表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/73

第25話 討伐前の準備

クエスト:ストーンクイーンアント及びストーンアントの一斉駆除(討伐)

対象:クイーンアント及びストーンアント(可能な範囲で殲滅)

場所:ダンジョン35層の岩窟エリア

報酬:金貨500枚

(追加報酬:素材はボーナス価格で買い取り可)

期限:1週間以内


ローレライからの討伐クエストを受注した後、準備のために街を散策している。

クエスト出発するまでには様々な準備が必要なる。

準備を怠ると自分に跳ね返ってくる、それは死に繋がる。

ダンジョンに必要な物として、水・簡素な食料・回復薬・状態回復薬・カンテラ・結界石・テント・ツルハシが一般的な道具になる。

空間収納スキルを持っているため1週間程度のクエストであれば、詰め込む量は全く影響しない。

空間収納スキルはまだカンストできていないが、温度調整までは可能となっている。

冷たい物・温かい物もそのままの温度で収納できるためかなり便利である。


討伐クエストには全く関係ないスイーツ店(魔女系列)に立ち寄り、新商品を含めた3点のちょっと高級なお菓子を買い、一緒に紅茶のパックも買っていく。

ベールを着けた店員にダンジョンに行くのでお菓子を包んでくださいと言っても冗談にしか思われないだろう。

討伐クエストはピクニックやお茶会をする場所でもない。

命のやり取りをする場所。

ダンジョンにスイーツを持って行く冒険者はまずいない。

命より甘い物を優先する馬鹿な冒険者はいない。

これが普通である。


雑貨屋(ここも魔女系列)で魔力回復薬を多めに買っていく。

回復薬を買うよりも値段はかなり高額になるが、絶対に必要な物である。

最近売り出されている魔力飴マナキャンディは、口に含んでいると少しずつ魔力が回復していく。

戦闘中でも口に含んでいれば、魔力切れが起きる可能性は低くなる。

このキャンディを作った人物は天才だと思う。


必要な準備もあらかた終わったので宿屋に戻ろうとするが、香ばしい匂いが足を止めてしまう。


匂いの出所である“魔女の麦畑”に足が勝手に向かってしまう。

いつ空いているか分からない魔女が作っているパン屋。

魔女というより、戦士に近い恰幅の良いおかみさんが作っている。


相変わらず扉の向こうから、甘く香ばしい匂いが漏れてきている。


ゆっくりと扉を開けると、パンの匂いが全身を包む。


自分の体と心が幸せの香りで包まれる。


「ただいまぁ」


自宅に帰って来た感じで、つい声が出てしまった。


「おかえりって、あんたの家じゃないよ」


女主人に思いっきり笑われてしまっているが、気にしない。

このお店、空間、香り……最高だ。

冒険者を辞めたら、ここで雇ってくれいないか本気で考えてしまう。

恋人や結婚相手は焼きたてのパンの匂いがする人が良い。

……まさか女主人が候補なのか。


「今日も食べて行くのかい?」


「せっかくなんで、食べて行きます」


木の棚に並べられたパンは、前回よりも種類が少なかった。


「もう少しで店を閉じる時間帯だから、残り少ないのさ」


残っているパンの香ばしさも、時間が経っても変わらない。

二個ほど選んで、奥のテーブル席に座る。


「今日は豆の焙煎が上手くいってね」


飲み物の注文は取らず、温かい珈琲を出してくる。

今回、珈琲は自分の分だけ目の前に出された。

一口飲んで、声がでてしまう。


「これは美味い」


「だろ?焙煎が良い日じゃないと出せなくてね」


女主人は嬉しそうだ。


ふと視線は右手の白銀の小手と鎖を見ているようだ。


「変わった小手だね。ここらじゃあまり見かけない」


「荷物運びとか、高いとこの物を取るとき便利なんですよ」


パンを頬張りながら、右手の鎖を少し動かす。


「へぇ……器用に動かせるもんだ」


女主人は目を大きくして驚く。


「もう少し食べれるかい?」


昨日お酒を飲んでいるが、ここのパンは別腹だ。


「一個くらいなら大丈夫ですよ」


その言葉を聞いて、奥から変わったパンを出して来る。


「試作のチーちくパンだ」


ちくわと言う練り物の中に、チーズを入れて焼いたパンらしい。


「食べてみて、素直な感想が欲しい」


一口食べると、ちくわの中からチーズが出てくる。味は問題ない。

少しパンの生地は、柔らかい方が食べやすいかも。


「個人的に、パンの生地がもう少し柔らかい方が好みかも」


「やっぱりかい?前に娘も同じ意見を言ってたから」


パンの生地の配合を考えているようで、少し独り言のようにブツブツ口に出ている。


「ご馳走様でした」


お腹も満足、珈琲も美味しかった。

会計の際に、お土産に残りのパンを包んでくれた。


「今度来たときは、また美味しいパンを出せるようにしとくから」


自分が店を出ると同時に、女主人は店を閉めた。


スノウが去った後。


「この店は普通じゃ見つけきれない……本当に荷物運びかねぇ」


女主人は楽しそうな顔で、店の窓から外を見る。


第25話です。

皆さんおはようございます。北海道は寒いです。

朝方7℃くらいまで、下がってました。

また明日も投稿します。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