーティ構成よとツッコミたくなる。
残念だが、全てのゆがみを無くすことはできなかった。
三カ所のゆがみの中から、濃い魔力が流れ込んでくる。
ゆがみの中から、魔力の塊が三つ。
徐々に姿を変えていく。
一体だけ魔力量が桁違いだ。
この感じは上級精霊。
とうとう現われてしまった。
「ソノセイレイヲ……ワタセ」
一番魔力の大きい精霊が話しかけてくる。
上級精霊かもしれないが、お姫様抱っこしているソエルよりも下位の精霊に見えてしまう。
「理由は?」
渡すつもりは全くない。
奪いに来た理由はきちんと知りたいものだ。
「ツミブカイ……」
罪深い?
何の罪よ?
「ソエルが何の罪を犯した?」
「オキテヲマモラナイ……ツレテカエル」
何の掟?
初級精霊の時に精霊界から連れて帰った時点で、精霊界との関係はすでに切っている。
今更、掟を理由に連れて帰りますみたいな話はありえない。
「確認するが、精霊王が連れ戻せと命令したんだな?」
「オナジカンガエノ……ハズ。」
はっきりしない。
単独行動で連れ去りにきている?
「渡す気はない。さっさと帰れ」
冷静に話しているつもりだが、この精霊の上から目線と話し方が気に入らない。
礼を欠くのであれば、こちらも同じく礼を欠く口調にする。
「ヨワキモノメ」
怒りの沸点が低すぎるのか?
人間が嫌いなのか知らないが、この程度のやり取りで怒るとは。
知能が高いようには思えない。
他の二体の精霊に何か指示を出す。
二体はソエルを狙って向かってくる。
「一人貰いますね」
アイシャの誘導魔法?
スキルなのか?
向かってきた精霊の一体を、球状の魔力空間から引き離す。
「その精霊を出来れば弱体化させて拘束して欲しい。頼めるか?」
リーダー格の精霊とまともな交渉が出来ないのであれば、精霊王に伝言を残す精霊が必要になる。
「無傷は無理かもしれませんが、やってみます」
出来ませんとは言わないので、きっと拘束するだろう。
あと二体はどうするか。
横にいる全身鎧(執事?)から肩を触られる。
ジェスチャーで精霊一体を相手にすると言っている感じがする。
「任せても大丈夫か?」
全身鎧(執事?)は頷き、バリスタと全身鎧の三体を空間収納に戻す。
全身鎧(執事?)と他の全身鎧の二体で、精霊を相手にするようだ。
気が付いたら魔装も使って装備も替えている。
空間収納を毎回勝手に使えるお前は、何者なのかい?と問いたい。
「さて、最後に残ったお前の相手をしてやるよ」
右手で手招きする。
沸点の低いリーダー格の上級精霊は、球体に向かって突っ込んで来る。
61話です。
皆さんこんばんは。お盆休みの帰省ラッシュがピークみたいですね。
今年は不幸が続いていまして、初盆やら、四十九日やら忙しくなりそうな気配です。
日々の疲れもありますが、小説書いているときは楽しいです。
皆様にも楽しんで頂けるような小説を書いていけたらいいな。
次回は水曜日予定です。よろしくお願いします。




