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荒野の2pカラーゴーレム

戦闘描写が苦手だと改めて認識しました。

 黒華を還したままポーションなどの補給を行った。

 荒野/廃鉱山方面には妖精の魔法防御力を貫いて致命傷を与えてくる敵はいないけど黒華は群を抜いた防御力はないので体力を回復するためのポーションも購入した。

 その他には鉱山の外に出るモンスターを避ける作用がある香を買って準備は完了だ。

 街中の移動では【妖精魔法】の翅での移動ではなく、【魔力放出】での移動を行っていたため人の視線は集まらなかったようだ。

 やっぱり黒華が注目されていたみたい。

 人型の【使い魔】はプレイヤーと見分けることは難しい。

 なので黒華が【使い魔】と分かっていて、その見た目が気になっている人など本当に数えられるほどしかいないはずなのだが……。

 【使い魔】だと分かっていない、つまりプレイヤーだと思っているなら注目する理由もないわけだし。



 荒野は文字通り荒れている。

 しかし、そんな環境でも生きている草がある。

 その草はゴブリンを倒しながら集めた薬草よりも上質な草なのだ。

 なので、【錬金術】でポーションを自作するためにそれを集めに右に逸れて左に逸れてと蛇行しながら荒野のボスのゴーレムが待つ場所へと移動していった。


 荒野のザコ敵は、多くはハイエナだった。

 たまにライオンとトラと猫を混ぜて三で割ったような微妙な新生物(ライニャー)(ハイエナより強い)や、蛇がいたりしたが、結局彼らの弱点は火属性。

 さらに言えばハイエナとライニャーは移動速度こそ速いものの近距離攻撃手段しかなく、蛇は奇襲性能が高いのが取り柄だが【魔力察知】による索敵を掻い潜ることが出来るスキルを所持していなかったので荒野の敵は近づかれる前に倒すことが出来ていた。

 ――そもそも近づかれる前に倒せない魔法職はビルドエラーと言ってもいいほどの欠陥であるため、当たり前なのだが。


 ハイエナとライニャーはこちらへ走ってきているところに鋭い上昇気流を作り出してやり、体を浮かすと同時にダメージを与え、そこに火球を打ち込んで撃破というルーチンが組み上がっていた。

 蛇はそもそも移動速度が遅いので普通に燃やして撃破だ。

 

 移動の片手間に集めていた薬草もいい感じに集まったところでボスエリアへと到着した。

 今回のボスは山岳地帯のゴーレムとは違い、防御力は多少落ちたものの移動速度が増したものである。

 山岳地帯にいたいかにも石ですという灰色の体のゴーレムとは違い、荒野の地面と似た茶色っぽい岩で出来ている。

 速いと言っても山岳地帯のゴーレムと比べたらといった程度であり、全身金属鎧のタンクより少し速い程度なのでなんとかなると思う。


 ということで翅を生やし、黒華を召喚していざボス戦だ。



 インスタンスエリア、つまりボスとの決戦地へ入り込むと、そこにいたのはベータテスト時代とは異なった色をしたゴーレムだった。

 それを見た時に直感した。

 ――こいつ、倒しやすそうだ。


 そこにいたのはくすんだ鉄色のゴーレムだった。

 ゴーレムの特性からして足が遅くて防御力や体力が高く、その重さを生かした攻撃力もありそうな見た目だった。


「最初はレジスト低下!」

「かしこまりました」


 黒華に指示を出す。

 モンスターへの最初のデバフはレジスト確率がとても低くなっている。

 そのため、絶対にかけたいデバフは最初にかけるのがセオリーだ。

 山岳地帯での黒華はソロで戦うため、安心してデバフをかけられるように最初は移動停止をかけた。

 しかし、今回は二人での戦いだし、相手はいかにも足が遅そうな典型的なゴーレムだ。

 反面、魔法耐性なども高くレジスト確率は高くなっているはずである。

 なので最初に選ぶのはデバフのレジスト確率を下げるものだ。

 指示のあと、返事と同時に投げられた黒炎の縄がゴーレムに巻き付く。

 デバフの付与は成功だ。


「タゲはこっちが取るからサポート宜しくね!」


 (ヒットボックス)が大きい黒華より、体が小さく移動速度も速い妖精がタゲを握った方が安定する。

 代わりにまともに食らえば即死、【使い魔】である黒華が無事かどうかには関わらず死に戻りをすることになるのだが関係はない。

 最初に【呪炎】の縄を投げたことにより黒華にタゲがいっているため、それを奪い返すために最大出力の火を放つ。

 今回の火は殴りつけるような質量を持った火だ。

 腕を振るとその火は腕の動きに追従し、ゴーレムへと直撃した。

 ゴーレムの進行方向と真っ向からぶつかり合うような軌道で吸い込まれた火の塊は、衝撃とともに炸裂し、衝撃波を巻き起こした。

 その衝撃波を【魔力循環】によって纏っている風の膜で抑え、土煙が舞い上がっているところに今度は風属性の塊を投げつける。

 土煙を巻き込んでゴーレムへと発射された風は、ギャリギャリと金属が削れる不快な音を立ててゴーレムへと衝突していた。


 小さな石などがゴーレムの体と衝突しているのである。

 残念ながら巻き込んだ土煙に含まれているものではゴーレムの体以上の硬度を持つものは存在しなかったらしく、すぐに土埃のように粉々になってしまったが、単純に風の塊を押し付けるよりかは有効だっただろう。


