進級祭一日目:延長戦準備
俺が目覚めたのはそれからまもなくのことで
頭と…いうよりは前進が
赤ん坊のころ母親に抱かれたみたいな
そんな温もりに包まれていた。
ずっとこうしていたいと、
思っている中、声が聞こえた。
「目が覚めているなら起きた方が
良いよ…赤ちゃん?ふふふ……」
漫画でよくある擬音語のがばっという
音ともに俺、沢口香野は目が覚めた。
「え?え?何があった?!」
「ふふふ…」
え?……真夏?
と、今の現状を見た俺は思わず
声をあげそうになる。
皆は休憩をとったり、
駄弁ってはいるものの
俺自身は……!
「私の膝枕はどうだったかな?
気持ちよさそうには見えたけど……?」
「あっ……ばっ……」
「ふふふ……随分寝てたもんね♪」
え?随分?
まもなくじゃなかったか?
「え?…何時くらいまで寝てた?」
「いつくらいかと言えば……かれこれ
2時間は寝てたね。」
っ?!
2時間?!
てことは……!
「ててていうことはさ!
今何回戦目…?」
と恐る恐る聞くと
真夏は指をさした。
それは戦歴…記録であった。
【沢口香野VS武中信吾 1番WIN
不知火静VS仁田良助 14番LOSE
鍬村良 VS笠束瑠樹 BothStay】
Both Stay……?
両者止まる……?
「なあ、真夏……これって?」
「ああ…引き分けってところかな。
鍬村くんと笠っちが両者面白いことに
棄権を申し出たんだよ。
まあ…どうせ最終戦が見たかったん
だろうさ…ふふふ」
最終戦?
なんだそれ……?
「ん~?それは♪」
続けて真夏は微笑みながら言った。
「核リーダー同士の戦いだよ♪」
万が一、
3戦の中で引き分けが起こった場合
核リーダー同士で戦うことが
義務付けられており、
それには先に5回のダメージ与えることが
勝利の条件となっている。
「っていうことだけど準備はよろしい?
沢口広一くん?」
「ああ…今ならすぐにでも倒せそうだ。
真夏…お前をな。」
「……。」
さっき始まる前、
広一が俺にそっと呟いた。
『香野…俺じゃなくて真夏を応援しろよ?』
『は?なんで?』
『お前は記憶が飛んでるから
わからないだろうがお前が気を失ったとき
あいつは敵方である14番に乗り込んで
香野を、
お前の容体を泣きながら聞いてきた。
理由は知る由も無いが…あいつはお前を
そう思ってるってことだ。』
『……広一…俺は…』
『あの``事件``のことはまだ整理が
つかないんだろ?
でも、そうだとしても
あいつの気持ちは真摯に受け止めろよ。』
…………。
それでも俺は…どうするべきか。
『ではこれより延長戦、
核リーダー対決を執り行う。
先に5回ダメージを負わせた方の勝利
となる。では、勝負開始!』
「私から行くからね。
使魔召喚!ヒールラビット!!」
きゅううんとピンクの目が大きいウサギが
目の前に登場した。
そして真夏はそれをその姿を素早く
武器に変える。
出てきた武器は…弓矢?
「体力を吸って自分の体力に
貯蓄する能力を持ってる
ヒールボウアローか。」
「どう?広一は出さないの?」
「手加減してやる。」
は?
「ふ~ん…へぇ……舐めたら
地獄にぶちのめしてやるからな…?」
「それが出来たらな。
使魔召喚!雷剛!」
と黄色に包まれた巨大な巨人に
真夏と広一を除く以外の全員が驚いていた。
そしてそれを武器に変えると…
流石の真夏でも血相を変えて
「チートクラスじゃん…!!」
「マシンガンver.散弾銃なんて
笑えるよな。
さて…戦いに参りましょうか。」




