地球壊滅まで、あと30日。 前編
「『取らぬ狸の皮算用』―だな」
小さいテレビを前に、小さくぼやいてみる。
地球が壊滅するまで…あと三十日。
少しでもタイムリミットが増えるようにと、たくさんの提案が流れるテレビは、はっきり言ってうざったい。
実際にタイムリミットが増えるのかすらも分からないのに。
だいたい、人間がすべて悪いのだ。
それならその運命に従おうじゃないか。
自業自得、なんだから。
抗っても、無駄なのだから。
***
2***年。
鳴海学園高等部では、”その”話題で持ちきりになっていた。
教室に入ると、たくさんの声がいっせいに聞こえてくる。
その中の数人が、俺の姿を見つけてかけよってくる。
「おい、聞いたか?晴輝。地球があと三十日で壊滅するらしいぜ。」
「…あぁ、知ってる」
「どーしよー、晴君。琴葉、まだ愛しのH君に告ってないよ〜!?あと三十日でなんて、無理だよ〜っ!!」
この二人は俺の幼馴染だ。
小さい頃からの仲で、あいつらの考えていることは、大体分かる。
…まぁ、あいつらの思考回路が単純なだけだけどな。
「おい、琴葉。そのH君って誰のことだよ〜?まさか俺のことか?」
「ちーがーう!琴葉、祐のこと好きじゃないもん!!」
「おい、琴葉、祐。もうすぐで先生来るぞ」
俺が二人を席につくように促す。
こうでもしないと、この二人は話し出したらとまらない。
「あ、本当?」
「ちぇー、もう少し話したかったのによぉ…。残り少ない命なんだから…なぁ。」
話すのをやめて、祐が小さく呟いた。
その言葉は少しの寂しさを帯びていて、ただ能天気に話していただけではないことが伝わってくる。
こいつらはこいつらなりに、タイムリミットまでの時間を大切に生きているんだ。
その時。
はい、飽きやすい性格ですみません…。
また連載始めました。すみません。
こんな僕ですが、のんびりとついて来ていただけたら幸いです。よろしくお願いします。