至高の魔法
クラリスはいつまでも鎌が落ちてこないことに気がつきました。
恐る恐る目を開くと、そこには奇妙な世界が広がっていました。
奇妙な、といってもそこに広がっていたのはいつも通りの町でそこにいるのは町の人たちと兵士と王様でした。
ですが、皆ピクリとも動かなかったのです。
時が、止まっていたのです。
でも動いていたのはクラリスだけではありません。
レミもこの奇妙な風景に戸惑っていたのでした。
クラリスはあわててかけていってレミの縄をほどいて、そして二人は抱き合いました。
しばらくしてからレミはたずねました。
「これ君がやったの?」
わからない、とクラリスは答えました。
「最後に君が悲しまないような魔法を祈って気づいたらこうなってたの」
「なら君がやったんだ」
レミは笑って言いました。
「君が死んだら僕はたとえ解放されたとしても悲しみを背負って生きていっただろうからね」
そして少し顔を曇らせて続けました。
「ごめんね、助けるって言ったのに捕まっちゃて全然役に立てなかった」
「そんなのいいの、こうしてまた会えたんだから。」
クラリスはそう言ってわらいました。
「そんなことよりこれからどうする?」
「ここから逃げよう。」
レミは答えました。
「この国を出て、君が見たことのない世界を見て周ろう」
クラリスはそれまでの人生の中で一番幸せでした。
目から涙が流れました。
クラリスはうれしい時も人は泣くのをはじめて知りました。
そして手を引くレミに「ちょっと待って」と声をかけて
振り向いたレミにキスをしました。
そうして二人は国をでました。
時が動き出したのは2人がその国からずっと離れた後でした。
二人は長い年月をかけて世界を旅した後東方の国でその長い生涯を終えました。
二人とも安らかな最期だったそうです。
ちなみに、二人が元いた町の人々と兵士とカーチス王は、白魔女と罪人が消えてしまったのを恐れ、その後長い間に白魔女をあがめて、許しを請いていたそうです。
Fin.
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