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「殺す、ね……本気で言ってる?」最強格闘JK、転生先では拳を開放する  作者: Gai


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第1話 解放された激情

(あぁ……これ、多分、死ぬな)


女子高生、紫雲雷華《しうんらいか》は自身の腹に刺さるナイフの感触から、自分からこれから数分もしない内に死ぬことを悟った。


「て、てめぇが調子に乗ってんのが悪ぃんだよ!!!!!」


雷華の腹にナイフを突き刺した不良たちは、本当に人を刺してしまったことで動揺しながらも、強気な態度を崩そうとしない。


(……あの子は……ちゃんと逃げられたんだよね)


見覚えがある同じ高校の学生がカツアゲされているのを見て、雷華は同級生と不良の間に入り、同級生を逃がすことに成功した。


だが、自分たちの拳や蹴りが当たらないことに苛立ちが募った不良がナイフを取り出した結果、不意を突かれて致命傷を負ってしまった。


(そっか…………死ぬなら、そうだよね……殺っちゃっても、良いよね)


ナイフを突き刺し、雷華に致命傷を負わせる。

その判断が、不良たちの運命を終わらせた。


「ほがっ!!!!????」


「なっ!!??」


「ふッ!!!!」


「いぎっ!!!!????」


先程まで上手く避けるだけで反撃していなかった雷華の拳が、蹴りが不良たちの体に炸裂していく。


(ふっ、はは! あはは!!!!!)


自分が死ぬと悟りながらも、雷華の顔には笑みが浮かんでいた。


どうせ死ぬなら、これまで抑えてきていたものを全て解放して良い。

リミッターが外れた雷華の打撃に、不良たちは驚く暇すら許されず苦悶の表情を、声を零し続ける。


(この感覚、本当に久しぶり!!!!!!!)


雷華は……幼い頃から格闘技を習っていた。


その腕前はメキメキと上達していき、ジュニアの時に大会へ参加した。

大会の決勝戦……周りと比べて頭一つ抜けた腕前を持っていても、決勝まで上がってくるような子も同じく、周りと比べて頭一つ抜けた実力を持っていた。


実力が伯仲する中、雷華の拳が体を抉る様に突き刺さり、相手選手に重傷を負わせてしまった。

その感触や相手の表情から、そこで試合が終わるであろうことは解っていた……解るはずだったが、雷華は昂ぶりは収まらず、追撃を叩き込もうとした。


それは、幸いにも審判の制止によって未遂に終わった。


結果、雷華は初めて参加した大会で優勝を収めた。

だが……その時、雷華は本能的に解ってしまった……普段の鍛錬であればともかく、このまま自分がリングに上がり続ければ、いずれは人を殺してしまうと。


人を殺すことは良くないことだと解っており、雷華もそれをしたいが為に格闘技を習い始めたわけではなかった。

それでも、解ってしまった……選手としてリングに上がれば、どこかで人を殺してしまう。


それが解ってからの雷華は変わらず格闘技を習いながらも……スパーでは歳上すら倒してしまう実力を持っていながらも、リングに上がる同級生や先輩たちの為に活動し……将来はトレーナーの道を進もうと考えていた。


そんな彼女の拳に、蹴りに、肘に膝に、あの時……一瞬だけ宿った殺意が乗っていた。


「がばっ!!!!! や、やべ」


「疾ッッ!!!!!!」


「ーーーーーーーーっっっ!!!!!!!???????」


逃がさなかった。

その場にいた不良たちを誰一人として残さず、一切の反撃すら許すことなく一方的に叩きのめし……再起不能にした。


「あぁーーーー………………ごめん、なさい……お父さ、ん……お母、さん……先、生」


誰かを守るため、であればまだ良かった。


しかし、雷華が最後に振るった力は、誰かを守るためではなく、正当防衛の為でもなく……ただ、あの時抑え込んだ衝動を開放したかっただけ。


格闘技を習う際に教えてくれた師たちとの約束を破ってしまうことに……若くして死んでしまうことに、申し訳なさを感じる。


(あぁ、でも……悪く……なかっ、た)


不良たちの体を拳で、蹴りで骨を砕き、叩き伏せる感触を思い出し……何かが鳴り響く音、誰かの声を感じながら、彼女の意識はそこで閉ざされた。








「……………………?」


「ふふ、どうしたの? スラン」


(この人は……誰? 確か、不良に刺された傷で死んだから…………女神様、とか?)


意識が目覚めた雷華の前には、見慣れない容姿を……海外の方かと思われる姿の美しぃ女性がいた。


その美しさは、確かに女神と見間違えてもおかしくない。

しかし……周囲の光景が、それを否定する。


(家…………家? で、合ってる……のかな? けど、なんか凄い……凄い、豪華)


周囲にあるインテリアたちは、どれもネットでしか見たことがないほど豪華なものばかりであり、その状況が増々雷華を混乱させる。


「お腹が空いてそうね……それじゃあ、おっぱいをあげるわね」


(えっ……おっぱい?)


現れる爆乳と乳輪。

雷華改めスランの中身は元JKであり、おっぱいなど遠の昔の卒業しており、そっちの毛もない。


だが……赤子の体が栄養を求め、爆乳美女の胸を本能的に含んでしまった。


(…………えっと、これ、どうなってるの?)


解らない。

本当に解らないことだらけだが……それでも、一つだけ解ることがあった。


理由は解らないが、それでも自分はまだ生きられる。


良く知らない解らない世界で……第二の生を手に入れることが出来た。



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