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嫌われ者始めました〜転生リーマンの領地運営物語〜  作者: くま太郎


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新たな使命?

急遽お知らせしたい事があり、更新しました

 オデットさんのリアルコンボもきつかったけど、仲間からの説教コンボもきつかった。

寝不足とは言え、意識を失ったのは、自分でもまずかったと思う。ラスボスのアミに至っては三十分ぶっ通しでのお説教でした。


「どうしてお兄様は、ご自分を大切になされないのですか?ええ、分かっていますよ。私がいくら心配してもお兄様が言う事を聞いてくれない事は……」

 今回は全面的に自分が悪かったと自覚している。一人称がアミから私に変った時は、激怒している証なのだ……結果、二日間の自室謹慎となりました。

 仕事をしたいけど、母さん、オデットさん、カリナ、アミに交代で監視されているので無理だと思う……オデットさんの結界によりベッドから動けない時点で詰んでいるんだけどね。

 ベッド上で出来る事は、事件の考察か新魔法の開発くらいだ。新事業を考えようと、メモを準備しようとしたら、オデットナイフが飛んできたし。

 今監視しているのは、オデットさん。俺に見向きもせずに、編み物をしているが怪しい動きをした瞬間、指導が入るのだ。

 

「ジョージ、いるか?」

 ドアの外から声を掛けてたのは、ボルフ先生だ。いるもなにも、ベッドから動けないんですが。


「ジョージ様は療養中でございます……分かりました。お入り下さい」

 オデットさんがボルフ先生を部屋に招き入れた。今、ボルフ先生にお願いしているのは、ゴブリン召喚の件だ。


「何か犯人の手掛かりが分かったんですか?」


「手掛かりの方はさっぱりだ。ただ面白い事が分かったぞ。今回使われた召喚術は、小学校の時に使われた物と同じらしい」

 高校では数日前から厳戒態勢をとっており、誰かが侵入した形跡も見つからなかったとの事。そして前日の見回り時には異変がなかったそうだ。そしてお約束で犯人の足跡はなかったらしい。こっちの世界に鑑識さんなんていないから、見落としている可能性もある。


「犯人は空中からトラップを設置したんですかね」

 これが名探偵なら“犯人はここにロープを置いて、足跡を着けずにトラップを設置したんです”とか言うんだけど、現場にもいけないから無理だ。


「現場は国で調査しているらしいから、近いうちに何か分かるだろ」

 空中を飛べて、警備を潜り抜けるのは、かなり小さな飛行生命体でなければ不可能との事。

ぱっと思い付くのはフェアリー。でも、普通のフェアリーに扱えるマジックアイテムではないそうだ。

そうなると、怪しいのはピュリアか……でも、犯行動機が分からない。

 ゲームでピュリアがブレイブ・アイデックの神使だと証明されるのは、かなり後半になってからだ。そうなると周囲の待遇が一変していまう。王侯貴族でさえ、ピュリアに敬語で接するようになるのだ……出来ればピュリアは敵には回したくない。

 最悪の展開でピュリアが敵だとしたら……ピュリアは初期段階ではあまり役に立たないが、主人公(シローくん)の成長に合わせて本来の力を取り戻していく。

敵を転ばしたり、幻術に掛からないようにしてくれたり……ふと、ピーターの言葉を思い出す。

「あの妖精さえいなければボーンタ様も変わらなかったのに」

確かボーンタが同点のシュートを決めようとした時、一匹の妖精がバランスを崩す魔法をボーンタに掛けたんだよな。

 そしてカカリさんはヴェント谷に行く時こう言った。

「これは魔法の赤ペン《マジックオブザレッドペン》と言いまして、妖精が持っているマジックアイテムなんですよ。私が書いたのは幻術防止のサインです」

 マジックオブザレッドペンは、役職等によりその効果も変わるらしい……勇者ブレイブ・アイデックの神使だったピュリアのマジックオブザレッドペンなら、とんでもない効果があると思う。

 そしてバウム村の封印はピュリアが自ら掛けた物だとしたら……あくまで仮定である。

俺の悪い予感は高確率で当たるから、深く考えるのは止しておこう。

とりあえず、ピュリアと表立って敵対するのは避けた方が良い。

(シロー君を味方につけて、牽制するのが一番だな)

