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才夏国のふたり

【白媛】

才夏国 侯爵家令嬢 母は王妹

蛇が超がつくほど大嫌い。

でも、怪我した蛇はほうっておけなかった。

国王夫妻の勧めで、帝国に留学していた

借り住まいの皇城の庭園で、蛇姿の皇子を助け、

その蛇だった皇子と強引に婚約させられていた

宗林の策により無事、婚約破棄に成功した。


【宗林】

才夏国 皇太子 現国王の唯一の王子

白媛をこよなく愛する理解者

白媛以外の女性に興味がない。

妃にと望むも、ことごとく白媛の兄達に

邪魔されていた。

国王も城の要職を占める兄達に強く言えず、

息子の策に乗った。


【緑華】

英華帝国 第4皇子

もうひとつの姿は 碧色の美しい蛇

白媛と婚約していたが宗林の策に嵌まり、

涙を呑んで婚約を破棄した。

今も白媛が好きなはず。

兄達の行列を今も悪夢に見続けている。

ちょっと可哀想な人。

 

 お従兄様(おにいさま)は帝国から不可侵条約の締結と、多額の慰謝料をもぎ取って私を連れ帰った。



 やっと帝国の緑華皇子との婚約から解放された私は、お従兄様(おにいさま)と才夏国の王城にいた。



「宗林お従兄様、信じておりましたわ」


「白媛、もう、お従兄様と呼ばなくても良いのだよ? 私達は婚約したのだから」


「はい、宗林様」


「ふふ。 おかえり、白媛」



 ◇

 宗林は、白媛と緑華皇子の婚約を聞くと、すぐに策を練った。


 英華帝国は才夏国が戦って勝てる相手ではない。

 おまけに、こじつけとはいえ、皇子には大義名分があり、白媛に執着している皇子を引き下がらせることは難しかった。


 だが、宗林もたった1人の理解者である白媛を諦めるつもりはなかった。


 とはいえ己は才夏国皇太子。

 国を考えると負ける勝負は出来ない。


 白媛を皇太子妃にする為にも、無傷で最大の利益をもたらさねばならなかった。


 なぜならば、白媛との縁談をことごとく白媛の兄達に妨害されていたからだ。


 国の要職を占める白媛の兄達に、国王である父も強くは言えなかった。


 だから、白媛の兄達を納得させ、今後も国の為に尽くして貰うには、宗林が自分達以上に白媛を守れる存在だと証明せねばならない。



 そこで宗林は、数で勝負を仕掛けた。


 侯爵家の白媛の兄達を、()()()()()帝国に向かわせ、緑華皇子を説得させたのだ。


 白媛には41人も兄がいた、そして全員が国の要職に就いている。帝国も無視は出来ない。


 案の定、緑華皇子は25番目で()をあげた。



 自分たちが失敗した緑華皇子の説得を成功させ、不可侵条約と慰謝料をもぎ取り、白媛を連れて帰った宗林に、白媛の兄達は頭を下げた。




 ◇


「またですの?」


 お腹を膨らませた母に白媛はついこぼした。


「仕方ないでしょ、体質だし」




 才夏国の王室に()秘事がある。


 王族には稀に、鼠に姿を変えられる女性が産まれてくる。現在の王族には2人。


 王妹である白媛の母と、公爵令嬢だった王妃だ。

 王妃は先代国王の姪にあたる。

 

 血筋のせいか、白媛を含め王族女性は全員、蛇が駄目だ。おまけに鼠の姿をもつ女性は多産だった。


 白媛の母は、7度の妊娠で42人の子を産んだ。最後に産まれたのが唯一の娘である白媛だ。

 

 たった1人の妹を、兄達は構い倒し可愛がった。愛され過ぎた白媛はぐれることもなく育つ。


 41人の兄達は全員性格も行動も違った。

 そんな兄達を、毎日休む間もなく、捌き、あしらい、宥めて過ごしてきた白媛は、いつしか死んだような目をしていた。


 9つのとき、王城で宗林に出会うまでは。




 王妃を母にもつ宗林は36番目の子どもだった。宗林以外はすべて王女だった。


 唯一の弟を、姉王女達は構い倒し可愛がった。

 毎日、王女達にいいようにされた宗林は、女性に希望が持てなくなった。


 死んだような目をしていた宗林は11で、白媛に出会う。


 ひと目で、お互いがお互いの唯一の理解者であることを悟り、慰めあった。



 そして、お互いを生涯、唯一の伴侶とすることを誓ったのだった。






お読みいただき、ありがとうございました。


あと後日譚と前日譚の2話で終わります。

どうぞお付き合いください。






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