復讐が創る幸福
本日三話目です。
まだの方はそちらから。
黒い空間で、二人は手を繋ぐ。
二人の間に会話はない。だけど、気まずさもない。
最後の復讐の余韻を感じながら、互いを思い未来への空想を広げていく。
二人は手を繋ぎながら転移をする。
転移先は王都だ。これから、二人はここを生活の舞台にすることにしたのだ。
故郷である村は、復讐ですっかり燃やし尽くしてしまった。建物も人も魔法で創れるが、そこまでしてあそこに住みたいとは思わない。
神が住まう白と黒の二つの空間は、何もなくてつまらない。
あんなところに住んだら、ストレスが溜まっていく一方だ。
だから、二人は人と物と娯楽に溢れた王都で残りの人生を生きようと決断したのである。
二人で手を繋ぎながら王都を歩く。
王都に出ている屋台で、笑顔を咲かせながら買い物をするルーシャの様子を見ながら、ソータは幸せを噛み締める。
人生に絶望し、復讐を望み、一度は死んだ彼女も、こうしていれば可愛すぎるだけのただの少女に見えるのだから、不思議なものだ。
二人で手を繋ぎながら、新たな人生をスタートさせる。
二人の心情は、驚くほどに清々しく、穏やかだった。
復讐に取り憑かれた鬼はどこにもおらず、そこには未来への期待を膨らませた新婚夫婦がいるだけだ。
時間が飛ぶように過ぎていく。
苦労が絶えなかった二人にとって、こんな幸せな時間は初めてだった。
初めて、人生に純粋な楽しさを見出した。
「今までありがとう。これからもよろしく」
二人の家で、ソータは改めてそう告げる。
「こちらこそ……!」
満面の笑みを浮かべたルーシャは最高に魅力的だった。
ようやく書きりました。
少しでも楽しんでいただけたのなら幸いです。
さて……。新作始めました。
今作より面白いと思います。
まだ話数が少ないので、下記リンクから覗くだけでもお願いします!
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あらすじ
不遇な人生を送ってきたおっさんがいた。
貧しい家の末っ子に生まれた幼少期。家を出て、一〇歳で授かるスキルに希望を見るも、一瞬で打ち砕かれた少年期。乞食をして食い繋いだ青年期。冒険者として必死に生き抜いた壮年期……。
そんな彼は、勇者パーティのストレス発散の為に、異世界に転移させられてしまう。
絶望の底。そこが、彼の逆転の始まりとなった。
精霊が司る異世界で一人の精霊と契約した彼は、スキルを授かった直後の、過去へとタイムリープする。
スキルは一番の外れと言われる『SSS級魔術』から、聞いたこともない『精霊魔術』へと進化済み。
時間は過ぎて一五歳の頃。
『精霊魔術』の強さを知った彼は名門の学園への入学を果たし、少女達の悩みを解決しながら学園生活を満喫する!




