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アレーマの酒場

アレーマの酒場。ここには職業を持つ者が多数おり、勇者は冒険の為パーティーを集めるべく面接をする事にした。早速、一人目が現れ、向かいのテーブルに座る。


「まず、お名前をどうぞ」


「わい?わいの名前はアンボーや。よろしゅう。見ての通り遊び人やで」


「特技は何かあります?」


「昼寝くらいなら」


「魔物の餌役で良ければ組みますけど」


「兄ちゃん、わかっとらんで。遊び人はな。努力と根性無しに賢者になれんのやで?本来ながーい時間かけて魔法職と僧侶を鍛練してからなれるもんを、遊び人は一足飛びでなれるんや。そこに遊び人の価値があるんやないか」


「どうやって賢者になるんですか?」


「人間、何の目的もなしにだらだら生きとったら、時が経過して周りが結婚したり、子供出来たりでふとした瞬間、焦る時あるやろ?他にも、自分がバイトやのに後輩がどっかの大きい会社の正社員になりまんたー言うてLINEで報告してきよって、ええ!?俺まだ平やで。言うてね、素直に全く喜べへん瞬間とか」


遊び人が遠い目をして告げる。


「彼氏おらん女が、自分はいつでも結婚出来る思うとったけど周りが結婚し出して、絶対結婚せえへんわおもとった奴が急に結婚報告ノリノリでしてきよって、あれ、自分まだ彼氏すらおらん、あれ?みたいにふと思う瞬間。」


「ーーーーーーーーーーーあれや。悟った奴からドーモの神殿行って悟りましたー言う反省文提出したら晴れて賢者や」


「・・・・アンボーさん、今年で幾つですっけ」


「52や。わいはこれからも死ぬまで遊び人。そういうこっちゃ」


半端ない良い笑顔でそう告げる遊び人アンボー。


「価値ないんで、次の方どうぞ」


すごすごと遊び人が出ていって、いかにも盗賊の男が入ってくる。


「すみません、では名前からお願いします」


「ジョン・アビーダ。職業は盗賊さ」


「盗賊・・・ですか」


「何だ、あんま嬉しそうじゃないな。やっぱ戦士とかの方が良かったか?」


「ええ、転職をお奨めします」


勇者は正直だった。


「年齢は?」


「42歳、子持ち」


「奥さんとお子さんはどうされるおつもりで」


「そりゃ、置いてく訳にもな。荷物持ちになるし、飯も作れるし、息子が14歳になるが

君と良い友達になれると思うぜ」


勇者はちょっと揺れた。


「でも、魔王の居る場所まで連れていくのは流石に難しいんじゃないかと思うんですが」


「母ちゃん、俺より強いぜ」


「ぜひ、奥さんを面接させて下さい」


勇者は率直に思った事を言った。


「後は経歴を聞かせて下さいますか」


「詐欺4件、殺人3件、窃盗25件、銀行強盗3件・・・後何だったかな」


(ーーーー前科重ッ)


「得意な特技はありますか?」


「特技?」


「あるでしょう、鷹の目とかぬきあしさしあしとか」


「鷹の目はわからんが、美人とナイスバディを見る目は持ってるがね。後母ちゃんの目を盗んでへそくり持ち出したりな」


「じゃあ、後ろで怒ってる覆面被って斧持ったバーサーカー奥さんじゃないんですね」


バーサーカーは無言で盗賊を酒場から連れ出した。


「あああ、連れてかれちゃった。今日はもう、面接中止かな。しょーがないよね~全然パーティー見つからないすぃ~」


勇者が面接を初めてすでに半年と5日。


勇者は一歩も冒険に出ていない。





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