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第二十五話

オブシディアンが圧倒的に魔王を押している。Aランク冒険者の戦闘経験、技術が魔王よりも明らかに勝っているからだ。このまま押せたら勝てると思った矢先に、風向きが一気に変わる。

彼の動きに精細さが無くなってきているからだ。先ほどまで当たっていなかった魔王の攻撃が少しずつだが当たってきている。

魔王の戦闘技術が上がっている?その考えは私の眼が否定する。彼のオブシディアンの魔力が枯渇した状態なのだ。

防御に使ったタワーシールドが一撃で破壊されてしまう。そしてその時がきてしまう。剣とメイスで防御態勢を取った状態だが、魔王の重い一撃が彼を直撃する。


「いやああ・・・」

隣の精霊の悲痛な叫び声が聞こえる。


私たちの居る場所が悪すぎた。Bossエリアの入り口付近で保護されていたため、彼のサポートに回るには距離が遠すぎたのだ。

致命傷を受けて飛ばされた彼に追撃をしようとする。それは絶対にやらせない。

バフを盛りに盛った渾身の槍の投擲を食らえばいい。

私の投げた槍は追撃を入れようとした魔王の腹部に直撃するはずだった。

当たったのは大腿部、両下肢に当たった衝撃で、彼から離れた所に魔王が吹き飛ばされた。


「ちっ、外した」

言い訳かもしれないけど、槍の重さが若干重かった。腹部の一撃ならしばらく動けないくらいの致命傷になるはずだった。

魔王の再生能力で時間が経てば両下肢はまた左腕のように戻るだろう。ただダメージは入っている。このまま魔王に追撃か、彼の安否・救出が先か。


「チェンジ」

隣にいた精霊の冷酷な声に、全身が毛羽立つ。凍り付きそうな声の主が消えた瞬間に傷ついた彼が横に倒れている。


「えっ、何?」

状況が一気に変わるため頭の整理できない、頭がフリーズしてしまう。魔王の前にいた彼がここにいるなら、倒れていた場所はどうなっている?


「誰?」

見た目は隣にいた精霊なのだが、明らかに大きさが違う。小さくない。大人の精霊が立っている。


「スノウの命を助けて、わかっているよね」

冷徹で怒気を纏った静かな声に動けない。その存在に畏怖してしまう。息が詰まりそうになる。槍を渡してくれた同じ精霊とは思えない別次元の存在。


「急いで!!」

精霊は本気で怒っているのだ。大事な人を傷つけられたことに対する純粋な怒りと悲しみ。

私の胸の奥が熱くなる。この関係が羨ましいと思ってしまう。

なんとしても彼を助けなければ。


おはようございます。2週間に1回の投稿になります。

プライベートな話ですが嫁さんが入院して、手術しました。

手術は成功して後は回復を待つ形になります。仕事しながら家事・育児は本当に大変です。

嫁さんに感謝しかないです。本当にありがとう。

皆さんも日々の体調、健康にお気を付けください。

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