第五十六話
まだ色々と余韻を楽しみたい所であるが、長く居れば居るほどまた何かが起きてもおかしくない。
ソエルちゃんを引き離すと、全身鎧(執事?)に肩をトントンされる。
「うん?何かあった?」
表情がわからないためジェスチャーで理解する感じだが、天井を指さしている。遠距離のゆがみを潰す際にバリスタを使っていたが、天井の窪みにはバリスタの矢が刺さっている。
ジェスチャーからしてその矢の周囲を調べろと言っている感じがする。
「バリスタの矢の周りを調べたらいいんだな」
全身鎧(執事?)は縦に首を振る。会話が出来たらもっと楽なのだが・・・。
魔力念糸で天井のバリスタの矢を引き抜くと、崩れてきた天井の壁と一緒に宝箱と鉱石が落ちてきた。
「えっ?何で天井に宝箱あるの?」
魔王を倒した後にエリアのマッピングをしていたが、さすがに天井の中まではわからない。
本来Bossを倒せば宝箱が出てくるが、今回はBossを倒しても宝箱は見つからなかったのだ。
「私がこのエリアを脱出しようとした際に、上から皇帝クラスが降りてきた感じでした」
この岩窟エリアはかなり地形が変っている。クイーンが3体いるだけでも異常だし、冒険者を獲物として罠にかける知性もある。
魔女のアイシャの話からすると冒険者を欺くために別の巣が天井にあった可能性が高いか。
「ソエルちゃん、上を見て来てくれる?」
言ってから次世代の精霊王に小間使いさせてしまって良かったのか少し悩んでしまったが、反応を見る感じ大丈夫そうだ。
「貴重な鉱石が色々あるよ。とりあえず沼らせておくね」
嬉しそうな声の感じからたぶん大量だったようだ。
全身鎧(執事?)は役目を終えたと思ったようで会釈をして姿を消した。
落ちてきた宝箱の罠の解除をどうしようか悩んでいると
「鑑定したら罠はないですね」
ポンコツそうに見えて実はできる魔女が横にいましたね。
「何か失礼なこと考えてました?」
その魔眼はどこまで見えているんでしょうか?自分の頭の中まで鑑定されたら嫌だな。
「さすがに頭の中までは見えませんからね」
ニコニコしている笑顔の圧がちょっと怖いのですが。
ソエルちゃんが戻ってきたら開けてみますかね。
おはようございます。2週間ぶりの投稿です。
今日のお昼から二日間、Zoom会議があるため少し早起きして小説書いてました。
せっかくの土日なのにゆっくり出来ないところが辛いですね。
たまには美味しい珈琲が飲みたいのですが、二日間は引きこもり生活をします。
また2週間後よろしくお願いします。