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アメの話

窓の外では、雨が降りしきる中。

写真部の部室の中、小泉とキハンはその天気を眺めていた。

「雨だねー」

「ハイ、雨ですねー」

「よくさ、雨じゃなくて飴が降ってくれば良いのに。っていうけどさ」

「ハイ、ありますね」

「でもそれってさ、実際なったら雹や霰と大差ないよね。上向いて食べるとか危なすぎるよ」

「オ〜ゥ、た、確かに……」

「いや確かそうだが子供の夢なんだからリアルに考えるなよ」

同じ部室内で会話が聞こえた称名が思わずツッコミをいれた。

2人は称名に振り返り、そのまま話しを続けた。

「一言に飴って言っても、飴玉じゃない可能性もあるよね。例えば、綿飴とか」

「わぁ、まるで雲が降ってくるようでキレイかもしれません」

「例えば……水飴とか」

「ベッタベタだな」

「あ! 千歳飴なんてどうでしょう!」

キハンの問いに、2人は想像してみた。

「傘くらい貫通しそうだね」

「ある意味飴玉より危なそうだな」

そんな他愛無いアメ談義をしばらくしていたが

「はー、雨止まないかなー」

小泉が最初に折れ、窓の外に視線を移した。

「梅雨入りしたらしいからな。これから暫くは雨の方が多いだろうぜ」

「あ、そうなの?」

「ヤウ、梅雨はキライですか?」

「ううん、むしろ好きかな」

「意外だな、キライだと思ってたぞ」

「ワタシもです。だってヤウ、雨女と自分で言っている程ですから」

「でも梅雨は好きだよ。だって、わたしのせいじゃないからね」

雨降りしきる窓の外を見ながら呟いた小泉を見て、

「「……」」

そ、そこまでなのか……。と、キハンと称名の感想は知らずに被っていた。

「ところでさ、みんな遅いね」

「そうだな、まぁ2人はいつものこととしても。他の…」

その時、部室の扉が開いて部員の1人が姿を見せた。

3人は扉の音でそちらを振り向いて挨拶し、1人増やしてまた、アメ談義に花を咲かせ始めた。



こんな梅雨時だから、雨は仕方ない。

……と思っていたんですが、梅雨入り発表からやっと降っているような気がします。

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