 何かあったら、シロー君がピュリアをいさめてくる事を期待しよう。


「そうだ。餓鬼共、随分心配していたぜ」

 ボルフ先生の話によると、シロー君も俺の事を心配していてくれたらしい。

 高校は全部で3クラス。

 高校のクラスは俺の介入により、シロー君とヒロインズが同じクラスになった。正確に言うとユリアとアニエス以外のヒロインだ。

 俺と同じクラスになったのはカリナ・ヴェルデ・ラパンさん・ヘウーボ・リリル・アイン・ユリア・アニエス……そしてドンガの9人。

 ドンガにはリヤン様の加護は効かないんだろうか?他のみんなは幸せになっているのに……良く考えたら両想いになれる人と出会えたり、恋の障害がなくなっていると言った方が正確だ。リヤン様の加護は、どちらか一方の恋が叶うって感じではない。

 すまん、ドンガ。自力でなんとかしてくれ。


◇

 

 昼間寝すぎたせいか、夜になったら逆に目が醒めてきた。

 日本にいた頃ならビールでも飲んで眠りについていたと思う。しかし、自宅謹慎している身分で飲酒までしたら……想像しただけで怖い。

 そのままボーっとしてしたら、アニメソング調の曲が聞こえてきた。正確に言うと、昭和のアニメソングだ。


「にゃ、にゃ、にゃ、にゃんとも不思議なニャンコ。プリティーな尻尾をふりふり、セクシーなおひげもふりふり。

み、み、み、みんなの人気者。可愛い肉球をプニプニ。ぽっちゃりほっぺもプニプニ。でも、君にはハートブレイクー」

 見るとキャップを斜めに被り、オーバーオールを着たミケがダンスをしながら、熱唱していた。


「これは、これは神使様。このようなむさくるしい所に、なんのご用ですか?」 

 ここはあえて恭しく迎えてやる。


「いつもみたいに突っ込まんか!儂が滑ったみたいやろ!ボケを活かすも殺すも突っ込みの腕次第なんやぞ……まあ、ええわ。お前に命令や。最低でも六魔枢の一人を倒せ。ええか、これは命令やぞ」

 突っ込みを終えた途端、ミケの表情が一変する。今まで見た事のない真剣な表情だ……いつかは言われると思っていたけど、とうとうきたか。神使を敬うオリゾンの人間なら恭しく引き受けるんだけど、生憎俺に信仰心なんてものない。交渉して情報や報酬を引き出せるだけ、引き出してやる。


「無理だって。そういうのは勇者のシロー君に言えよ」

 まずは軽くジャブを放ってミケの出方をうかがう。

 

「勇者に任せられんから、お前に言うてんねん。ええか、六魔枢と副将を倒すんや……その準備をしてるのは、分かってんねんぞ」

 確かに、六魔枢を倒す仕込みは出来ている。しかし、負ける可能性も高いのだ。しかも副将まで追加しやがって。一人でも倒したら、貴族や大衆に担ぎ上げられるだろうが。


「やっぱり、勇者はシロー君で確定なんだな」

 生まれる前から、勇者になるのが決まっているのは、幸せと言えるんだろうか?

無責任な大衆は持て囃すだろうが、辛い戦いを強いられるのはシロー君とパーティーメンバーだ。しかも、負けたらブーイング必至という理不尽さだ。


「確かにシロー・ヨリックは、今世では一番勇者の因子を持っとる人間や。そんなのは、お前が一番分かっとるやろ」

 さすがは神使、こそこそ動いてるのを全部知っていたか。


「だったら、神様サイドがシナリオを書いて、上手く事が運ぶようにしたら良いじゃねえか。俺も元社会人で、今は政治に携わっている人間だ。情報を全部開示しろなんて、野暮な事は言わない。ただし、俺の身内が不幸になるシナリオなら、即やめるからな」

 俺の大事な仲間がボーンタみたいに人生を狂わされたら、たまったもんじゃない。


「そこは安心せい。勘付いてると思うが、お前と絆を作った人間にもリヤン様のご加護がある。それとなグルウペ様がお書きになったシナリオ通りに物事が運ぶんなら、神さんも神使も必要ないんやで……神使にも、未来の事は分からんのや」

 ミケは一瞬悲しそうな表情を浮かべると、姿を消した。

 今の口ぶりからすると、粗すじみたいな物はあるけど、細部は決まってないってとこか。そうなると魔族の出現も粗すじ通りなんだろうか?

 それなら誰が何の為に、俺を転生させたんだろう……日本から帰って来る時に会った本当のジョージ君の方が俺より優秀だと思う。

 誰かの介入で粗すじに狂いが出たんだろうか。でも、それだとシロー君だけを、バックアップした方が良いに決まっている。


(そういや数人のライターさんに協同作製でゲームシナリオを書いてもらった時も、展開に矛盾が出て大騒ぎになったよな)

 神様(グルウペ)の書いた粗すじ以外にも、誰か書いたシナリオが存在するんだろうか。


東京・神奈川・大阪にお住まいの方は活動報告をご覧になってください。

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