進級祭一日目:準備
その明日になると早くも体育館に
人が集まっていた。
今日は簡単に言えば進級祭という
他の高校にはない行事で、
こうして土曜日から二日間にかけて
一般公開も有りの文化祭のようなものをやるのだ。
さらに面白いことに
屋台やらも数多く出していた。
…同じクラスの人が。
「で……その一部を出しているのが
お前か向井崎。」
と有名なアイドルや戦隊もの、ヒーローやドラマなどの
グッズや写真が景品となったくじ屋の前で
俺、沢口香野は立ち止った。
そして平凡な少しつまらなそうな
顔をしている向井崎勇牙は
ぼそりと呟き始めた。
「………俺は香野と違って良い能力や武器
を持ってない。」
「あのなぁ…昨日のチーム編成そんなに
引きずるなよ…で?向井崎はどんな
能力をお持ちなんですか?逆に。」
これ…と渡してきたのは
昨日のチーム編成をしたときに
配布したプリントだった。
わざわざ返したのか、広一は。
【向井崎勇牙】
武器:スコープ
属性:無
使い魔:透明人間
「………どんなとこにいても
どんな格好をしていても
俺にはこのスコープを見ればすぐさま分かる。
これは魔者追跡に向いているものだから
だから使われなかった。」
「男にとってはある意味良い武器だな。」
「………例え香野が女になってても
これで一発さ。」
俺はぎろっと向井崎を見て人差し指を口に当て
静かに!というポーズをとる。
理由は俺のその今言った女というものだ。
俺は男なのだがそれは朝から昼(具体的に0:00~12:00)
までは男だが、夕方から夜(具体的に12:01~23:59)
は女といういわゆる性転換者という摩訶不思議な
能力?体質?を持っている。
これを知っているのは僅かで、
言ったら何かされそうなので言っていない。
まぁこうなったのも色々あったのだが、
それはまたの機会にしておこう。
「で…何円儲かったんだ?」
「………話を変えるのか、成長期娘。」
「しばいたろか。」
「………軽く3は儲かったか。
まだやる気だ。」
たんっとスルーされるが向井崎は
その言葉についての反論はなかった。
でー……っと。
我らが14番のチームは1番と当たっているのだが
他はどうなっているのか。
俺はひとまず外の屋台から玄関へと
歩き出した瞬間…!
「きゃっ…!」だんっと当たってしまい
声を上げたと思われる女の子は
尻餅をつく。
スカートであったため下着が
もろに見えてしまい、
あっ……!と声を上げてしまう。
「痛ててて…」
大丈夫?と言おうとしたとき
その彼女が手で遮り、
スカートについた砂をほろいながら
「大丈夫だよ、香野君。」
とにこやかな笑みで笑ってきた。
「でも…女の子のパンツが見たくて
ぶつかったのなら…人気のない
場所で脱がせてあげても良いよ?」
「お前…痴女って疑われるぞ?真夏」
モデルのようなくびれ、
グラビアアイドルのような胸、
そしてなによりにきびも肌荒れも起きていない
にこやかな顔。
流石は学校一番の美少女と呼ばれる
不知火真夏の姿はそこにあった。
「ん?痴女ではないよ?
まだ誰とも付き合ってない純粋な女の子
だよ。まぁ…何でも知ってるけどね♪」
彼女はなんでも知ってる。
意味通り、
彼女はなんでも知ってる情報能力
というのを持っており、
未来が予言できない代わりに
自分自身が生まれてから今までの
情報を記憶として持っているのだ。
更には見たものすべて覚えれる
そんな、技術まで持っている。
だからこそ…
「1番の核リーダー様ってか。」
「ええええ…私そこまで嫌われたくないだけどな…
同じ女の子としても異性としても大好き
なんだけど?うふふふ♪」
「その話をするなっての!」
「なあに?花音ちゃん?」
花音とはこいつが決めたあだ名で
俺が女になっているときに
使う(普段は。)
「そういやさ、香野は…
チームに入ったの?」
「知ってるくせに…って!あ!!
すっかり忘れてた!
トーナメント表見ないと!」
「私言うよ?
えーと…1番vs14番、2番vs13番、3番vs12番。
4番vs11番、5番vs10番、6番vs9番、7番vs8番
かな。」
「あ………ありがと…」
お礼を続けて言おうとしたとき
校内放送がかかりチーム戦に出る生徒は
指定された教室に行くようにとの、
放送がかかった。
すると真夏は、
「一緒に行こう♪
同じ教室なんだしさ!」
「あっ…おい!」
と真夏は俺の手を強く握りしめ
引っ張り楽しそうに教室に向かった。
教室での戦いは無謀にも
思えるが他の高校とは違い、
教室は広く机や椅子は撤去されていた。
戦いには監視カメラのようなものが
取り付けられ、準決勝が行われるまでの間
体育館とネットでの放映となる。
体育館ではリアルで7つの戦いが同時に
見られるようTVの数が多い。
ネットでもノーカットでリアルタイム放映で見られる。
※ここで簡単な使魔召喚戦いついての説明を致します。
リニューアルしましたので改新版では敵前逃亡や、
システム等のややこしい
設定が取り払われ分かりやすくなりました。
①使い魔を自分の手持ちから召喚します。
②武器化!というと使い魔が武器に変化し
使魔召喚戦ではその武器を用いて戦うことになります。
③そしてただ単に殴り殺し合いをするのではなく、
保護フィールドというのを身に着けまして、
攻撃されると保護フィールドが傷つきます。
④それをゲージで表し、
体力数、防御値、攻撃値のそれぞれに分かれます。
⑤基本的に体力が0になるとゲーム終了となります。
⑥同時に両者0になった場合は引き分けとなります。
「―…というのが使魔召喚戦のルールとなる。
では予選でのルールを発表を致す。」
と先生の掛け声でルールが発表された。
予選でのルールは簡単なもので
チームの中のリーダーはまず置いとき。
3人のサブ同士が3回戦に分け戦い、
3回中2回以上勝利すれば準決勝に行けるというもの。
もしもサブ同士で引き分けが起こった場合は
それぞれのチームのリーダーがサドンデスを行う。
それぞれ体力にはばらつきがあるので50という数字に設定。
攻撃値、防御値は特には決めないということだ。
「では……14番!沢口香野!
1番!武中信吾!前に出よ!」
早くも1回戦目が始まろうとしていた。