 最後に風の塊が破裂して土煙が晴れたところにいたゴーレムは焼きごてでも押されたかのように両腕を赤熱させ、全身に細かい傷ができていた。


 完全にタゲが移ったことを確信し、これからは効率が良い攻撃を行うことにする。

 黒華もタゲが変わったことを把握してデバフをかけ始めている。


 ハメ状態となって礫を発射されないように近づいて近接攻撃を誘発し、大きく振り上げられた右腕の脇を抜けて背中側からの火球での攻撃を行う。

 ゴーレムのように予備動作の大きい敵は、攻撃を振らせてその隙に抜けることが可能なためとても楽に倒せる。


 黒華による黒炎の縄が何本も巻きついたゴーレムが背中側からの攻撃に押され、地面に倒れ込み四つん這いとなる。


 ――ダウンモーション。圧倒的な隙である。

 風の膜を解除し、水の膜を纏う。

 それにより水属性の親和性が上昇し、その攻撃力も上昇する。

 火の槍と水の槍を複数本同時に生成し、発射する。

 命中率度外視の時間対火力のみを意識した攻撃。

 通常時には何本も発射しても当たるのは数本だが、四つん這いに伏せている今ならば一本も外すことは無い。

 火の槍たちが着弾し、水の槍が発射される。

 その直後に火の槍を生成し発射、水の槍が生成されと三度繰り返したところでゴーレムが背後に向かって腕を振りながら起き上がる。

 風の膜が無くなったことで回避性能は落ちているが、元々想定していた攻撃。

 «ステップ»による無敵時間を使用して回避と離脱を行う。

 ゴーレムが伏せているあいだにデバフをかけ終わったのか黒華が巨大な【黒炎】を放つ。

 それを見送り、こちらも巨大な水球を投げつける。

 黒炎が鉄を焦がす音を聞きながらゴーレムへ向かった水球に向けて一言。


「芸術は爆発だ!」


 黒炎に焼かれ、非常に高温となっているゴーレムに衝突した水球は、一斉に気化し、爆発を起こす。


 当然のように術者を襲う衝撃を風の膜で――って今は風の膜纏ってないんだった。


 水と炎の膜がある程度衝撃を緩めてくれたものの、その勢いに吹き飛ばされる。

 慌てて進行方向とは逆に【魔力放出】を行うものの、十数メートルは吹き飛ばされ、ようやく停止することが出来た。

 右手の腕輪を見れば、体力が四割ほど削れている。

 もくもくと爆発あとから立ち上がる土煙を見ながら黒華と合流する。

 黒華は【神通力】で衝撃をどうにかしたようで、MPこそ削れているものの、体力は削れていないようだった。

 十数秒して煙が晴れると、そこにはまだゴーレムが立っていた。


 かなりダメージを与えたとは思うけどまだ生きているか。

 そう思った瞬間、ゴーレムの胴体がボロボロと崩れ落ち、勝利を告げるドロップウィンドウが左手首の腕輪から表示された。

 胴体部分の部位破壊……かな?


 荒野のアイアンゴーレム撃破だ。


 さて、当たり前のように表示されているドロップウィンドウを覗く。

 狐狩りをしていた時だっただろうか。

 倒すたびに表示されるウィンドウが鬱陶しくて機能をオフにしたはずなのだ。

 最新ドロップは所持アイテムの一覧の一番上に表示されるからあまり不便はないしな。

 しかし、傾向調整アイテムを求めていたため絶対にウィンドウが表示されないとなれば規定数を集めたことに気が付かない可能性がある。

 そのため、一般ドロップには反応しないようにして、レアドロップが落ちた場合のみ表示するようにしていたのだ。

 ということは、レアドロップが落ちたということか?


 そう思って詳しく見てみるが、アイアンインゴットだとか鉄板だとかゴーレム系共通のゴーレムの核片だとかばかりでレアアイテムは見えない。

 そして、一番下までスクロールしたところに待っていたのはこのようなメッセージだった。


《Wild Iron Golem FirstBuster》


 つまり、荒野のアイアンゴーレムの初回撃破者になったということである。

 報酬はアイアンインゴットを大量にと言った具合だ。

 

 なぜ初撃破通知だけ英語なのかとか、報酬がしょぼいとかは置いといて、単純に驚いた。

 狐狩りにかなりの時間を使ったため、最前線からはかなり置いていかれていると思っていたのだ。

 三番目の街には届かなくとも、二番目の街の人気スポットである廃鉱山くらいは解放されているはずだと思っていたのだ。


 ベータテストの時とは違うボスだとはいえ、何故解放されていないのだろうかと単純に疑問だった。

 まあいいか、初撃破者ってことは廃鉱山は暫く独占できるってことだろうし、人がいないってことは人目を気にせず黒華を出しっぱなしにできるということだ。

 それじゃあ暫く廃鉱山を独占させてもらうとしますかね。

初撃破の理由


ほかの人たちが倒せなかった理由


ベータと敵が違う(理由としては弱い)

敵がめっちゃ硬いし強い攻撃をするしタンクよりは足が速いのでタンクが離脱不可で難しい(並理由)

物理がダメなら魔法って言っても今度はタンクの回復が追いつかないし火力が足りない(並理由)


妖精さんたちが倒せた理由


攻撃に当たらないから回復魔法いらないし火力だけでいい(弱理由)

黒華のデバフが強い(並理由)

妖精とゴーレムの相性がいい(強理由)

エリミネイトの親和性あげとかいうインチキをしていたので【精霊魔法】の威力が並の妖精と違うし属性魔法特化の純魔よりも圧倒的に高い(最強理由)


結論、エリミネイトと黒華強い

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